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愛犬がいればなんでもできる!…気がする!  作者: にゃんころもち
第一章
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全団集結


ユナイシアムルから、援軍が来た。


竜人族と聞いていたから、てっきり角でも生えているのかと期待していたんだけど…残念ながら見た目は私達と全く変わらなかった。ただ、顔面偏差値はとても高い。


何故だ。何故キラキラしているんだ、顔が。


総勢三百名と対峙しているのだが、それだけの人数がキラキラしているとさすがに圧巻である。眩しくてちょっとミアさんの後ろに隠れた。


しかし、こうして綺麗に整列しているのを見ると…お国の方針は軍隊に近いのだろうか?体もガッチリしているし立ってるだけなのに強そうだ。間違っても敵に回したくない。



「ユナイシアムル王国第一騎士団、並びに第二騎士団!戦場を共にする仲間にーっ…敬礼っ!」



キラキラ達の敬礼は、綺麗に揃いすぎていてなんだか不気味だった。


我々従魔騎士団と騎士団、魔法師団でお出迎えをしているこの状況。騎士団と魔法師団は森や王都周辺の警備で半数がいないと聞くが、それでも多い。


…そういえば魔法師団の人は初めて見るけど、みんな黒いローブを着ているので本当にナヨナヨしているのかわからないな。気になる。


ユナイシアムルの彼等は他のお偉い方々とは既に謁見済みらしく、大まかな作戦は決まっているらしい。今する事は、細かな調整。


団長と騎士団長、魔法師団長が一歩前に出る。私達は後ろで控え、代表者達の会話をしっかり聞き自らの役割を理解しなければならない。


さぁ、従魔騎士団はどう動くのか…団長任せましたよ!



「久しぶりだなぁ、アイーダ!一年半ぶりか?」


「ふん…能天気なのは変わらんな、ガイリス。従魔騎士団所属になったと風の噂で聞いたが…」



チラリとこちらを見る、ユナイシアムルの代表者は珍しくも女性である。きっとさぞや優秀なのだろう。しかし喋り方はどこか高圧的というか…ううん、きっとトップの人間は普通はこうなんだろうな。うちが特殊なだけだろう。



「…本当のようだな。まぁいい、此度の事件だが…かつてユナイシアムルの第七国王が遺した言葉通り、我々も参戦する。狙われてるのが他国だろうが全力で挑むと誓おう」


「…正直、助かりますね。例の檻は私達では破壊不可能なようなので」


「悪いな、恩に着るぜ。あちらさんもなかなかの人数らしいからな」



名前だけは知っていた、魔法師団のフラン団長と騎士団のドリュー団長。他団の団長なんてそうそう会う機会はないので、大変貴重である。…ドリュー団長はうちの団長っぽい雰囲気を感じるし、フラン団長は顔すら見えないけれど。せめてフード取ってくれないかな。



「そうだな、少なく見積もっても兵は三万はいるだろう。対してこちらは一万弱…圧倒的に不利な状況ではある」


「だよなぁ…どうするよ、全然人足りねーじゃん。なんでもっと連れて来なかったんだよ」



ドリュー団長の不満には同意する。人数差は重要だろう。同盟国ではないから仕方がないのかもしれないが、もうちょっと多くても良かったのでは?


そう思ったのだが、アイーダさんはハッキリとうちのガイリス団長を指差し、言った。



「そいつのせいだ」



…ん?



「一年半前、うちに交流試合に来ただろう。その時のそいつの無茶苦茶な魔法の使い方を見て、気持ち悪がって来たがらない奴が多かったのだ」


「え、どこが気持ち悪かったんだ…?!直すから教えてくれ、アイーダ!」


「自覚がないだとっ…?!なんて恐ろしい奴だ!あっ、えぇい寄るな鬱陶しい!」



人目がなければ、頭を抱えたかった。そうか…うちの団長のせいか。しかも理由が、魔法の使い方が気持ち悪い。……ちょっと待て、私普段団長から魔法教わってるんだけど!えっ、もしかして私も気持ち悪い事になっちゃってる?!


………すっごく使うのが嫌になった。



「ま、まぁ、策がないわけではない。守りを固め、同時に襲撃部隊を作る事が決定している。あとは人選だ」


「我々魔法師団は守備に徹しますからね。行っても逆に足手纏いでしょうし」


「それで構わない。必要なのはー…機動力があり、魔法も扱える者。檻は我々竜人族が壊すので、従魔持ちでも良いが」


「なら、ガイリスんとこからだな。うちは魔法はからっきしだからよ」



気のせいか、ユナイシアムルの兵士達が一瞬嫌な顔をしたように見えた。…マジで何したんだろう、あの人。


内心げんなりしていれば団長方がこちらを振り向いたので、自然と背筋が伸びる。



「全員でもいいのか?」


「あぁ。何部隊かに分け、数カ所から仕掛ける。恐らく奴等の守りは薄いからな。国さえ落としてしまえば後は容易い」


「よし、わかった。なら俺達は全員そっちへ行こう。…いいよな?」



自信なさ気な団長だが、みんなで頷けば嬉しそうに笑った。…そもそもいいよなと聞かれても、私ら一般兵に拒否権はないんだけど。上がやれと言ったらやるしかないのだ…下の者の悲しい宿命である。


行く事が嫌なわけではないが、不安が大きい。そんな戦いの最前線へ行ってもまだまだ弱い私が役に立てるかどうか…


だが檻も鉱石もなんとかしないと、この先ずっと怯えて生きていかなきゃいけない。…待てよ。逆に考えれば、本当になくなったのか見届けるチャンスでは?


そうだ、その考え方でいこう…!それなら多少恐怖も不安も感じるが、やる気も出る!うん!頑張れる!…はずだ!



「決まりだな。部隊を編成しよう。ガイリス手伝え」


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