↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛犬がいればなんでもできる!…気がする!  作者: にゃんころもち
第一章
17/100

初仕事


「よーっし!じゃあ行くぞサシャ!俺に続けーっ!」


「はい団長!………ってちょっと待ってください」


「ん?なんだ、トイレか?…気のせいじゃないか?」


「トイレが気のせいってどういう事ですか。あと私一応、女子ですから。正面からトイレとか言わないでください」


「おっと、そうだったな。またミアに叱られるところだった」



日頃から団長に指摘をするミアさんの気持ちがよくわかる。黒髪短髪、無精髭のせいでわかりづらいが男前だし、加えて引き締まってムキムキの体。なのに喋ると残念という。


黙ってりゃ団長はかっこいいのに…って危ない危ない、今はそんな事考えてる場合じゃないんだった。



「団長、なんでチャトラに乗っ………まさかチャトラに乗ってくんですか?!」


「え?お前はモモに乗らないのか?…そういや風属性あるんだもんな!走るか!」



そう嬉しそうに言った団長の足に何故か物凄い風が発生し始める。いやいろいろ待ってください団長。理解が追いつきません団長。



「なんでだ?足に風を纏わせれば瞬発力も上がるし、速く走れるんだぞ?調節次第じゃ空も飛べるんだぞ?」


「…言ってる意味はわかるんですけど、私そこまで調節出来ないと思います。普通に歩いて行きませんか?」


「え、サシャは走れないのか…?!」


「………」



何故だろう。話が通じない。


このままでは時間が勿体ないので、団長の言う通りに足に風を纏わせてみる。少しの魔力なら詠唱はいらないから楽だけど、ここからどうしようか…なんか、力入れたら浮いちゃいそうなんだけど。



「もっと圧縮させるんだ。そうだな…ギュッ!ってイメージだ!雪玉を作った事はあるか?」


「…あ、なんとなくわかりました。こんな感じですか?」


「そうだ、上手いぞ!次にそれを、解き放つ!前に跳んだ瞬間に放てば長距離を一気に移動出来る!そして連発すればもっと速い!」



言ってる意味は理解できるんだけどなぁ…どうにも無茶苦茶な使い方な気がする。けれど出来なきゃ、今まで一人で効率よくやっていた団長の足を引っ張ってしまう。


意を決し、私は走り出した。そして途中で足裏から風を噴射するイメージを、



「っ、………!」



風のっ…風の!圧が!半端、ないっ!


息が出来ないし一瞬で過ぎ去った景色に呆然とする。首も持ってかれそうだったし、なんて恐ろしい…!


そしていつの間にか隣にいるモモ!え、なんで?!そんなに足速かった?!



(チャトラに教えてもらったら簡単だったぞ。便利だな、足速くなるの)



なんと……今魔法が使えるのを暴露しちゃうのかい、モモよ。もっと早く言って欲しかったよ。てっきり大きくて可愛いだけの柴犬だと思ってたのに…ちゃんとヘルハウンドになっちゃってたなんて。


いや自衛が出来るようになったのは素晴らしいけど、でも、今かぁ………!


どんどん先へ行く団長に置いてかれないよう、必死に魔法を連発している最中なのだ。正直他の事は考えられない。


事前に今日はチャトラがモモについていてくれるとは聞いていたから心配はしていなかったけど、突然すぎてそれなりの衝撃は受けた。魔力がブレ不安定になり揺れて怖い。


それでもなんとか森の入口に立つ団長を見つけ、安心して気が緩んだのか着地に失敗し盛大に転がった。くそぅ、全身痛い…!



「無事到着したな!なんだ、魔力の扱い上手いじゃないか!オッドは出来なかったぞ?」


「これ…無事って言えますかね…?!」


「五体満足なら無事だ!」



グッと親指を立ててくれたが、あまり嬉しくない。だってこれどう見たって無事じゃないもん。団服ちょっと破れちゃったし…ショック…



「よし、ここからは従魔に乗って移動するぞ」


「…えっ!も、モモに乗るんですか?!」


「森の中は足場が悪いからな。従魔の方がスムーズだし、警戒してくれるから俺達は周りを見る事が出来るだろう?モモが嫌がらないなら乗った方がいいぞ」



そんな、モモに乗るだなんてっ……そんな可哀想な事、できないっ…!



「モモは嫌だよね…?!私重たいし毛掴んじゃうかもしれないし動きづらくなるし、」


(いいから早く乗れよ。どっか行かれるよりは背中にいた方が俺も安心だ)


「っ…!キュン死する!」



何この男前!と悶えながら、恐る恐る伏せてくれたモモの背中によじ登る。うっわふわふわ天国。たまらなさすぎる。



「モモはいい子で良かったなぁ、サシャ。ちゃんと掴まってるんだぞ」


「は、はい!モモ、このへんなら毛痛くない…?」


(そう簡単に抜けないから気にすんな)


「団長、モモがかっこ良すぎてどうにかなりそうです」


「頑張れ!さ、行くぞチャトラ。モモも着いて来いよー」



綺麗に流されたがそれすら気にならない程、今の状況に感動する。


あの、モモが。


ちょっと腕が乗っただけで嫌がっていたあの…モモが!私を乗せて、優雅に歩いてくれているっ!


毛を掴んでいても怒らないし気にしてもいない。大きくなったから平気になったのかな?確かに強く引っ張っても抜けなさそうだ。


チャトラの可愛いお尻を見つつモモのふわふわに癒されつつ、私も見様見真似で辺りを見渡してみる。改めて思うけど…自然豊かな森だなぁ。空気も綺麗な気がする。



「もうしばらく歩いたら、一度休憩にするぞ」


「了解です!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。