第二部の一話
俺の名前は湊陽一
自分がどっぷりつかってたオンラインゲームとそっくりの世界に入り込み
その後現実と異世界を行ったり来たりしている大学生である
そしてここはソーマファンタジーの世界
ちなみにソーマは単純にソードアンドマジックの略である
この世界にはアムリタニアという呼び名もあるが、基本的に俺はソーファン世界と呼んでいる
何故ならややこしいからだ
少し前まで現実世界壊滅の危機に対して孤軍奮闘していたが
異世界転移した際に発現したソーファン時代の能力が強すぎてなんとかなった
とりあえず異世界転移のきっかけになった蛇神さまには再びお鎮まりいただいて
世界は平和になった。はず。
女神さま的には、俺が世界を行き来させてくれる理由もなくなったはずなのだが、なぜか今でも異世界に行けるし、能力も強いまま
まあ、いつこの状況が終わるか今度こそ分からないし、能力がいつ消えるかもわからないので慎重に生きていきたいと思う
神は気まぐれなどといった風潮もあるが、俺はあんまりそうは思ってなくて
ほんとは神さまって思慮深く、愛が深いんじゃないかなと思ってる
なので俺がまだこの世界にいるのにもきっと意味があるに違いない
多分。
とりあえず、俺の冒険生活は再び始まる
(強くてニューゲームみたいな感じで)
の予定だったのだが……
俺が今いるところ……それは……
「おい、飯だ」
牢屋の中。
この状況。まさに異世界あるあるだと言えよう
不審な冒険者が理不尽に牢に入れられることはよく(?)ある
これだから目立つのはよくないのだ
冒険者として活躍すると人気は出るが、一定の割合でアンチも増えるのである
やはり人間は謙虚に生きるべきなのだ
とまあ現状を顧みるのはこれぐらいにして。
ここはなかなかに居心地の悪い独房である
風通しが悪く、湿度が高い
ただ、ちゃんと(我々が言うところの洋式の)トイレが設置されているのはありがたい
囲いとかなくて剥き出しだし、水洗じゃないけど
これがなかったらすぐに牢をぶち破らざるを得ないところであった
なおいくつかのクエストで少しだけ噂が漏れてしまっている為か
対魔法用結界や超耐久金属補強などがなされている特別性の牢だそうだ
とはいえ。
さっき試した感じ、別にアイテムは取り出せるし、魔法も大して抑制されずに使えた
やってみた感じ、出力が2%ぐらい減ったかもしれない?ぐらい
なので3秒で牢屋をぶっ壊して外に出て、王宮を含む城塞都市まるごと
召喚獣の超絶奥義や隕石群で滅ぼすことは容易である
しかもソーファンには食事で様々なステータス強化が付くシステムがあるので、俺は様々な効果を持つ食事を大量に持ち歩いている
アイテム欄の中に収納している限り消費期限は無限だし?
よって数か月ぐらいならここで待てるが、ここで朽ち果てるのを待つ気はないし、暇だ
いつでもどうとでもできると思っているので、無理に抗ったり秩序を乱す行動をしなくてもいいかなという心境で、少しだけ様子を見てるだけだ
この世界そのものを楽しみたい俺としては、郷に入りては郷に従えである
大暴れして秩序を崩壊させてしまっては元も子もないからな
さて。
ソーファン世界にはいくつかの国家があるが、その中でも代表的なのが
主人公たちがスタート地に設定できる(空中都市探索の時も出てきた)三国
すなわち
騎士団がある王国、科学技術が進んでる共和国、魔法が盛んな連邦国
なのだが、それら三国と同盟を結んでいる貿易大国が別に存在している
この国は3国よりも後にできた新興国なのだが、星核エネルギーの研究でメキメキと発展し、今では世界でも最も発展している国だ
名をフォスタリア公国という(覚えなくて大丈夫です
そして今いるところが公国のお城の地下深くにある最重要容疑者用の牢獄
なお俺の罪状
『密輸』・・・輸出に許可がいる特殊素材を色々持ち歩いてた
『スパイ容疑』・・・どこの国の立ち入り禁止の場所にも神出鬼没
『未許可探索』・・・勝手に許可がないと入れない遺跡に入ってた
『公文書偽造』・・・発行した覚えのない国家最高レベル冒険者名誉証書の保有
なんといいますか……
女神さまもそこまで整合性の面倒は見きれなかったらしい
全部濡れ衣だけど、当たってるっちゃ当たってるやん
だから大暴れしてパワーで脱獄とかは間違ってると思う
てことで俺は今から大人しく極秘で行われる最高審議会に出席するのである
「さあ出ろ」
顔の見えない兜をかぶった衛兵が俺を呼ぶ
なお手錠はついていない
最初に付けられそうなときに反対して破壊したら許してくれたので
では出廷するか…




