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第21話

元々カーバンクルという単語は古い言語などにおいて『宝石』を意味する単語であったらしい

それが古くからの多くの創作により宝石を持つ幻の動物といった存在に変わっていった


ソーマファンタジーの世界においてもその設定は踏襲されており、カーバンクルと赤い宝石には深いつながりがある。らしい


俺たちがやってきたのは『水晶渓谷』と呼ばれる場所である


様々な鉱物が結晶化して地面に露出しており、今では希少な鉱物はなかなか見つからないとはいえ、まだまだ一攫千金を夢見る冒険者たちが集まる有名な金策スポットである


当然のように奥に行くほど希少な鉱物が残っている可能性が高く、敵も強くなる


「この場所のどこかにある赤い宝石を探すよ!」


マリチは曜の方を向き直りながら、渓谷の奥を力強く指さす


「いやまてマリチ」

「え?」

「曜ははじまりの街しか行ったことがないから転移できないんだ」

「あっ!てことは……」

「マリチの家の庭に一人でとりのこされとる」


てことで再びマリチ家に戻って、途方に暮れる曜をまず街に案内

そこから飛空艇に乗って辺境の街に移動

さらにそこから馬車に乗って、最寄りの村まで移動

そこから馬を借りてようやく目的地に到着した(5時間)


「ここが水晶渓谷……?空飛ぶ船も、というか馬車も、馬も……全部初めてすぎて……」

「さすがに疲れたか」

「私はなんかけっこう慣れてきたかも」

日枝さんは小柄で体力があるようには見えないが、あまり疲れを滲ませてはいない


「ほいっと」

マリチは曜の胸のあたりに手を伸ばすと、回復魔法をかけた

緑色の淡い光が曜の身体を包み込む


「あ、すごい楽。異世界便利すぎる」

「んじゃ準備おけ?では改めて……この場所のどこかにある赤い宝石を探すよ!」

仁王立ちになって渓谷の奥を力強く指さす


「どこか……なんだ?曖昧過ぎない?」

「具体的にはモンスターが飲み込んでいるので、片っ端から倒します」

「最悪なんだけど!」


俺の抑揚のない呟きに曜が毒づく

「あ、でも奥にいる強い個体ほど落とす確率が高いから、皆でやればきっとすぐだよ」


「カオル。それはダメだ」

マリチは割と真面目な顔をしていった


「これはヒカリのレベル上げも兼ねている。戦いながら少しずつ奥に行く」

「なるほど……あ、でも」


そこでふと日枝さんが何かに気づいたようだった

「レベル差補正だね」

俺はおもむろに言った


ソーファンの世界ではレベルがあまりにも違うもの同士が一緒に戦うと、低いレベルの者には経験値が入りにくいという補正がある


俺とマリチのレベルは120


日枝さんが75


(ちなみに世間の最高レベルは初期のソーファン上限から推察するに50だろう)


曜は1


俺たちと組んだら曜には経験値が0か1しか入らないし、日枝さんと組んでも微々たる量になってしまう


実際に戦う方が強くなる実感もあると思うし、とてもいいシステムだなと俺は思う


「だからヒカリは一人で戦いながら進むのだ」

「え!!」

「もちろん手伝いは惜しまないし、なんなら死んでも生き返らせるから大丈夫」

「あ、でもさ……」


日枝さんは曜の格好を上から下まで眺めて見てぼそっと言った

「ヒカリちゃんって制服だけで防具着てなくて、武器も素手では」


ほんまや。


自分たちの重装備に慣れすぎて忘れていた

今の曜は制服という名の『ぬののふく』しか装備していなかった


「すっかり忘れてたね」

マリチはそう言って舌を出しつつ、右手から凶悪なトゲトゲのついた片手棍を取り出し手渡した

「これもあれもそれも。強さだけじゃなくて可愛さも大事」

半透明の謎の物質で出来た兜、謎の文様が刺繍されたローブ、常に淡いオーラが放たれているスカート……ドラゴンの被膜で作られたグローブ……

「ふう……これぐらいでいいかな」


いや過保護すぎるだろ

元々のステータス値は全部7前後なのに、装備補正で100ぐらいになっとるがな

厳しいのか甘いのかわからん感じになっとる


「試しにそこで飛び跳ねてるスライム的なやつをそのギガトゲハンマーで殴ってみよっか」

「赤いのは強いから青いのがいいよ…って」


日枝さんがそれを言い終わるか終わらないぐらいのタイミングで曜は一番手前にいたバレーボールほどの赤いぷよぷよの物体を、スリッパで虫を叩くぐらいのぎこちない動きでぺしっと叩いた



ドギャバスバゴンン!!


叩く動作からは想像できない轟音がしてスライムのような生物は消滅した

というか地面ごとえぐれた


そして……

シュワ~ン


曜の身体が微かに光に包まれる


「あ、曜ちゃんレベル2になった」

日枝さんが拍手をする

「な、なんかわからないけど嬉しいです。ありがとうございます」


「ちなみにソーファンの世界では魔法は勝手には覚えない。魔導書を読むんだ」

「魔導書はどこに?」

「レベルが上がったら街に戻って買いあさる」

「魔法って私もつかえるようになるんだ?」


それを聞いて日枝さんがニヤリとしながら指先にボッと炎をともした

「この前まで一般人だった私も今やこれだよ」


なかなか新しい価値観を受け入れられてなかった曜も少し目が輝く

「異世界、強すぎる」


「さあどんどん行くよー!」


スパルタと見せかけたマリチの超過保護により曜のレベルはサクサク上がった

小一時間ほど戦ってようやく叩い方も様になってきたころ


「レベル30か」


曜のステータスを『調べる』しながら俺は呟く


「やっぱ弱いやつからは宝石はなかなか出ないね。そろそろ奥に行こうか」

「枯れ谷から峡谷を抜けて、荒れ地を通って最深部にある鍾乳洞に入ろう」

マップを開きながらルートをチェックする俺


「ここは?」

その横に日枝さんが立ち、最深部よりさらに奥のマップの、道の描かれていないところにある?マークを指さす


「星核の結晶があるところだね」

「へえ」

「始原武器に星核の光を集めていけば星核武器をつくれるよ」

元々カーバンクルという単語は古い言語などにおいて『宝石』を意味する単語であったらしい

それが古くからの多くの創作により宝石を持つ幻の動物といった存在に変わっていった


ソーマファンタジーの世界においてもその設定は踏襲されており、カーバンクルと赤い宝石には深いつながりがある。らしい


俺たちがやってきたのは『水晶渓谷』と呼ばれる場所である


様々な鉱物が結晶化して地面に露出しており、今では希少な鉱物はなかなか見つからないとはいえ、まだまだ一攫千金を夢見る冒険者たちが集まる有名な金策スポットである


当然のように奥に行くほど希少な鉱物が残っている可能性が高く、敵も強くなる


「この場所のどこかにある赤い宝石を探すよ!」


マリチは曜の方を向き直りながら、渓谷の奥を力強く指さす


「いやまてマリチ」

「え?」

「曜ははじまりの街しか行ったことがないから転移できないんだ」

「あっ!てことは……」

「マリチの家の庭に一人でとりのこされとる」


てことで再びマリチ家に戻って、途方に暮れる曜をまず街に案内

そこから飛空艇に乗って辺境の街に移動

さらにそこから馬車に乗って、最寄りの村まで移動

そこから馬を借りてようやく目的地に到着した(5時間)


「ここが水晶渓谷……?空飛ぶ船も、というか馬車も、馬も……全部初めてすぎて……」

「さすがに疲れたか」

「私はなんかけっこう慣れてきたかも」

日枝さんは小柄で体力があるようには見えないが、あまり疲れを滲ませてはいない


「ほいっと」

マリチは曜の胸のあたりに手を伸ばすと、回復魔法をかけた

緑色の淡い光が曜の身体を包み込む


「あ、すごい楽。異世界便利すぎる」

「んじゃ準備おけ?では改めて……この場所のどこかにある赤い宝石を探すよ!」

仁王立ちになって渓谷の奥を力強く指さす


「どこか……なんだ?曖昧過ぎない?」

「具体的にはモンスターが飲み込んでいるので、片っ端から倒します」

「最悪なんだけど!」


俺の抑揚のない呟きに曜が毒づく

「あ、でも奥にいる強い個体ほど落とす確率が高いから、皆でやればきっとすぐだよ」


「カオル。それはダメだ」

マリチは割と真面目な顔をしていった


「これはヒカリのレベル上げも兼ねている。戦いながら少しずつ奥に行く」

「なるほど……あ、でも」


そこでふと日枝さんが何かに気づいたようだった

「レベル差補正だね」

俺はおもむろに言った


ソーファンの世界ではレベルがあまりにも違うもの同士が一緒に戦うと、低いレベルの者には経験値が入りにくいという補正がある


俺とマリチのレベルは120


日枝さんが75


(ちなみに世間の最高レベルは初期のソーファン上限から推察するに50だろう)


曜は1


俺たちと組んだら曜には経験値が0か1しか入らないし、日枝さんと組んでも微々たる量になってしまう


実際に戦う方が強くなる実感もあると思うし、とてもいいシステムだなと俺は思う


「だからヒカリは一人で戦いながら進むのだ」

「え!!」

「もちろん手伝いは惜しまないし、なんなら死んでも生き返らせるから大丈夫」

「あ、でもさ……」


日枝さんは曜の格好を上から下まで眺めて見てぼそっと言った

「ヒカリちゃんって制服だけで防具着てなくて、武器も素手では」


ほんまや。


自分たちの重装備に慣れすぎて忘れていた

今の曜は制服という名の『ぬののふく』しか装備していなかった


「すっかり忘れてたね」

マリチはそう言って舌を出しつつ、右手から凶悪なトゲトゲのついた片手棍を取り出し手渡した

「これもあれもそれも。強さだけじゃなくて可愛さも大事」

半透明の謎の物質で出来た兜、謎の文様が刺繍されたローブ、常に淡いオーラが放たれているスカート……ドラゴンの被膜で作られたグローブ……

「ふう……これぐらいでいいかな」


いや過保護すぎるだろ

元々のステータス値は全部7前後なのに、装備補正で100ぐらいになっとるがな

厳しいのか甘いのかわからん感じになっとる


「試しにそこで飛び跳ねてるスライム的なやつをそのギガトゲハンマーで殴ってみよっか」

「赤いのは強いから青いのがいいよ…って」


日枝さんがそれを言い終わるか終わらないぐらいのタイミングで曜は一番手前にいたバレーボールほどの赤いぷよぷよの物体を、スリッパで虫を叩くぐらいのぎこちない動きでぺしっと叩いた



ドギャバスバゴンン!!


叩く動作からは想像できない轟音がしてスライムのような生物は消滅した

というか地面ごとえぐれた


そして……

シュワ~ン


曜の身体が微かに光に包まれる


「あ、曜ちゃんレベル2になった」

日枝さんが拍手をする

「な、なんかわからないけど嬉しいです。ありがとうございます」


「ちなみにソーファンの世界では魔法は勝手には覚えない。魔導書を読むんだ」

「魔導書はどこに?」

「レベルが上がったら街に戻って買いあさる」

「魔法って私もつかえるようになるんだ?」


それを聞いて日枝さんがニヤリとしながら指先にボッと炎をともした

「この前まで一般人だった私も今やこれだよ」


なかなか新しい価値観を受け入れられてなかった曜も少し目が輝く

「異世界、強すぎる」


「さあどんどん行くよー!」


スパルタと見せかけたマリチの超過保護により曜のレベルはサクサク上がった

小一時間ほど戦ってようやく叩い方も様になってきたころ


「レベル30か」


曜のステータスを『調べる』しながら俺は呟く


「やっぱ弱いやつからは宝石はなかなか出ないね。そろそろ奥に行こうか」

「枯れ谷から峡谷を抜けて、荒れ地を通って最深部にある鍾乳洞に入ろう」

マップを開きながらルートをチェックする俺


「ここは?」

その横に日枝さんが立ち、最深部よりさらに奥のマップの、道の描かれていないところにある?マークを指さす


「星核の結晶があるところだね」

「へえ」

「始原武器に星核の光を集めていけば星核武器をつくれるよ」

元々カーバンクルという単語は古い言語などにおいて『宝石』を意味する単語であったらしい

それが古くからの多くの創作により宝石を持つ幻の動物といった存在に変わっていった


ソーマファンタジーの世界においてもその設定は踏襲されており、カーバンクルと赤い宝石には深いつながりがある。らしい


俺たちがやってきたのは『水晶渓谷』と呼ばれる場所である


様々な鉱物が結晶化して地面に露出しており、今では希少な鉱物はなかなか見つからないとはいえ、まだまだ一攫千金を夢見る冒険者たちが集まる有名な金策スポットである


当然のように奥に行くほど希少な鉱物が残っている可能性が高く、敵も強くなる


「この場所のどこかにある赤い宝石を探すよ!」


マリチは曜の方を向き直りながら、渓谷の奥を力強く指さす


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