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座標を睨む(6)

「ここから先はブロとヒロインちゃんの問題にもなる」

「因果ってやつは俺には演算できねえんだよ」

「こういう確度の低い計算はしたくねえな、何だよインガって!」

兄弟が言いチラリと始祖を見る。

「よい…そなたはまだそこまで達していない、許す」

「ザックリ簡単に言うぜ!因果ってやつは遺伝性のウィルスみてえなもんだ」

「俺たちの時代はそういう弱い遺伝子を持つ個体は淘汰されてきたが、ヒロインちゃんはピンとこねえか?」

うーんと彼女が唸る。

「不治の病の家系はよく聞くね」

「そう!それ!」

「つまりなヒロインちゃんとブロは未来でどちらかが死ぬってことを因果で決められてるンだよ」

「先に寿命で死ぬなら俺だろう、ただそれだけの話ではないのか?」

「あ~~~ハイ、じゃあブロ今のアネゴみたいになりたい?」

「嫌だ」

気の遠くなる時間彼女を探し続けるなど…

俺は正気でいられない。

「そういう運命が二人のどちらかにくるってこと」

「無駄であろう…下等生物に因果の恐ろしさは理解できぬ」

はい!とヒロインが手を上げた。

「すごい嫌な事気づいたンだけど…」

彼女の体がワナワナと震えていた。

「今の…さ、私たちの気持ちって本物なの?」

「ほう、下等ではない者も居たか」

始祖が言う。

「そなたは今歩んでいる人生が普通だと感じるか?」

「感じない」

「そなたたちの関わるこの事態…そうそう再現されるものではない」

彼女が絶句する。

「そなたたちが惹かれ合ったのは因果によるものでしかない」

「違う」

俺は言った。

「それだけは違う!」

「あなたの言う因果という概念があったとしても」

「俺という人間の心に光を当て続けたのは彼女の献身だ」

「それはヒロインという一人の人間の努力だ、それを運命だとか因果という言葉で片付けるな」

「我も「かつて」そう言った‥‥それを言っててこのザマだ」

始祖が俯く。

「俺はいずれ死ぬ、変えられない、変えようもない」

「だが俺は死ぬときあなたのような後悔はしない」

「血塗られた俺の人生がこれほど豊かなものになった」

「あなたは俺に孤独を知らぬものは貧しいと言ったな」

始祖が俺を見る。

全ての感情の籠った目だった。

「どうだ。俺という存在は変わらん、それでも以前と同じか!」

「下等生物の割にはよくぞここまで成長したものよ…汝を称賛しよう」

「あなたの教育に感謝を」

俺は座った。

「あンのぉ~~お二人さん、解法に移って良いですか?」

兄弟が言った。

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