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第12話 再挑戦!

「さて、落ち着いたところで自己紹介しよう。僕の名前は、リィド。リィド・ライベール。旅の小説家だ。こっちは、女戦士のライカ」


「うむ。わしは、魔術師のシエラ・ハーランなのだ」


 僕たちは、互いに自己紹介をする。どうやらシエラと名乗った女魔術師に敵意は無いようだ。こっちが、いきなり小屋に入り込んだので自衛のために結界を張っただけらしい。


 僕は、シエラに尋ねた。


「ところで、シエラ。君は、こんな所でいったい何をやってるんだ? 聞けば、1ヵ月前からこの小屋に住み着いているらしいが……」


「うむ。わしは、ここで魔術の研究をしているのだ。元々は、王都にある魔術学校にいたのだが…… 問題を起こして追い出されてしまったのだ。仕方ないから独学で、魔術の研究をしているのだ」


 まあ、いかにも問題を起こしそうな人間ではある。セッ〇スしないと出られない結界なんて作るくらいだ。


 今度は、ライカがシエラに尋ねた。


「ここ最近で村に妙な病気が流行っている。若い少女ばかり病気にかかり。左腕に呪いのような呪文が刻まれている。あんた。何か知らないかい?」


 ライカの質問は直球だ。僕とライカは、この女魔術師シエラこそ犯人ではないかと疑って来たのだ。


 しかし、シエラは首をひねって答える。


「知らないのだ。こっちに来てからは『セッ〇スしないと出られない結界』を作るのに夢中になっていたのだ。村に行ったこともないのだ」


 それを聞いて、僕とライカは顔を見合わせる。ライカは小さく首を振った。僕もライカと同じ意見だ。


 この女は、呪いをかけた犯人ではない。確かに、やっていることは怪しいが。他人を呪うような人間ではなさそうだ。


「結局、無駄足だったね。どうする? リィド。もう、手がかりはないよ!」


 残念そうな顔をするライカ。しかし、僕はあることを思いついた。そして、シエラに話しかける。


「なあ? シエラ。君、僕たちの仲間にならないかい?」


「うん? 仲間?」


 シエラは、急に仲間に誘われてきょとんとした顔になる。ライカが、びっくりした声を上げた。


「ちょ、ちょっと! 本気かい? リィド! 彼女は、自分で張った結界も解除できない魔術師だよ。仲間にしても足を引っ張られるのがオチさ」


 ひどい言いようだが。ライカが、そう思うのも無理はない。しかし、僕にはちゃんと考えがあった。


「確かに、あれは酷い結界だった。でも、あれだけの結界を張る魔力は相当なものだ。ちゃんとした術式の魔導書を使えば、彼女は一流の魔術師に匹敵するよ」


 そう僕が言うと、シエラは目を輝かせた。


「ほ、本当かなのだ? わしは、魔術師学校では落ちこぼれだったのだ。そんな、わしでも一流の魔術師になれるかなのだ?」


「ああ。なれるさ! こう見えても僕は、実家が魔術師の家系でね。魔術師学校にも通っていたんだ。生まれつき魔力が少ないのと、創作に夢中になったので魔術師にはならなかったが……」


 これは嘘ではない。ライカにも以前話したが。僕は、魔術学校で魔術を学んでいた時期がある。


「シエラ。君は、すごい魔力を持っている。それだけでもすごい才能さ。それに、僕が魔術を教えてあげれば、すぐに一流の魔術師になれるさ」


「本当なのだな? なるのだ! お前たちの仲間になるのだ!」


 交渉はうまくまとまった。こうして、僕たちは新たに女魔術師のシエラ・ハーランを仲間に加えた。


「本当に大丈夫なのかい? こんなのを仲間にして……」


 ライカは、いまいち納得のいかない様子だ。しかし、僕は自信を持って答える。


「魔力の高い魔術師は、仲間にするのは難しいんだ。彼女は貴重な存在だよ。性格には目を瞑ろう!」


 実際そうである。魔力というのは、生まれ持っての才能であり。鍛えて何とかなるものではない。それ故に、大きな魔力を持った魔術師というのはマイノリティーな存在なのだ。


「それで、これからどうするんだい? リィド。結局、呪いをかけた犯人の情報はゼロだよ」


「それも心配しなくていい。ライカ。僕に、いい考えがある。ひとまず、ジムの家に戻るとしよう」


 そう。僕たちは、村の少女たちにかけられた呪いを解かなければならない。そのために、この森の小屋までやって来た。結局、何の収穫もなかったように見える。


 しかし、そうではない。収穫はあったのだ。



 1時間後――――


 僕たちは、村に戻って来た。そして、再びジムの家の寝室を訪れる。未だにベッドには、ジムの妹のエマが苦しそうに寝ている。


「どうするんだい? リィド。さっきと状況は変わってないよ」


 心配そうな顔をするライカに答えた。


「いや、さっきとは状況が違うさ。もう一度、左腕の呪文を調べる。僕のスキル、読解リーディングでね!」


「もう一度? でも、それをしたら死の代行者とかいうモンスターが現れて同じ事じゃないか?」


「大丈夫だって。今度は、前と違う。きっと上手くいくよ!」


 僕は、自信たっぷりに答えると。ベッドに横たわるエマの左腕に手をかざした。そして、スキル読解リーディングを発動する。


 空中に赤く輝く文字が羅列されていく。それと同時に、地面には青く輝く魔法陣が現れる。さっそく、死の代行者のトラップが発動したようだ。



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