プランBを選んだら①
私は前世、病弱な伯爵令嬢だった…。
こんなことを突然言い出したら、みんな私の気がおかしくなったと思うかもしれないが紛れもない事実だ。
前世の私はそれは本当に病弱で、体調が良くベッドから起き上がれる日なんて、数えるほどしかなかった。
私のことを溺愛する家族は、私を美少女だと褒めてくれたけれど…
その折れそうに華奢な体は…
実際、強く握られたりしたらすぐに折れてしまった。
いま考えると、ずっとベッドに寝たきりで日にも当たらなかったから、当然骨も脆いよね…。
透きとおる白い肌は…全く外出しないから日焼けしなかっただけ。
薔薇色の頬は…常に微熱があったから。
家族がプラチナブロンドと言って褒めてくれた髪は…どちらかというと白髪で、栄養が足りていなかったから色素が抜けてそうなった…。
まあ、もし本当に美しかったのだとしても外に出掛けられない私の姿を見るのなんて家族くらいだし…あの時の私にとって見た目は大して重要ではなかったと思う…。お風呂とかもあんまり入れなかったから…色々と微妙よね。
ただ困ったのは、そんな家族の勘違いに感化された姉の婚約者が私を熱い眼差しで見つめてきたことだ…。
やたらと私に見舞いだと花束を持って来た姉の婚約者…。
病人の部屋にそんな匂いのキツイ花を持って来られても…ちょっと迷惑だった。
この人、うちに婿に入るのに何を考えているのだろう?とも思った。
けれど、私はどうせそう長くは生きられないし、ここで波風立てても仕方ないので黙って愛想笑いして受け取り、彼が帰った後はすぐに他の部屋に花瓶を移してもらっていた。
姉達の結婚式の前くらいから熱が下がらず、体中が『もうムリ〜!!』と悲鳴を上げていた。
たぶん…もうそろそろ限界が近づいていることを悟った私は、結婚式の前日の挨拶で姉達に最後の挨拶をし、心置きなく旅立ったのだが…。
何か二人も後を追って来てしまったらしい…。
(せっかく明日は結婚式で、邪魔者もいなくなったのに…何で来ちゃったのかな…?)
まあ二人には二人の事情があったのだろう…。
~・~・~・~・~
よく分からないけれど、気がついたら【選択の間】というところにいて、無表情の怖そうな人に2択から好きな生き方を選べと言われた。
もっと色々な選択肢から選ばせてくれても良いのに…と思わなくもないけれど、とりあえず
『死ぬまで健康で長生き』
という魅力的な条件に抗えず、私はプランBをチョイスした。
お読みいただきありがとうございます。
GWも後半です。ずっと休みが続けばいいのに…
ちょっと現実逃避中です。




