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085●アレックスの野望

ラベリアの国境は東西にある。東のボレリア、西の部族国家である。

部族国家は小国に別れ、大陸の半分をしめる。

直接ラベリアと接するのは、

ナム、レイ、コル、サリ、ボン、リリ、グナの7つだ。

言語体系は方言程度の差はあれ、十分意思疎通は可能である。

だが、長年の様々な因習・宗教・生活様式の差が、

1つの国になることを阻んでいる。

それぞれが族長と呼ばれるリーダーに束ねられている。

族長は世襲制ではない。

寿命を迎えた、あるいは引退表明をした族長の後継者は、

部族の代表たちにより選出される。

意見が食い違い、選出に時間がかかることもあれば、

明らかに’優秀’である後継者群の中から短期間で決定されることもある。


ここグナでは、ラベリア帝王が失脚したのと時を同じくして、族長が代わった。

老人ではなく、壮年であるアレックス。

彼は武力による7つの部族国家の統一と、

ラベリアからの完全独立を構想しているのだ。


「族長、どういたしましょうか?」

「やはり部族国家の統一と独立には、ラベリアが黙っていないだろう。既に以前の武力はないが、それでも食糧の安定確保のために侵攻してくる可能性がある。」

アレックスは、しばし考えを巡らせる。

「ラベリアの武力は、いまやそれほど怖いものではない。だが、ラベリアを破ったボレリアとその協力関係にある、ラベンダー公国は脅威だ。特に公国はな。公国の長子を人質にとる、というのは我々の基本的戦略を完遂するための良い策なのだが。」

「しかし、あの連中の言っていたように、誰がジン・ラベンダーか特定するのは難しいですね。うまく身柄を押さえたとしても、グナまでの道のりは遠い。どこに幽閉するかという問題がありますね。」

「後者は問題ではない。要は誰もわからん場所であれば、それこそラベリア国内でも構わんのだ。だが、前者をどう解決するか、だな。」


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