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068●不易流行  変わるものと、変わらぬもの

訓練場に静寂が戻った。倒れた兵士たちは救護班の応急措置を受ける。

意識を回復した者たちは砂まみれの顔を上げて、

壇上に立つヴァルター将軍を見つめていた。

その姿は、戦場での猛威とは違い、どこか静かで温かだった。


「よく戦った。痛みも、悔しさも、今日の成果だ。忘れるな。」

兵士たちは黙って頷いた。

マンジもヤハチも起き上がれないまま、耳を傾けている。

ヴァルターは、手にしていた模擬剣をゆっくりと足元に置いた。

「お前たちの“雷牙”や“静雷”は、確かに優れた武器だ。だが、忘れるな。武器は道具だ。道具は時に裏切る。」

兵士たちの表情が引き締まる。

「儂は闘いで何度も剣を折ってきた。同じように、もし、戦場で’雷牙’が動作不良を起こしたら?’静雷’が威力を発揮しなかったら?その瞬間、頼れるのは何だ?」

ヴァルターは、壇から降り、兵士たちの間をゆっくりと歩いた。

「それは、お前たち自身だ。鍛えた体。磨いた技。揺るがぬ心。基礎と基本は、どんな時代でも裏切らない。」

ジン・ラベンダーがヴァルターの言葉に耳を傾けている。

「不易流行という言葉がある。変わるものと、変わらぬもの。技術は進化する。戦術も変わる。だが、戦士の本質は変わらない。地道な努力。日々の鍛錬。それがお前たちを守る。」

兵士たちの心の中に、何かが刻まれていった。

ヴァルターは最後に言った。

「今日の敗北を恥じるな。それは、明日の自分への勝利の種だ。’雷牙’を持つ前に、己の中に’剣’を持て。’静雷’を放つ前に、己の力で意志を放て!」


その言葉に、マンジは拳を固める。

ヤハチも地面に落ちた’雷牙’を手にした。

全ての兵士たちは静かに立ち上がった。

訓練は終わった。

だが、戦士としての新たな旅は、始まったばかりだった。


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