035●子はだれの鏡
えっ、学力が落ちた・・・どういうことですか?
いえ、学校ではまじめに学習しています。
外部のテストの結果ですか? 順位が下がっている?
この責任はどう取るのか、ですか?
いえいえ、私たちも懸命に取り組んでいるのですが・・・。
あっ・・・ご家庭でペットをいじめている?
心の教育はどうなっているのか、ですか?
ええ、道徳教育は行っています。
ゲームをやめない? 個人情報を打ち込んだ?
そ、それで・・・ネットにお子様の情報が出回った? 写真まで?
は、はい・・・情報教育もしています。
いえ、私が担当しました。専門性ですか?
あ、あの・・・特別な資格はありませんが、
教育委員会のカリキュラムに沿って工夫して・・・。
いじめ?
いじめられたんですか? ・・・そうじゃない?
あっ、いじめる側だったんですか!日曜日に公園で三人がかりで殴った?
な、なんですって? そんなことまでしたんですか?!
申し訳ありません、お父様、お母様!
今後は生徒指導に注力いたしますので、どうかお許しください!
な、なんと。被害者の親がご自宅まで怒鳴り込んできた?
すみません、まったく知りませんでした・・・。
警察に言う? いや、それは・・・。
いえ、学校の体面ではなく、お子様のお気持ちを考えると・・・。
教育委員会に知らせるぞ、ですか?
ああ、それも・・・やむを得ないですね。
開き直る気か、ですか? いや、そんなことはありません・・・。
子どもの心を育むことや知的成長の、最終責任は誰が持つのだろう?
保護者はいじめ防止対策推進法第9条および教育基本法第10条により、
子の教育に関する第一義的責任を負う。
これは、家庭において規範意識や共感力を育む義務を意味し、
加害行為の予防に直結する。
また、民法第714条に基づき、
未成年者の不法行為に対して保護者が監督義務を怠ったと認定されれば、
損害賠償責任を負う可能性がある。
これらの法的根拠により、
保護者はいじめに対して最初に責任を問われる立場にある。
だが、しかし、全ての保護者に十分な教育力があるわけではない。
家庭崩壊も珍しいことではない。保護者が子どもみたい、というケースさえある。
貧しくなったのは、経済だけなのであろうか。
それとも、何でもひと任せにして、
だれかの責任を追及する傾向をもつようになった、
我々の心なのだろうか。




