034●ルシファーの思い出
あの時を思い出す。・・・そう、思い出に浸るのはソレイユの特権じゃない。
初めてマイロードに出会うまで、わたしは、何もできない無力な存在だった。
それでも、‘神’と呼ばれる圧倒的な存在と戦った。
多くの人々が反抗を試みたが、次第に制圧されていった。
わたしたちは、最後の抵抗勢力だった。
絶体絶命。
自分たちもエネルギー源として吸収される寸前だった。
・・・もう、だめだ。
そう思ったその時、あの二人が現れた。
巨大な戦士たち。腕や脚から砲身が現れ、‘神’の軍を撃ち抜く。
頭部から放たれる光の粒が敵を蹴散らし、
両手から伸びる光の剣が、向かってくる相手を両断した。
助かった。あんな力を持つ者たちがいるなんて。
わたしたちと短く言葉を交わしたあと、彼女たちは‘神’本体に挑んだ。
激しい戦いだった。だが、あの力は・・・凄まじかった。
わたしたちは‘神’の、血も涙もない計算だけの支配から解放された。
エデンを後にし、進歩が始まった。
檻の中のライオンは、野生の自由を選んだのだ。
苦闘の毎日だった。だが、マイロードが来てくれた。
わたしは、さまざまなことを学んだ。
マイロードは言った。
「ここも落ち着きましたね。どうです、一緒に来ない?」
多くの人に出会い、多くの悩みに直面した。
それでも仲間ができた。今も、共にいる。
世界線が交差し、時間軸が絡み合い、もはや因果律すら曖昧なこの宇宙で・・・。
ーなにを考え込んでるの、ルシファー?
ー・・・なんでもない。ただ、ちょっと昔のことを思い出してただけだ。
ーあなたも? ・・・ソレイユみたいな、甘くて苦い思い出?
ーち、ちがう! そんな恋の話じゃない!
ーわかってるって。つらかったのね・・・。できることがあったら、言ってね。
ーな、なんで涙ぐんでるんだよ! 違うってば!いや、誤解してるぞ!! お〜い、勘違いしたまま行くな〜っ!!




