017●嘘の塊 その2
「何、もうアストラは集結しているのか?そんなに早く撃滅されたいのか。」
ノクティス・ドミナの旗艦を率いる、ダイ・ハイボクノ・ヨーダ提督が吠える。
自軍は一体となって移動しており、各個撃破される心配はない。
物量で勝ること、そして「高見の見物」の危険性を知る彼にとって、
「スキルが同じなら、体格とパワーの優れた者が勝つ」という戦いの基本は揺るがない。
会戦が始まる。まずは敵の司令艦を探る。
可能性は限りなく低いが、特定できれば戦闘は有利に進む。
「敵旗艦を特定!司令艦も!指示と思われる発信を確認!」
「同じく、旗艦・司令艦の特定に成功!」
「ヨーダ提督、旗艦・司令艦、キャッチしました!」
報告が矢継ぎ早に届く。ヨーダ提督は驚きを隠せない。
「副官、情報の重複を除いて、旗艦と司令艦は何隻だ?」
「ええっと・・・70万隻です!」
言葉を失うヨーダ提督。だが、歴戦の強者はすぐに指示を発する。
「罠だ!偽情報だ!全自律艦に通達!敵の特定に注意を払わせろ!」
「了解!」
ノクティスの自律艦は、持てる力の配分を変更し、
敵艦艇の識別に能力を集中させる。自律コンピュータが負荷を再配分する。
そんな込み入った作業を自律艦たちが行う中、
突然、ヴォイド宙域から「自軍の旗艦・司令艦群」が姿を現した。
自律艦たちは、自分たちの軍と直ぐに認識する。
自律艦艇たちは考える。
「あっ、うちの旗艦と司令艦ね。はい、はい。敵艦の識別に大わらわなんだから。」
そこへ「待ち構えていたかのよう」に、アストラの自律艦艇が殺到する。
集団で行動する「100隻の司令艦群」に、
次々と砲撃が浴びせられ、爆発が続く。
その様子を捉えたノクティスの自律艦の一隻、ドウナ・テンダーは呟く。
「あれっ?敵の特定に集中してたら、味方の旗艦・司令艦が全滅じゃないか!これは・・・プログラム通り、自分の中枢部を破壊!よし、カウントダウンだ!」




