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あなたにおくる魔法の教科書  作者: 珍獣モフ犬
第二部 迷宮編

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99/146

⒃ 攻略1日目③

——第一迷宮、9階 時刻14時頃——


 9階のフロアポイントで昼食を取り終えたルオはついに、第一迷宮の最終層に到着した。最終層は広い空間で大規模な戦闘が行われても平気なように頑丈なつくりをしている。

 第一迷宮のダンジョンのボスは洞窟の主にふさわしい、巨大蝙蝠型エネミーであり、大量の蝙蝠型エネミーを取り巻きにして咆哮をあげた。

 取り巻きは移動速度が早く、ボスよりも優先して対処するには時間がかかるので、魔術による糸の網で大方無力化し、ボスに一撃必殺の魔術をたたき込んで先にボスを撃破した。その後網にかかったエネミーを広範囲魔術で仕留めた。

『ボス戦無事クリアおめでとうなのじゃ!』


 「大量大量♪」

 最終層には数えきれないほどの小さな魔石と人の頭ほどの大きさを持つ魔石が転がっていた。

「<吸収(アブソーブ)>っと、流石に荷物になるから一回消費するか。」

『……消費って、まさか!? ルオ君!! モニターにあんまり映らないようにするのじゃぞ!まだ我担当とはいえ他の者はお主が世の病(魔獣)であることは知らぬのだから。入りきらぬものは連絡鳩の稼働分にしたりすることもできるからの!』

「気遣いサンキュ! ボス魔石だけ食べるから。」


 魔獣の生態はダンジョン以上に明らかになっておらず、食性も定まってないと考えられている。そもそも魔獣にであることすら低確率であり、遭遇した時の生還率は低い。ただし、後(・)の(・)と(・)あ(・)る(・)生(・)物(・)に(・)関(・)す(・)る(・)書(・)物(・)に(・)は(・)ある一体の例外を除いて大体の魔獣は主食が決まっている。そして魔石は魔獣にとって、主食ではなく緊急時の非常食の扱いになると記されている。


「それでは、いただきます!」

 ルオは魔石を持つ手を後ろに回し、魔石を宙にまっすぐと投げた。魔石は重く、放物線を描かずにまっすぐと落下していき、ルオの背中付近で突如現れた蛇によって丸呑みされてしまった。

 キマイラは尾が蛇で先が頭である。魔法生物のためどういう身体の仕組みをしているかは分からないが、これで魔石を吸収したようだ。

 魔石が完全に吸収されると尾はシュッっと跡形もなく引っ込んだ。


「ごちそうさまでした。」

『そういう食べ方をするのじゃな。』

「サブ魔狂石が俺の場合は尾にあるからね。」

『味はどうだったのじゃ? 我は魔石を食べれぬからの。』

「料理に例えるなら定食屋のごはんクラス。コスパの良い庶民味。」

『例え方・・・。 まぁ良いわ。他の二人と周りは見ておらぬかったぞ。 まったく……、ドキドキさせおって。』

 どうやらラジエルには心配をかけてしまったようだ。


「いきなりごめんね、最近魔石でエネルギーを供給できてなかってストレスになってたんだ。」

 昨日、レイグことセラフィエルが言ったように魔獣の性は簡単には克服できないようだ。


「我はルオ君の味方じゃ、この先何があってもな。魔獣云々だけでなく何か困ったらすぐ我に相談するのじゃ。ホウレンソウ大事じゃ!」

 連絡鳩から野菜の方のホウレンソウが送られてきた。


「……知の天使(ラジエル)さん、報連相の意味知ってますよね?」

『エンジェルジョークじゃ♪』

 冗談にしてはちょっと大げさ、というかやりすぎな気がするが。


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