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あなたにおくる魔法の教科書  作者: 珍獣モフ犬
第二部 迷宮編

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⒂ ダンジョン攻略1日目②

「とりあえず、保存食をリュックに入るほど購入してと……。残りの<コイン>はあんまり使わないでおこうか。」

 フロアポイント<ショップ>、ルオはダンジョン内専用通貨<コイン>で食料品を購入していた。ショップは無人で商品カタログにあるイラストを2回タップすることで購入画面に入る。

 食料品以外にも何故か挑戦者のサイズピッタリな衣類や、文房具、ダンジョン内でしか買えない魔導具も売られてある。


『買い物中にちと失礼じゃ。』

「どした?」

『……う~ん、ルオ君に手紙が来ておるのじゃが、今転送しても良いかの?』

「うん、構わないけど。」

 最近の技術で連絡鳩に小型転送機能が追加されるようになった。これにより食料品や小さめの物がダンジョンの内と外でやり取り可能だ。欠点は普通の転送魔術よりも魔力を消費しやすいということである。連絡鳩はモニタールームの魔力保管装置の魔力と挑戦者の魔力によって稼働している。そう頻繁につかっていいもではない。


『送り主が寄りにもよってあやつか。まったく、ルオ君が今どんな目にあってるのかも知らずに……。』

 ラジエルはブツブツと文句を言いながら、手紙を転送した。


「ファミラ……!」

 送り主はファミラだった。風の香(通信機)の連絡先を交換しておらず、昨日からどんな状況なのかもわからなかった。騎士団で大変な目に遭ってなかったのか心配だった。


 ————

 ルオへ

 ウィンデさんから聞いたよ! ダンジョン攻略をするんだって! いいなぁ、私も一緒に参加したかった~。

 私は今獣ノ隊の解隊作業に追われてるんだ。団長がなんとか解隊を防ごうとしたんだけど、やっぱり隊のほとんどが規則違反してしまったから無理だった。

 私はこれから竜ノ隊に入るようになるみたい、ツェルカ先輩の方は事情聴取っていうやつに追われてる。私よりも重い処罰を受けるみたい……。もっと重いのは先輩と私以外の隊員で、先輩は遺跡の件で情状酌量の余地があるみたい。

 後、元隊長の事だけど、体内の狂度? っていうのが異常値をきたしていて意識が戻るのが難しいみたい。でもなんとか生きてるから希望はあるけど……。

 あっ! そんなに悲しまないでね! 先輩も元隊長も私も何とかなるから!

 それじゃあ、ダンジョン攻略頑張ってね! 無事に帰ってきたら一緒にご飯とか食べに行こうね!

                                                        ファミラ=レヴァンネより


 ————


 いかにもファミラらしいちょっぴり子供じみた文面だ。内容は想像以上に大変だったが。


「……よ~し!! ファミラも頑張ってるみたいだ。だったら俺もさっさとダンジョン攻略しなきゃな!」

『なんか役目とられて腹立つが、元気が出たようじゃのルオ君。』

「? いつも通りだけど?」

『朝出発前、緊張が現れておったぞ。』

「そうだったの!?」

 ルオは驚く。こういうものは自分では気づかないものなのか。


『……返事は良いのかの? ショップに便箋が売られておったが。』

 ファミラを宿敵扱いしているのに、ラジエルは敵に塩を送ろうとしてる。

「そうするか、あんまり書ける内容無いけど……。そうだ! まだファミラの魔術の先生の任を解かれてないから、魔術師資格試験の助けになるようなことでも書いておこうか。」

 ルオは買ってきた便箋にペンでゆっくりと返事を書いていく。


「それじゃ、よろしくねラジエル!」

 ルオは連絡鳩のくちばしに封筒を咥えさせた。機械仕掛けの鳩はポポーっと電子音を歌い、咥えた封筒はシュンっ! とラジエルの元に転送された。


 

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