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あなたにおくる魔法の教科書  作者: 珍獣モフ犬
第二部 迷宮編

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⒄ 攻略1日目④

『提案なのじゃが、今日は第一迷宮だけで探索を終了するのは同どうかの? 期限1年間で未知ダンジョンに挑むということが何を意味するのかまだ分からないが、休憩が必要だと思うのじゃが……。』

 現在15時になったばかりで、まだ夜ではない。

「俺はまだ元気ピンピンだよ?」

『一昨日セラフィエルと死闘を経て、昨日は七鍵王と呼ばれるとんでもない化け物たちに会い、そして今日は未知のダンジョンを実質一人で攻略じゃぞ? ちゃんと夜は寝ておったが、一旦ダンジョンのことを忘れて休んだらどうじゃ? といってもダンジョン内じゃが。』

「でも……。」


『私も賛成です。』

『ちょわぁあ!? 何割り込んでおるのじゃ!! お主の出番はまだ先じゃろ!?』

「セバスチャンさん!?」

『セバスチャンで構いません。ルオ様、我が主も攻略の際には適度に休息をとりつつ焦らず慎重に探索することを、第一に考えておりました。本迷宮は迷宮群であるとお聞きしております。主曰く、迷宮群は一つ迷宮を攻略したらできる限り多めの休息を取り、次の小迷宮の攻略のメリハリをつけることが攻略成功のカギと仰っておりました。主はそこも見ているのかもしれません。』

 

 セバスチャンの使えている主、土星の老賢者はまだ正体は分からないが、迷宮王の初号をもつ者と推測できる。その老賢者が言うならば迷宮初心者であるルオは従った方が良いだろう。

「分かりました。15時5分頃、明日まで休息とします。」

『では、ここからは私セバスチャンがサポートを担当いたします。』

『まだ我じゃぞ!?』

「子どもであるラジエル様はルオ様の社会的地位保持のため、お休みになられてください。』

『我は眠らんぞ! セバス! そこをどけい!!』

『失礼。』

『な!? ……くかぁ~。』

 連絡鳩越しの音声からはラジエルの寝息が聞こえてきた。


「セバスチャン?」

『ラジエル様には強(・)制(・)的(・)に(・)休(・)息(・)し(・)て(・)い(・)た(・)だ(・)き(・)ま(・)し(・)た(・)。ウィンデヘェル様より、ラジエル様はあの姿で何千年も生きておられるので子供ではないと判断し、睡蓮の妖香を使わせてもらいした。……お気に障りましたか?』

「あ、うん、その妖香って使用禁止って言われてるから犯罪犯したことになるけど、とりあえずラジエルを休ませてくれてありがとう。」

『恐縮です。』

「次はラジエルとちゃんと相談してね。」

『かしこまりました。』

「……そういえば、子爵さんは? あの人無視するとヒステリックになるけど、静かだし。」

『ジャック様は<安全対策部>に用があると言って、部屋から出て行かれました。追いましょうか?』


 魔法・魔術に関して安全に取り扱うことを、大陸中で推奨している<安全対策部>。<ダンジョン管理部>とは犬猿の仲で、何回もダンジョンに関する安全対策の取り組みが不十分であるとかでよく衝突している。そんな所に部長が行くのは気になるが、今は休むことを優先した。


 


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