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あなたにおくる魔法の教科書  作者: 珍獣モフ犬
第二部 迷宮編

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⒅ 攻略2日目

 夜までラジエルから送ってもらった大衆小説を読み過ごし、夕飯は不要になったほうれん草を使用した料理をセバスチャンに作ってもらった。連絡鳩が発明されなければ、このように日常と変わらぬ食事もダンジョン内で出来なかっただろう。

 余談だが、<連絡鳩>は20年前に<シャングリラ>と呼ばれる大迷宮で壊れていた連絡鳩が発見され、それを改良したのが今の連絡鳩である。最新は第48号で現時点で最も発(・)見(・)さ(・)れ(・)た(・)元(・)の(・)連(・)絡(・)鳩(・)の(・)機(・)能(・)に近い。本来は生命体や一般家屋を丸ごとダ(・)ン(・)ジ(・)ョ(・)ン(・)の(・)み(・)に転送できる。


——翌朝、第一迷宮9層フロアポイント——

「ラジエル、セバスチャン、おはよう。」

『おはようなのじゃ!』『おはようございます』

『僕の扱いがぞんざいになってないか!?』

 ルオは二人にあいさつした。その後誰かのうるさい声がしたが、気のせいだろう。


『我もぐっすりと休めたからの。今日も一緒に探索するぞ!』

「今日はセバスチャンじゃなかった?」

『僕になるという選択肢は頭に入っていないのか!?』

 連絡鳩は故障し始めたのかもしれない。(冗談)


『ラジエル様とご相談の結果、ラジエル様の就寝時で私と交代することになりました。』

「なるほど。ありがとうございます、セバスチャン。」


 ルオは10層に戻り、昨日のダンジョンボスが出現したところに立った。

『セバスチャン曰く、そこにまた血を垂らすことで次のダンジョンに転移できるらしい。早速準備は良いか?』

「もちろん!」

 ルオは血を垂らした。すると謎の文字が描かれルオを囲う円へとなり、光に包まれた。



——第二迷宮1層——


 Gaaaaaaaa!


「!?」

『エネミー接近! 迎撃じゃ!』

「<横時雨(よこしぐれ)>!」

 ルオは咄嗟に魔術で、魔力矢の雨を馬型エネミーにぶつけた。数の暴力でエネミーは撃破され魔石が地に転がった。

「……びっくりした~。」

 ルオはホッと胸をなで下ろした。

『びっくりしたのぅ。よく反応できたのルオ君、えらいえらいじゃ。確か今の魔術は<大蛇流>じゃの。』

「うん、俺は<大蛇>派なんだ。」

 ファミラに教えていたレーヴェヘェス式は初級向けで、詠唱が長く無詠唱だと威力が弱まることから、プロ魔術師は別の魔術、特に詠唱が短い魔術種を使う。

 ルオが愛用しているのはランセティア大陸では妖術と呼ばれる魔術の一派で<大蛇流>と呼ばれるマイナーな魔術である。使い手は東海賊の一つ<八岐大蛇>に多いとされている。


『東海賊領域はもう簡単に行くことができるようになったのか?』

「ううん、まだ海賊達のナワバリだね。実はルオの母親が<八岐大蛇>出身で父親とは無人島で知り合ったんだって。その結果俺と妹はレーヴェヘェス式よりも先に<大蛇流>を教えられたんだ。ま、流派は海賊由来だから流石に人目にさらして良い魔術じゃないから、よく避けてるんだけどね。」

 大蛇流は特徴的な短詠唱で目立ちやすい。一人でダンジョンに探索に来ていて良かったとルオは思う。


『我は別にどうってことはないから、慣れた魔術を心置きなく使うと良いぞ。』

「うん、そうだね。ありがとう、ラジエル。」

 

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