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あなたにおくる魔法の教科書  作者: 珍獣モフ犬
第二部 迷宮編

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⒆ 攻略2日目②

 ルオは先ほどの転送不意打ちから、2つ目のダンジョンはトラップ系が多いと予想し、1つ目よりも慎重に探索し始めた。第二迷宮は草原で、1層は馬型エネミーが多く出現している。

 何とかトラップに引っかからず1層目を通過できた。


『確か生存者の一人は2層目のトラップでリタイアしたようじゃの。曰く魔物の群れと地雷型トラップの合わせ攻撃がきついと。』

「うん、次からは一人では難しいから、最悪魔獣の力を使うしかない。その時はフォローよろしく。」

『まかせろじゃ!』


 ——2層目——

 魔物の群れを大規模魔術で殲滅し、トラップはかかった瞬間に<天の羽衣>で空中に浮遊し、回避した。

「ふぅ、流石に両方とも多いな。急に難易度が上がるとは……。」

『大丈夫か、ルオ君。どうやら、第二迷宮は休む暇が無いようじゃの。』

 2層目の終点に着く前に、1時の方向から今まで最大の魔物の群れがやってきている。イノシシ型だ。しかしまだ距離は十分にある。

「そうだね、昨日ゆっくり休んで良かったよ!! <火神鳴り(ひかみなり)>!」

「ちょっとまったぁああああー!」

 ダンジョンにはルオだけだが、誰かの叫び声がルオに届き、ルオは驚いて魔術をひっこめた。


『誰じゃ!?』

 ラジエルも驚く。しかし、驚いている暇はないもう大群が近づいてきている。

「しまった! この距離じゃ間に合わない。」

 先の魔術は大技でリロードに数秒かかる。

『飛ぶのじゃ!ルオ君!』

「うん、<天の羽衣>!」

 ルオは飛行し、魔物の群れとの衝突を回避した。魔物たちはルオが空中に逃げても止まれずにそのまま壁に激突し、群れはしばらく動けなくなった。


「ふぅ、セーフ。それにしても、さっきの声は一体。」

「全く、レディを助けないとは、紳士失格なのです。」

「!?」

 一人の少女がルオの右足に掴まっていた。声からしてさっきの叫び声の主だ。

「あ、あなたは!?」

 ゴスロリで赤紫色の長髪の少女は、にっこりと微笑む。

「偉大なる<傲慢の君>の眷属なのです。悪魔と縁ができたことを光栄に思いなさいのです。」



「先は失礼したのです。魔物召喚型トラップに引っかかり、必死に逃げていたのです。」

『魔物召喚型じゃと? 2層目にあるのか?』

「いえ、第四層の終点のみですの。ようやくボス戦だと思ったのに、まさか階段の段全てにトラップがあるとは思いませんでしたの。最悪なのです。」

「四層から来たのか、た(・)っ(・)た(・)一(・)人(・)で(・)そこまで探索できたのはすごいな。」

 彼女は連絡鳩も持っておらず、本当にソロ攻略をしていた。


「そっ、そうなのです! 武者修行のため未開のダンジョンを攻略しに来たのです!」

「へぇ~、ところで本当に悪魔なんだね。」

「信じてくれるのですか?」

「ここは狂度が20%だろ? 20%だと人は短時間いただけで精神疾患をきたすからね。」

「ダンジョンに来ただけのことはあるようですのね。あなたも悪魔ですの?」

「秘密にしてくれるかな?」

「……成程、<黒血>ですのね。一応助けてもらったような身ですので黙っておきます。」

 少女は話が分かる人のようだ。同じ魔法生物であるが魔獣は悪魔に嫌われていることが多い。


「ところで、<傲慢の君>って?」

 どこかで聞いたことがある言葉だが……


「ルシファー様ですの! 今は<金星の魔法使い>ウィンデヘェル=レングミルとして連合で大活躍中の偉大なる大悪魔様ですの!」

「『!? ……マジか。』」


 意外な名前が出てきてしまった。

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