⑾ ダンジョン攻略は準備が大事③
——お昼頃、連合本部カフェテラス——
「攻略が難しいダンジョン……。高難易度ですから当たり前ですけど、ウィンデヘェルさんに言われると想像以上に難しいのだろうって感じます。」
ウィンデヘェルはフッと微笑み、「ウィンデで構わないよ。」と言った。
「これを審議の参考にしたのは、月の姫君ではなく土星の老賢者だったからね。彼については何となく誰か察せちゃうのだが、相当の手練れでねダンジョン攻略成功率は未だ100%。そして、彼は手加減は相手への侮辱であると考えてるみたいなんだ。」
「成功率100%の覇者……。数が結構絞られました。」
「答えはずっと先にしたまえ。今は攻略について頭を使うべきだよ。この後情報収集はするのかい?」
「はい、一応ルージュ子爵に伺いました。この後は生存者全員に聞いてみるつもりです。<ニブルヘイム>は名称が決まってない頃から有名になってたみたいで、数週間前に探索許可が下りましたが、生存者はほんの一握りで序盤でリタイアしたのがほとんどのようです。唯一中盤に到達した方もいるようですが、<ニブルヘイム>内の魔力狂度による後遺症がひどいようで……。」
数週間前は騎士団の牢屋で生活していた時で、<ニブルヘイム>のことなんて何一つ知らなかった。
迷宮のことはまず、学園時代の同級生であるジャック=ルージュ子爵に聞いてみたが(本人は嫌々質問に答えてくれた)、都市伝説も増えているほどの有名度とのことだった。ちなみに生存者のアポイントメントも彼に取ってもらった。
「<ダンジョン管理部>のルージュ部長か。そりゃ聞くなら彼が適任だ。よく彼とのパイプを持っていたね。彼は卒業後、家を継いでからあまり表舞台に出てこず、部室でも引きこもってて彼と会うことは難しいのに……。」
「知り合いでしたので、何とか短い時間で聞くことができました。」
「そっか、それじゃそろそろ私も仕事に戻らなくてはね、ルオ君も何か困ったことがあればすぐに私に連絡するように。」
「はい! 何から何までありがとうございます!」
「頑張りたまえ!」
ウィンデは転送魔術でどこかに行ってしまった。




