⑷ 七本の鍵はどこに置く?
エントランスホールには人々が行きかっており、学園の生徒や魔術師でないものもいる。一階には連合の部署の1つである<冒険者協会>の本部がある。冒険者もここから発足されている。<冒険者協会>は魔術師の会員でなくても入会試験で合格すればだれでも入れる特別部署であり、連合と協力関係にある組織の認識の方が近い。
「おはようございます。ようこそ、魔術連合本部へ。何かお困りですか?」
「”七本の鍵は何処に置けばいいですか?”」
ほんのちょっと助詞が違うだろうが、<七本の鍵>と置き場所さえ外さなければ大方伝わる。
「っ!? ……、分かりました担当の方をお呼びしますのでしばらくお待ちください。」
受付の方はルオの合言葉をしっかり理解し、担当を呼びに行った。
(噂にならなければいいけど……。)
このようなケースはあまりなく<法務部>と<治安部>が動くことが多い。レアケースは受付係りの話題の的だ。しばらく受付と顔を合わせない方がいいだろう。
数分後ドワーフの青年が二人の前に現れ、軽く会釈した。身長はルオの頭一つ分低いくらいでドワーフとしては高身長の方である。
「置き場所は私がご案内します。……そちらの方は?」
「知り合いの子なんですが、同行はさすがに無理ですよね?」
機密重視の七王にとって正体不明の同行者はどう考えても許可できないだろう。
「少々お待ちください……。そちらの方の名前をお伺いしてもよろでしょうか?」
「ラジエルじゃ!」
「かしこまりました。同行していただいてかまいません。」
(七鍵王はラジエルのことを知っている?)
置き場所は第二亜空間に存在しており、こちらは会員証とは違い転移の仕方が複雑である。
今回は特定の場所で数回円を描くように歩き回ったり、エレベーターのボタンを謎の組み合わせで押したりなどだった。(前回は特定の部屋で入退室を繰り返したりする奇行であった。ちなみに案内人によって誰にも認知されない状態である。それでもかなり恥ずかしい)
「こちらのゲートが入り口となります。では、ご武運を。」
案内人は煙のように消えていった。
(彼は今回だけのために雇われたというわけではないみたいだな。)
七王は案内人を一回限りで雇うときは、役目終了後に七王に関する記憶をきれいさっぱり消すことが規則みたいになっている。
彼は相当な実力者なのだろう。自分と同等の一等星魔術師だろうか……。
「……はぁあ~、さて行くか。」
ルオは大きく息を吐き、ラジエルの手を握ってゲートをくぐった。




