⑶ 七本の鍵の王
「終わった。七鍵王が出てくるなんて……。ウィンデヘェルさんはどうやって剥奪を防ぐんだよ、アレが出てきたら負け確定なのに……。」
「七本の鍵とは<七鍵王>とやらに関係するようじゃの。もしや<グリモワール>という言葉も関係するのか?」
魔術のみの知識しかつ司っていないのにさすがの洞察力だ。
「<グリモワール>は連合の法律の俗称みたいなもの。そして、七鍵王は魔の秩序を保つものって言われてる。」
「曖昧じゃの。」
「うん。七王のことはウワサでしか知られてなくて本当にあるとは殆どの人は分からない。活動目的も戦力もね。実際に会ってみないと分からないよ。」
「お主は会員証を貰う前に出会ったのか?」
本当に鋭い。
「さすがは<知の羽>色々と話す手間が省けるよ。どうして分かったんだ?」
「合言葉を知っており、しかも青ざめておったからの。七王がどういう者か自然と口にしておったしな。」
「あ~、確かに……。でも、なんで時期まで分かったんだ?」
「それも正解だったのか。我の頭脳は本当に憎いほどに賢いのぅ~。」
ラジエルはぬへへとニヤニヤしながら頬に両手を当てた。
(自画自賛……。)
「あのウィンデヘェルが所属している組織じゃ。傲慢たる奴が組織の長となってないということは、奴の同等かそれ以上の実力を持つものが少なくとも一人はいるということになるからの。それが本当なら魔獣を見抜けないはずがないからの。そしてその者はおそらく七王。ウィンデヘェルが苦戦する相手であるということだからな。学園と連合の関係はよくわからぬが、七王の総本山に魔獣が入ってくるから、どうするかでご対面に至ったのではないのか?」
「すんご。」
(俺も詳細までは分からないけど、七王は俺が魔獣であることを見抜いて危険かどうか確認するために俺と出会ったことは正解だ。)
「我は連合ができた直後遺跡に封印されてそのまま長らく眠っておったからの。その後のことはあまり知らぬ。七王のことも初耳じゃ。」
ラジエルは<エレベーター>の手すりを頑張って掴もうとしながら(しかし掴めない)言う。
二人は会員証を使って本部のある亜空間にワープし、受付に向かっている途中である。本部は亜空間に浮かぶ巨大な島にあり、玄関からワープ到着点からはかなり高い所にある。今はその通路でもある<エレベーター>を使用している。横には普通に動かない階段があり、筋肉ラブな人がトレーニングとして使用している。ちなみに万は軽く超えている。
「ラジエル。」「なんじゃ?」
「そろそろ到着だ。」
目の前に壮大な玄関らしきものが見えてきた。
「ようやくか。エレベーターもいいが他に移動手段はないのかのぅ。」
「転移装置もあるみたいだけど、それは緊急事態とかだから。それに俺はゆっくりと時間をかけて行きたい。マジで会いたくない……。」
ルオは早まる鼓動がする胸を抑える。




