⑵ 会員証
「亜空間にあるぅ〜!?」
ラジエルは目をまん丸にした。
「魔術連合と魔術学園は亜空間に存在してるんだ。専用の通行証があればどんな場所からでもすぐに辿り着くことができるんだ。」
「そしてその証が無いものはどんな場所からでも遠いのか。なるほど。」
ルオはその証であるカードをラジエルに見せた。
「主に学生証と会員証のニパターンあって、これは会員証。二つの機能の違いは……。」
『着信、着信。未登録のNo.からの連絡です。』
「なんじゃー!?」
突然会員証から音というか音声が鳴り出し、震えた。
「魔導手紙だ。」
「メール?」
「うん。誰からだろ?未登録は大体迷惑メールだし……。」
コミュ障でぐるぐるメガネをかけて人と接することを避けていたルオには未登録No.=迷惑メールという認識である。
「ま、みてみるか。」
隣で会員証を興味津々に見ているラジエルに見せてやろうと考えた。ちゃんとしたメールの方が良いのだが……
『おっはっよっ〜ーーう!!!!! 君の愛する師匠のウィンデヘェルだよ〜♪』
開けてみると会員証からミニ金星の魔法使いが飛び出してきた。
※ 普通は文章が飛び出てきます。
「「……」」
ルオはサッと会員証を裏返して机に置いた
「ルオ君……」
「これは、迷惑メールだね。」
「そうじゃの。」
『スパムではありませんよぉ〜! れっきとした最新の通信技術!映像手紙というものです!』
裏返したはずなのに、カード面と机の面の小さな隙間からにゅっと横からミニウィンデヘェルが現れた。
「……」ラジエルは無言でウィンデヘェルを蚊のように叩こうと手を上げる。
『残念ながら、これは単なる映像なので私は痛くも痒くもありません〜。というかこの小さな状態でもラジエルに叩かれてダメージを受けませんがね〜♪』
「こんのっ!」ラジエルは手で何度もペチペチとウィンデヘェルをはたくが全然何も変わらない。
「俺たちの思考を予測しているのか……!?」
金星の魔法使いというのは伊達ではないらしい。もしかしたら本当にラジエルの言った通り悪魔なのかもしれない。
『そろそろ要件を言うね〜。本部に来たら受付の人に
七本の鍵を何処に置けば良いですか?って尋ねて欲しいんだ。
私も出来る限り助力するから、また後で〜。』
音声と映像はそこで途絶えた。
「鍵を七本?」
ラジエルは首を傾げる。
「……マジか。」
ルオは青ざめ冷や汗をかいた。




