⑴ 翌朝
カチカチ、カチッ
ポポー、ポポー!
時計の長針が六の値に止まり、小さな鳩の人形が上から現れた。
「ん〜。……」
しかし、時計を止める者は起き上がってこなかった。
ボタンを押して止めてもらえず、時計のアラームは再び鳴ろうときたが、鳴る直前に小さな手で止められた。止めたのは羽の生えた小さな子供だった、性別は不明。
「るお〜、朝じゃぞ〜。ふぁぁあ。」
「んん〜。……」
寝台には毛布を顔まで被ってぐっすりと眠る青年がいた。
「ルオ君よ。我はお腹が空いたのじゃ。朝食をつくってくれぬか?」
「…………。すー。」しかし青年は起きない。
「仕方ない。とりゃああ!」
ぐい! どてんっ!
「ふぎゃ!いったぁ!!?」
子供は毛布を思いっきり引っ張り、青年ごと寝台から床に引き摺り出した。青年は頭から床に落ち、衝撃的な目覚ましとなった。
「いっつぅーー。」
「おはようじゃ。ルオ君よ。」
子供はそんな青年をみて、微笑んだ。
「あのクソ悪魔の所に行くぅうう〜?」
子供の顔が苦いものを食べたような顔になった。
子供が食べてるのは甘い蒸しパンだが。
「この前の続きでね。前は色々事が終わった直後であって、これからの事をさっと伝えてもらっただけだから。というかなんでウィンデヘェルさんを悪魔呼ばわりするの?」
「いや、あやつは悪魔じゃよ。」
「角とか生えてないけどな。でも、ラジエルが居るんだから可能性はありそう。」
ラジエルと呼ばれた子供は笑顔でピースサインをした。
「ウィンデと会って、何をするのじゃ?幾らあのウィンデとはいえ、魔術連合という巨大組織の規則を変えることは無理じゃよ?」
「そうなんだよね〜。あの人は、俺の魔術師剥奪を防ぐって言ってたけど、どうやって防ぐんだろ?あれって<グリモワール>によって決まるから、説得でもするのかな?」
「拷問でもするじゃろ。」
「いや!それは流石に無いよ。」
「ウィンデも変わったんじゃの。セラフィエルも……。」
「ラジエル……。」
クローギヌでのセラフィエルとの戦闘の後、彼は何処かに逃げていった。
ルオは何とか自分の魔狂石を守り切り、カイは一応クレーネの仇となる者に一撃を加えることができた。
その後の4人は別れそれぞれの行くべきところに行った。
ルオとラジエルは遺跡の近くの国、レクテに止まったのだ。ラジエルはレクテに着くまでもついてからもずっとぶつぶつと文句を言っていたが、寝て起きた後は大人しくなった。子供かいな。姿は子供なのだが・・・。
「そういえば、連合の本部ってどこにあるのじゃ?レクテから近いのか?」
「近いというか、どこからでも近くてどこからでも遠いからね。」
「!?」知を司る天使は首を傾げる。やはりラジエルは魔術の知識のみ全知なのだろうか・・・。
「とりあえず、ご飯を食べて着替えて。一応ラジエルの服買ってきたから。」




