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あなたにおくる魔法の教科書  作者: 珍獣モフ犬
第一部 とてつもなく長いプロローグ

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(72) ゴーレム

 ツェルカとカイによる不意打ちでレイグは態勢を崩し、ようやく気が付いたラジエルがファミラに、

「ファミラよ! お主の力(剣)で<破空>の術式を壊すのじゃ!」

「うん!」

「やめろぉお!」

 ファミラは目をつむり、何もないはずの宙を剣で斬った。


 ザンッ!

 パリンッ!


 宙で砕けたガラスのようなものがぱらぱらと床に落ちていく前に消えていく。

「何が起きて・・・。」

 ルオには初めて見た光景だった。

「<魔法殺し>、無法な異能じゃよ。」ラジエルは淡々と答える。

「どうやら魔術連合のトップ資格者にはまだ知られていないことじゃったか。」


(<魔法殺し>、か・・・。今はそれどころじゃないけど、ファミラは一体・・・。)


「何度も、何度も、何度も!! 僕の邪魔をするなよ、裏(・)切(・)り(・)者(・)達(・)が(・)!!」

 レイグは手を自身の胸に突き刺した。当然胸からは大量の血が吹き出た。

「「「!?」」」 ファミラ、カイ、ツェルカは突然の奇行に訳が分からず驚いた。

「「まさか!」」 一方ルオとラジエルはこれから起きることを知っており、


「全員今すぐあいつを止めろ! 禁術を使うつもりだ!」

 ルオの呼びかけに3人はレイグを止めようと飛び出す。しかしレイグが衝撃波で吹き飛ばす。


「セラフィエル・・・。天使としての誇りがないのか。」

「わが主のためなら、羽を落とすことも必要だろ? かつてのお前がしたように。」

 レイグの胸から吹き出ている血はレイグを囲うように不自然に円を描いていった。


「<わが血に宿りし呪われた術式よ、汝の力によってわが肉体を鋼の人形へ!>」

 呪文を詠唱した後、レイグは自身の血の中に飲み込まれていき、血はまるで卵のように球体へとなった。

 そして、球体が割れ、中から鋼鉄の人形が現れた。

「禁術、ゴーレム化・・・。」

『オマエタチノセイデ何モカモメチャクチャダ。全員ワガ主ノ供物トシテヤル・・・。』

 エコーがかかったつたない声がゴーレムから聞こえてくる。


「どうなろうと撃退して拘束するのみ!」

 カイは全く動じずにゴーレムに攻撃をするが、鋼鉄の片手で振り払われカイは吹き飛ばされ、柱にぶつかる。柱の破片が床に転がっていく。


「カイ!!」

 ルオが駆け寄るとカイは気を失っていた。

「マダ死ンデナイガコレデ一人目。」ゴーレムはツェルカの方を向き、目と思わしき部位が光る。

「ちょっと難しそうかな・・・。」ファミラは剣を構えゴーレムと距離を取る。

「ファミラ、ツェルカさん・・・。時間を稼ぐことは出来ますか?」

「なんとかできそうだけど・・。」「稼いであなたはどうするつもり?」

「ゴーレム化の術式を解きます。」

「「できるの!?」」

「俺だけでは難しいですが・・・、<ラジエルの書>、ラジエルとなら解ける可能性が高いです。ただ時間がかかるだけで。」

「分かった。あんまり遅くならないでね。私防御力弱いから。」「頼りにしてるよルオ!」

 ツェルカとファミラはルオに任せ、ゴーレムの相手をし始める。


「ラジエル!」

「ようやく我の出番じゃな!」


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