(70) 傀儡
「なんで、あんたは毎回私のことをそうやっていじるのかね。」
「だって、1年前に酔ったツェルカ先輩が・・・。」
「すみません!自業自得でしたね! くそっ!」
ツェルカは元気に部屋にある柱を蹴った。そして案の定衝撃が足に帰り、「痛ったぁ・・。」と涙目で足を抑えた。
「やっぱり来てくれたんですね。」
「後輩の副隊長に借りを返さなきゃいけないと思い出したからね。後聞きたいこともあったし。」
ツェルカはそう言いながら矢をつがえる。
「なんで生きてるんだよ。致命傷を与えたはずだろ?」
「残念なことにウィルベリーの世界樹が私をあの街に招き入れてね、そこの町長の娘に生かされたのよ。」
「ガブリエル、しくじったな・・・。」
「クレーネさんの呪いにも関わっていたのか!」
「まあね、君らに邪魔されたけどね。ルオ君のとは別件だから安心してね。」
「「できるかよ!!」」
レイグの首筋に槍の先端が向けられる。
「守護者君も関係あったのかな?」
「呪いの件、お前が関わっていたというのは本当なのか?」
「さっき言ったとおりだよ? だから何?もしかしてギヌアの娘の知り合い?」
「・・・お前を拘束する。」カイが槍の柄にあるボタンを押すと槍の先端が変化しロープ上になり、レイグを拘束しようとする。
「やだね!」
レイグは大剣を魔術で操って槍を躱す。
「ごめんだけどその前に、私優先だから!」
レイグの足元に数本の光る矢が襲い掛かる。
「おっととと。ざーんねん♪」レイグは余裕で避ける。
「ファミラ!」
ツェルカが頼りになる後輩の名を呼ぶ
「任せて!」
レイグの頭上から剣が降りりかかる。
「くっ!」不意を突かれ、大剣で防ぐが片手であるため押しきれず拮抗する。
「<鷹よ貫け>!」
鷹の形をした魔力の塊がレイグに直撃する。壁にぶつかり砂煙が舞う。
「セラフィエル・・・。」ようやく意識が戻ったラジエルがかつての友の名を呼ぶ。
「やったか?」ルオが恐る恐る近づいていく。
「いや!まだた!」砂煙の中から魔術弾がルオの心臓めがけて飛び出す。カイは咄嗟にルオを突き倒し、魔術弾が直撃する。
「カイ!!」
「大丈夫だ。あばら何本か折れたが問題ない。」カイはスッと起き上がった。
「いや問題あるから。」
「さすが副隊長。あの魔獣討伐戦で善戦してただけはあるね。」
ツェルカはレイグと距離を取って弓を構える。
(魔獣討伐? ・・・もしかして2年前の・・。)
ルオは2年前のことをふと思い出す。
「もしかして思い出してくれた?僕のこと。2年前からずっと君を見ていたんだ。この計画には君が必要なんだ。」
「ひぃっ・・。」ルオは後ずさりした。
「2年前のことはいいから、さっさと白状しなさい! 隊長に・・、メラリアに何をしたの!!」
「2年前にも関係するんだけどなぁ・・・。ま、いっか。出番だよ~メラリア=レヴァンネ隊長♪」
レイグが指をパチンと鳴らすと、空間に穴が開き、そこから一人の女性が出てきた。
「あ、。」
ツェルカは現れた人物を見て固まった。
「説明するの面倒だから簡単に言うと、メラリア隊長には傀儡になってもらいました~。」




