(64) 狙いは何か
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「あなたをを確保した後に副隊長のレイグが、ルオ=ノレスが魔獣であることを教えてくれたわ。」
「それだけですか?」
「それだけよ。遺跡の中で起きたことは一切話してくれなかった。・・・隊長も。」
ツェルカは少しだけ悲しそうに眼を伏せた。
「隊長はこのことをご存じだったのですか?」
「分からない。」「ぜーんぜん。」二人の獣の騎士は首を横に振った。
「最近の隊長は様子がおかしかったの。だから、あなたを襲撃しかけた後副隊長に問いただしたの。
そしたら、知りすぎたみたいで殺されかけた。」
「なるほど。」
あの傷はそれによるものだったようだ。あのヤバい人は容赦がないようだ。
「セラフィエルも変わったのぅ。一体何をするのやら。」
「ラジエルも分からないの?」
「分からぬよ、ルオ君。あいつとは何千年も前に分かれたからの。分かることといえば、あいつは何があっても主を一番に考えていたことだけじゃ。」
「主?その主というのは誰なの?」
「思い出せないのじゃ。長い間眠っておったからの。我の主でもあったことだけ覚えておる。」
(主、か・・・。俺だと魔獣としての父親がデュポーンになるのか。・・・やだな。)
「クレーネに呪いをかけたのも天使であるガブリエルだろうし、おそらく天使の一部が何か良からぬことを企んでいるには違いないね。ちなみに、ラジエルは雑魚過ぎてそんなことにも参加させてくれないから安心していいよ。」
「ギヌア、後で覚えてろ。」
「後で何すんのさ。下級魔物でも相手しろって?」
「こっんのやろぅ。」
(この二人は、昔馴染みだったんだよな。じゃあギヌア様何歳?)
「夢の中で不思議な人と出会ったけど、あんまり覚えてないな。何かが終わるということしか記憶に・・・。」
「その天使に合って話せばいいのだろう。クレーネ、もう一度呪いにかかってくれ。」
「あ、ん、た、は、一回、<アマリリスの庭>にでも行ってろ!!」
クレーネの魔力が溜まりに溜まった拳がカイにヒットし、床をぶち抜き地下に落ちていった。
「「わぁ・・・。」」
ルオとギヌアはその恐ろしさにドン引きした。・・・呪いは解くべきではなかったのかも・・。
「今変なこと考えてなかった?お・と・う・さ・ん?」
「いいえ!今日も娘のぼうり・・、おっほん!娘は世界一美人だなと思っておりました。」
「ならよし♡」
(怖い・・・。)
ルオは心の中でカイに助けられなかったことを謝罪した。いや救出しに行けよ。
「ルオはさっきから黙ってるね? どした? 魔獣ってことを明かしたから?」
ファミラが顔を除いてきた。(ファミラの胸がおお・・・。いやなんでもない。)
「みんなのやり取りを見てた。魔獣がすぐそばにいるのに、怖がることも攻撃することもないから不思議で新鮮だなって。」
「そりゃルオだもん。クレーネの呪いの解呪や先輩の治療で害をなすことは無いって分かるもん。」
「ありがとう。」ルオはうっすらと涙を浮かべた。
「魔獣といえば、ルオが禁書に触れたとたんに大爆発を起こしたみたいだけど、あれはどうして?というかなんで雑魚天使ラジエルがルオに取り憑いたわけ?」
ファミラが疑問を口にした。
「確かに。俺は魔術書にすべてをかけて逃げようと思っていましたが、まさかあれが噂の禁書であるとは思いませんでしたし、というか禁書もどういうものか分からないし、なんであんなことが・・・。」
ルオは真っ赤な空間を思い出し、両手が震えた。
「それについては我が分かるのじゃが、今話すべきではないのじゃ。仮説も交じっておるし、ルオ君が傷つく。」
「ラジエル・・・。」
「言ってくれないなら分からないけど、禁書に触れなきゃいいの?」ファミラはラジエルに問う。
「正確には違うが大体そんな感じじゃ。禁書は我の中にある。ルオ君には触れさせないよ。」
「残ってる謎はセラフィエルの目的と隊長さんの身に起こっていることだけど・・・。」
「この二つは実際に会ってみたら分かると思います。直感ですが・・・。」
「私も同感。何してるのか分からないけど、早く止めなきゃ禁書以上の大惨事が起こるかも。」
ルオとファミラは再びあの化け物に会うことを決めた。
「ずっと思ってたんだけど。カノム隊長を起こすべきなんじゃない?」
ツェルカがソファで未だに眠っているカノムを見て言った。




