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あなたにおくる魔法の教科書  作者: 珍獣モフ犬
第二部 迷宮編
149/150

(66) 帰るまでがダンジョン攻略

 宝箱の近くの地面が光始めた。

「なっ!? 新しいトラップ!?」

 メリーは乙女とは思えない足の上げ方をして驚いた。


「違うよ、これは出口。」

「これが?」

「よく見て、入り口と似たように見たことのない文字が書かれてあるだろう?」

「あ、ほんとです。」

「クリア報酬を受け取った後に出現するシステムらしいよ。」

「って、じゃあ早くしないと閉じ込められちゃうです!?」

 メリーは大慌てで荷物をまとめる。


「別に急がなくてもゲートは待ってくれるから。来るもの拒まず去る者追わずってね。」

「追ってはこないです。」

「言葉が見つからなかったんだよ。」

「とにかく、慌てなくていいってことです!」

「よろしい。」

「メリー大人です。」

 メリーはルオをジト目でルオを睨む。

「断じてロリコンではありません。というか俺の好みでないし。」

「わぁ~ん! ルオさんがひどいことを言うですぅ~。」

「ちょっとメリー!?」

 メリーはしゃがんで泣きじゃくるが、手には目薬と玉ねぎが見えた。(いや玉ねぎはどこから?)


「まったく!」

「うぎゃぁあ!?」

 ウィンデがメリーの後ろ襟を片手で掴み、軽々と持ち上げる。

「まず真っ先にルオ君にお礼を言うべきじゃないかなぁあ? 誰だっけぇ?勝手に迷宮に入った不届き者はぁああ?」

「ここまで一緒に同行していただき誠にありがとうございますです!!!」

 目が一切笑ってないウィンデの笑顔でメリーは、泣きながら(今度はガチ)感謝を述べた。


「ど、どういたしまして。俺もメリーのおかげで思った以上に早く攻略できたから、こちらこそありがとう。」

「そっちはタメ口ですか……。」

「迷惑かけたのはどっちかなぁああ?」

「いいえ! なんでもありません!! 無礼をお許しください! ひぃいい!」

「まぁまぁ、それほどにしてあげてください。メリーもずっと頑張ってくれましたし……。」

「あのね、ルオ君。こいつはすぐ調子に乗って大迷惑かけるから、釘を定期的に差しとかないといけないんだよ。」


 ま、確かに。


「あぁ~、お主ら?」

 ラジエルが咳ばらいを一つして、三人の会話に割り込む。

「なんだい? なんにも活躍してなかった天使さん?」

「お前の方こそ最強のくせに役立たずじゃったろ?」

「がはぁああ!!」

「あはははは…………」

 ルオは苦笑いをする。


「おっと忘れるところじゃった。確かに出口はずっと開いてくれるが、この迷宮の時間はどうなっておるのじゃったかの?」

 その言葉に2人ははっと思いだす。

「あ、ズレがです……。」

「でも、ウィンデさんと<玉手箱>で何とかしてるんじゃ……。」

「さっきの戦闘がより大きな時空乖離でウィンデと<玉手箱>ともにクールダウン中じゃ。なので……。」


「「早くここから出ないと!!」」

 2人は踵を返し、我先にと急いでゲートに入り込んだ。


「やれやれ、帰りまでがダンジョン攻略とはこういうことかの?」

「彼らにとっては大変な遠足って感じだろうね。」


 迷宮群<ニヴルヘイム>攻略完了。

 攻略者 ルオ=ノレス(偽)、メルセリス

 攻略日数 約一か月(迷宮内) 現世では約5カ月


 

 

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