(66) 帰るまでがダンジョン攻略
宝箱の近くの地面が光始めた。
「なっ!? 新しいトラップ!?」
メリーは乙女とは思えない足の上げ方をして驚いた。
「違うよ、これは出口。」
「これが?」
「よく見て、入り口と似たように見たことのない文字が書かれてあるだろう?」
「あ、ほんとです。」
「クリア報酬を受け取った後に出現するシステムらしいよ。」
「って、じゃあ早くしないと閉じ込められちゃうです!?」
メリーは大慌てで荷物をまとめる。
「別に急がなくてもゲートは待ってくれるから。来るもの拒まず去る者追わずってね。」
「追ってはこないです。」
「言葉が見つからなかったんだよ。」
「とにかく、慌てなくていいってことです!」
「よろしい。」
「メリー大人です。」
メリーはルオをジト目でルオを睨む。
「断じてロリコンではありません。というか俺の好みでないし。」
「わぁ~ん! ルオさんがひどいことを言うですぅ~。」
「ちょっとメリー!?」
メリーはしゃがんで泣きじゃくるが、手には目薬と玉ねぎが見えた。(いや玉ねぎはどこから?)
「まったく!」
「うぎゃぁあ!?」
ウィンデがメリーの後ろ襟を片手で掴み、軽々と持ち上げる。
「まず真っ先にルオ君にお礼を言うべきじゃないかなぁあ? 誰だっけぇ?勝手に迷宮に入った不届き者はぁああ?」
「ここまで一緒に同行していただき誠にありがとうございますです!!!」
目が一切笑ってないウィンデの笑顔でメリーは、泣きながら(今度はガチ)感謝を述べた。
「ど、どういたしまして。俺もメリーのおかげで思った以上に早く攻略できたから、こちらこそありがとう。」
「そっちはタメ口ですか……。」
「迷惑かけたのはどっちかなぁああ?」
「いいえ! なんでもありません!! 無礼をお許しください! ひぃいい!」
「まぁまぁ、それほどにしてあげてください。メリーもずっと頑張ってくれましたし……。」
「あのね、ルオ君。こいつはすぐ調子に乗って大迷惑かけるから、釘を定期的に差しとかないといけないんだよ。」
ま、確かに。
「あぁ~、お主ら?」
ラジエルが咳ばらいを一つして、三人の会話に割り込む。
「なんだい? なんにも活躍してなかった天使さん?」
「お前の方こそ最強のくせに役立たずじゃったろ?」
「がはぁああ!!」
「あはははは…………」
ルオは苦笑いをする。
「おっと忘れるところじゃった。確かに出口はずっと開いてくれるが、この迷宮の時間はどうなっておるのじゃったかの?」
その言葉に2人ははっと思いだす。
「あ、ズレがです……。」
「でも、ウィンデさんと<玉手箱>で何とかしてるんじゃ……。」
「さっきの戦闘がより大きな時空乖離でウィンデと<玉手箱>ともにクールダウン中じゃ。なので……。」
「「早くここから出ないと!!」」
2人は踵を返し、我先にと急いでゲートに入り込んだ。
「やれやれ、帰りまでがダンジョン攻略とはこういうことかの?」
「彼らにとっては大変な遠足って感じだろうね。」
迷宮群<ニヴルヘイム>攻略完了。
攻略者 ルオ=ノレス(偽)、メルセリス
攻略日数 約一か月(迷宮内) 現世では約5カ月




