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あなたにおくる魔法の教科書  作者: 珍獣モフ犬
第二部 迷宮編

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(45) 幽霊嫌い

「こっこれがアンデットです!?」

「きゃあああああ!!」(ルオの悲鳴)

 ルオはアンデット型エネミーを見た途端、超火力の神話魔術<天津甕星>で一面を焼け野原して、エネミーを屠り去った。


「……ルオさん?」

「……、お化けなんていないお化けなんていないお化けなんていない。お化けなんてこの世にいるはずない……。」

 ルオはぶつぶつと呪文のように呟いている。


『あぁ! 成程! さてはルオ君……。 幽霊とか無理系じゃの?』

「マジです?」


 ル(・)オ(・)=(・)ノ(・)レ(・)ス(・)の故郷であるフロフィノ王国は幽霊の噂が大陸一の呼ばれており、観光資源が心霊スポットである。言の葉によって魔術を織りなす国だからこそ根も葉もない噂だけで新しい怪異が誕生してしまう。国民の9割がオカルトマニア説が濃厚で、日々ネタを探しているとも言われている。

 ルオ=ノレスはオカルトマニアでは無かったが、幽霊は別に平気だった。たとえ遭遇したとしても対処可能だったし。


 しかし、ル(・)オ(・)は何百年経ってもダメだった。生誕地の暗い牢屋の中で大嫌いな虫と過ごしていた時も、実験で死んだ被験体の幽霊が襲ってきたことがあり、それがトラウマで幽霊嫌いになった。


『残念ながらルオ君、この世界には魔力が満ちておるから幽霊は普通に存在しておるし、半世紀前にドクター・オフィユーカスが幽霊の存在を証明したことは知っておるじゃろう? 我は先月雑誌で読んだぞ!』


「うぅ~。」

「ルオさん、もうラストダンジョンですよ? ここで日和ってたら年が明けてしまうです!」

「ちょ!? メリーぃいい!?」

 メリーは悪魔特有の馬鹿力でルオをずるずると引きずっていく。


「無理無理無理無理無理無理無理無理!!!! 幽霊と虫だけはまじて勘弁して!! 珍獣モフ犬(作者)も虫とお化けが嫌いなんだよ!?」

「作者(あの珍獣)は安全地帯で笑ってるです。」

「裏切り者ぉおおおおおおおおお!!!」

 別に裏切ってるわけではない。だって君の世界にいるわけないから。


「ルオさん! またアンデットです! 今度はちゃんとした王道の幽霊系です!」

 東洋系のうらめしや~とか言ってくる幽霊の大群が出現した。幽霊系は物理攻撃が効かず、魔力攻撃のみで消滅させることができる。


「くそっ! くそっ!」

 ルオは半泣きになりながら、神話魔術<で幽霊をベシンッベシンッとしばき倒していく。泣きたいのは幽霊だよ。


「なんでメリーは平気なの?」

「悪魔は大体魔族の悪魔教に崇められてますから、生まれたときからオカルトの被害にあってるんです。」

 ほんの0.1秒だけ悪魔に生まれたかったと思った。


『幽霊嫌いのルオ君に悪いニュースと悪いニュースがあるんじゃがどっちが先に聴きたいのじゃ?』

「どっちも嫌だ。」

『ではまずは悪いニュースから!』

「耳鼻科に行ってきてくれる?」

『どうやら挑戦者の恐怖の感情に比例して幽霊が強くなるようじゃ。』


「ルオさん、心を一度無にしてください。」

「無理です。」

『続いて悪いニュースじゃ!』

「まとめて話してくれるかな?」

『早くラスボスへの道を探さないと永遠に階層が増えていく仕組みのようじゃ! つまりエンドレスホラーになることもできるようじゃ!』


 ラスダンにふさわしい鬼畜っぷりであった。


 

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