(43) 作戦会議
『さて、ルオ君がトッププライオリティを改めて確認できたことだし、終点迷宮<ヘルヘイム>の作戦会議を行おうか。』
『ぬぁ〜に貴様が仕切っておるのじゃああ!』
ラジエルがウィンデの腕をぺちぺちと殴るが、ノーダメである。はい、残念。
『こんなどこの骨かもわからない子供が仕切ってたら色んな意味で疑われるよ!』
『ぐぬ、確かに……。』
ラジエルは何千年も生きていると聞いたが(精神年齢は知らない)、見た目が見た目なので子供扱いされるのがふつうである。
『ルオ様とメリー様はともに<ニヴルヘイム>に到着。迷宮内での経過時間はおよそ15日。現世では4カ月経過しております。』
「四ヶ月も……。」
『うむ、こっちでは四ヶ月で色々と変わっておるが、おぬしらは今は気にするな。』
通信越しでモニタールームがバタバタとしているのが確かに聞こえる。
『君たちが高難易度ダンジョンを攻略中であることが魔術連合内でも広がっててね、ラスダンに到達したこともじきに話題になるだろうね。』
「そんなに……。」
「ダンジョン攻略って未だにマイナーに類するって聞いたです……。」
『メリーの言う通り。ダンジョン攻略なんてそれこそかの覇者のおかげで一定の知名度はあるが、そこまで有名というわけでもないのさ。冒険者内ではゴールドクラスへの王道の道ではあるが、世間じゃ笑い者にされる類。でも、君たちの活躍で迷宮が認知されてきた!』
「ほへ~。」(メリー)
「<ニヴルヘイム>が特別なのですか?」
『かの覇者様が気にしておられた迷宮ですから。』
「言うんだ……。」
『えぇ……。』
「ルオさん?」
「何でもないよ、メリー。セバスチャンとは攻略後に個人的な話があるだけだから。」
『いつでもお待ちしております。』
「?」
2人のやり取りにメリーは首をかしげる。
『はいはい! 話が脱線してきてるから、本題に戻すよ! <ヘルヘイム>は玉手箱のおかげで時空乖離がある程度弱められて言うけど、ズレは収まってない。1日が1週間ってところだろう。竜宮城よりもマシになったが、エネミーの難易度は<エルドラド>級。プラチナクラスの冒険者か太陽系級の魔術師でないとクリアが難しいと考えられる。君たち2人の総合ポテンシャルならなんとかクリアできるだろうが、苦戦はするはず。私たちもこの前発表された時空乖離対策魔術の理論を応用して遠隔サポートを行う。』
「4ヶ月でそんなものが……。」
『まだ試作段階だけどね! 玉手箱と合わせられれば乖離率が小さくなるはず!』
『我の<しっくしせんす>が嫌な予感を察知しておるから、ものすんごく気を付けるのじゃぞ!』




