(40) ついに!
一面真っ白で強い吹雪により暗くて向こうすら見えないほどの視界最悪な景色を、ルオとメリーは進んでいく。即凍死兼ホワイトアウトな誰がどう見ても超危険な状況だが、2人は魔法生物なので(もう何回言ったことか)、ただ無限に死ぬほど寒いというだけになる。
また、ポラリスという最強の道しるべがあるためたとえ視界最悪だとしても迷わずに進んでいける。ちなみに今の目的地はフロアポイントである。
「ふう、ひい、はぁ、……。」
ぶっ飛んだレベルの寒さに耐えれる迷宮探索用の防寒着なんてあるはずが無く、魔法生物特有の大量の魔力による炎で何とか凌いでいるが、やはり寒いし魔力の併用で疲れがたまってくる。
「なんで、こんなに、寒いんですの……。」
「さあ、まるで死人のような冷たさだから、ダンジョンボスが冥界の番人だったりして……。」
「冗談やめてくれませんです?」
メリーは真顔で怒る。
「すみません……。」
ルオはしゅんと落ち込み謝罪する。
第二迷宮から一週間以上たっているが、立場が段々と逆転しているような気がする。
「あ、ここがフロアポイントっっ!」
「ようやく、休める……。」
フロアポイントは洞窟であり、防寒用の強力な魔術もかけられている。
「ポラリスなしじゃ、今は遭難して永遠に寒い地獄を味わっていたよ……。」
ポラリスは先ほどまでは目的地へ青い線で指していたが、今は目的地につき緑色に点滅していた。
「老賢者さん? というお方には感謝すべきですね~。」
フロアポイントのこたつに入り、付属のみかんを食べながら言う。
尚、ルオは真っ先にお風呂へと向かい、ゆっくりと身体を温めた。
「……うん、そうだね。」
タオルでついこの間(現世で3ヶ月以上前)どこかのストーカに散髪させられた髪を拭く。以前よりも乾きやすくスタイルも良いので気に入っているが、散髪してもらうのならちゃんとした美容師にお願いしたかった。
ルオは何か深みのある返事をする。
「ルオさん?」
「あっ! いや、何でもないや。ちょっとお風呂上がりで眠くなってきただけだから!それよりも! 早く連絡鳩を起動させなきゃ!」
ルオは何かごまかすような声とともに、連絡鳩を取り出し充電しながら起動させた。
『るっ、おっ、く~ん!! もう四ヶ月ぶりじゃのう!! そっちはもう2週間辺りか? けがや病気はしていないか? ……うんうん、どうやら二人ともまずは健康じゃの!』
起動後一番に応答してくれたのは、いつものラジエルである。いつもうるさうざい時があるがこういう大事なところでは最も頼りになる。
「健康なのは今だけで、さっきまで永遠の凍死越えの苦しみを味わっていたところですよ。」
『そうか……、やはり、あの者の仮説は正しかったようじゃの。』
「ラジエル? どうかした?」
『あぁ! その通りじゃ! 結論から言うとおぬしら二人が居るのは第五迷宮<ヘルヘイム>』
「<ヘルヘイム>ってことは!?」
『うむ! ラストダンジョンじゃの!!』




