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あなたにおくる魔法の教科書  作者: 珍獣モフ犬
第二部 迷宮編

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(39) 断じてそんな目で見ていません!

 第四迷宮<竜宮城>の脱出ゲートに立つと、地面に描かれている魔術陣が輝き、視界が光によって遮られた。


 ヒュォオオオオオ


 次に目を開けると、真っ白であった。


 「へぇえっくっしょん!!!」「へくち……。」

 2人はあまりの極寒に大きなくしゃみをした。(ちなみにルオは「へくち……。」のほうである。)


「さ、ささささささささささ、寒い……!」

 ルオは上下の歯をガチガチと鳴らしながら、ぶるぶると震える。

 一応防寒機能をもつ服装にしていたが、全人類がコンマ1秒で凍死する寒さには耐えられなかった。


「ぷ、ぷぷぷ……、<プロメテウス>!」

 メリーも同じように震えながら神話魔術による灼熱越えの炎を出す(文面が笑っているように言えるが、寒すぎて言いづらいだけである。)。


「あ、あったけぇ~、まさにヘブン……!」

「体がとけるぅ~です。」

 氷河期越えの寒さの中二人は<プロメテウス>をキャンプファイヤーにし、近くにかまくらをつくった。

 こんな即凍死クラスの寒さに何故2人が死なないのかは、以前にも言った通り、死の概念が無いと判明している魔法生物だからである。死ぬことはないが、死ぬほどの苦しみや痛みを状況が回復するまで永遠と味わう地獄ではある。


「洞窟に草原に迷路に海に、そして極寒の地ですか、迷宮ってこんなにもバラエティー豊かなんです!?」

 かまくらで身体を温めるメリーは愚痴をこぼす。


「この迷宮は<ニヴルヘイム>という迷宮群で、3種類以上の迷宮が結合したものを言うんだ。ちなみに2つなら合体迷宮ね。」

「な、なるほど……。よくネタ切れ起こしませんよね、迷宮群は。」

 メリーはかまくらの外の真っ白な世界を眺める。吹雪もつよく秒で遭難しそうだ。


「いやぁ? おれも迷宮は数回挑戦してるけど、ここまで迷宮ごとに世界観が違うのは見たことも聞いたこともない。」

 迷宮群は相性がある。例えば、マグマの迷宮と氷雪地帯の迷宮は合体率1%以下だ。隣り合う迷宮は相互作用を起こす、互いに影響がすくない迷宮でないと合体し群れを成すことは出来ない。


「じゃ、なんで合体できてるんです? これも竜宮城ケースです?」

「う~ん、多分そうなんだろうけど。」

「だけど?」

「なんとなく迷宮群全体が何らかの意思が働いている気がする。」

「と、言いますとです?」

 

(やっぱメリーって「です。」を語尾につけたいんだな。)

 ルオはメリーのゴスロリ衣装を見る。だんじてロリコンではないが、語尾が「です」で、ガーターソックス付きのゴスロリの精神中学生以下のロリババア(メリーは100歳越え)は中々かわいいのでは?


「ルオさん?」

 邪な目で見ましたか? という目でメリーはにっこりと微笑むが目は笑ってない


「いいえ、何も!! ああ!ごめん! 竜宮城をクリアして急激に冷えて温まったからちょっと疲れちゃって! それよりも! こんなにも世界観が違うのに5種類以上も合体しているのはあまりにも不自然だから、誰かかが無理やり結合させてるんじゃないかな!?」

 ルオは慌てて弁明し、自分の仮説を述べる。


「……、ふ~ん。邪な目では見てないと……。」

「それはもういいですから!?」

「はいはい、分かってますですよ♪」

 メリーはぷぷっと小馬鹿にするように笑った。


「誰かが無理やりって言いますけど、誰なのです?」

「それは……、まだ分からない。」


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