(38) 跳躍
——第5迷宮<ヘルヘイム>、一階層——
『なるなる成程……。ルオ君が吸収した海魔が出てきて、2人をかの御伽噺のように行くべき場所へと導いてくれたのか……。』
「ああ、海魔は今の人生ではダンジョン以外だと2体くらいしか見ていなかったから……。魔法生物でも魔物でもない謎の存在だから俺たちの知らない理で動いているんだろうけど、今回のは予想外すぎた。」
「メリーも同感です。師匠からは海魔がとっても危険な天敵と伝えられて、本当にそのまんまだったですけど……。あのカメさんには悪意なんて一切感じられなっ方です。」
『この私も流石に予想が当たらなかったからな、だから世界は面白くて愛おしいんだけど……。』
『お主はいい加減空気を読んでナルシストするのじゃ!』
『あ~、聞こえない聞こえない♪ 私の耳はお休み中なのだよ♪』
『ご歓談中失礼いたしますが、<玉手箱>の方は手に入られましたか?』
『心配しないで、セバスチャンさん。あのウミガメに託されたから。』
「託されたって? あのカメさんの言葉が分かったんですの?」
『ううん、でも託されたんだ……。確証はないけど、何故か100%俺にこの<魔法具を託されたって分かるんだ。』
「ルオさん……。」
『……さて、気になることしかないがひとまず竜宮城の事を置いておいて、2人は寒くないかの?』
「全然あたたかいです! 細かく言えば少し寒いけど支障はないです!」
「俺も全然平気。腹立つ所はあってもあの老賢者には一度御礼を言いたいね。セバスチャンさん、老賢者さんってどこで会えます?」
『契約違反になりますゆえ……。』
『相変わらずだね、、ま!とにかく!最終迷宮は情報が一切ない状態からがスタートだ。先を行くサポーター(ナビゲーター)の恩恵は殆ど使えないと考えた方が良い。二人は死ぬことは魔法生物に誓ってないけど、<永遠の地獄>が待ち構えでいるだろうから、今まで以上に安全重視で攻略してくれ。二人が生きて帰えれりゃ<読書会>も再編ルート一直線だから。』
「一層のフロアポイントを越えたらその先は未知領域、フロアポイント以外では決して気を抜かないように!」
「分かりました!」「りょうかいです!」
時は遡り
——第五迷宮、<ヘルヘイム>に転移した直後——
「へぇえっくっしょん!!!」「へくち……。」
海中の迷宮をクリアし、何故か脱出前に崩壊していくそのダンジョンから無事に脱出し、最終迷宮である<ヘルヘイム>にたどり着いた。
予想外なのは、めちゃくちゃ寒いことである




