表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラスティア群像劇外伝~宮廷料理人ディアーの奇想天外レシピ~  作者: niseimo38


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/8

07、タレとソースの絡み合い~二度揚げするチキン南蛮~

筆者執筆

シンと肌寒く、霜を踏みしめる音がザクザクと心地よく鳴る朝。

ディアーは既に宮廷の厨房で食材のチェックをしていた。

ディアー「んー、今日はマヨネーズの期限が近づいていたな。大量に使える料理は何がいいかな、と」

思案を巡らせながら手早く割烹着を身につけていく。

ディアー「鶏肉も大量にあるし……、ちょいとアレを作ってみるかな」

メニューを決めると行動は早かった。卵、マヨネーズを用意し、タマネギを取り出す。


――アレにはこれがあると美味しいね、タルタルソース――

1、タマネギをみじん切りにして水にさらし水気を切る。

2、ボウルにタマネギを入れ、ゆでた卵も入れて崩していく。

3、マヨネーズを和えていく。

4、少量の塩、コショウ、酢を加えてよく和えて完成。


ふわりと卵とマヨネーズの香りがあたりを包む。

ディアー「まずはこれで完成。冷蔵庫でしっかり冷やしていくか」

ラップをしてたくさん作った自家製タルタルソースを冷蔵庫へとしまう。

ディアー「そしてもう一つ、これも欠かせないよな」

次の作業へと取りかかるディアー。


――アレの基礎の味付け、甘酢ダレ――

1、ボウルに砂糖、酢、醤油を入れて混ぜる。

2、しょうが、にんにくをすりおろして少量くわえる。

3、ごま油、小口ネギを加えてよく混ぜたら完成。


キラリとごま油が光る甘酢ダレが完成した。

あたりに香ばしい煎り胡麻の匂い。

ディアー「タレとソースはこれで良し、と。次は下味をつけておいた鶏肉の出番だな」

ディアーが鶏もも肉の準備をするために冷蔵庫へと向かう最中、コツコツと歩く音が響き渡る。

フェイ「おはよう、ディアー」

顔を出したのは宮廷の守護隊長フェイ。

ディアー「おはようっす。随分早いっすね」

フェイ「昨日は仕事が早く終わったんで、すぐに寝たからな。たまには早起きをと思ってね」

フェイはにこやかに笑う。

ディアー「いいっすね。でもまだ飯は完成してないっすよ?」

フェイ「なに、ゆっくり見物しながら待ってるさ」

フェイはそう言うと、厨房が見える位置に座る。

ディアー「了解っす。じゃあ、ちょっくら作るとしますかな」

ディアーはそう言うと厨房での作業を再開した。


――タレとソースの絶妙なハーモニー、チキン南蛮――

1、塩、砂糖を加えた水を使ってあらかじめ鶏もも肉に下味をつける。

2、水気をふいた鶏もも肉に薄力粉、卵、水を混ぜたバッター液を絡める。

3、バッター液をつけた鶏もも肉に片栗粉をまぶしていく。

4、鶏もも肉を揚げていく。はじめは160℃で2分ほど揚げる。

5、鶏肉の上下を返してさらに2,3分揚げる。

6、揚げ終わったら一度取り出し、バットに立てて休ませる。

7、油を180℃にして二度揚げする。

8、揚がったら再びバットに鶏肉を立てて置いておく。

9、器に鶏肉を盛りつけ、甘酢ダレをかけてタルタルソースを別に用意したら完成。


ジュワーッと油で揚げる音が響き渡る。

フェイ「ほほう。竜田揚げみたいなものか」

ディアーは丁寧に鶏肉の油を切っていき、手際よく肉を揚げていく。

フェイ「無駄な所作が少ない。まるで剣豪同士の剣戟のようだな」

フェイは戦場での剣の交じりを思い浮かべる。


丁寧に盛りつけていきタレをかけて、別の皿にタルタルソースを入れていく。

ディアー「よし、完成! フェイ、出来たよ」

フェイ「おう、お疲れさん」

ディアー「今回はチキン南蛮という料理を作ったっすよ。まずはそのまま食べてくださいっす」

フェイ「了解した」

フェイは湯気が立ち上る出来立てのチキン南蛮をつかみ、少し冷ましてから口に運ぶ。

ザクッと小気味よい音が響き渡る。

フェイ「……衣がサクサクで中はジューシー。揚げ物と言えばやはりこれに限る」

ディアー「二度揚げすることで中までしっかり火が通るのと、カラッと仕上がるんすよね」

フェイは一つずつ丁寧にチキンを食べていく。

ディアー「美味かったっすか?」

フェイ「ああ。ごまの香ばしい香りがいいな。味も酸っぱすぎず甘すぎず、良いバランスだ」

ディアー「いいっすね。そしたら、次は添えてあるタルタルソースをかけてみるっす」

フェイの眉毛がピクリと動く。

フェイ「ほほう、今回も二段構えか。どのように変わるか楽しみだ」

ディアーは自信満々に告げる。

ディアー「これをかけてからが本番っすよ」


フェイはタルタルソースをかけたチキン南蛮を食していく。

フェイ「!!」

驚愕の表情を浮かべるフェイ。

フェイ「これは……! 先ほどまでと違いとても濃厚な味わいになっている!」

ディアー「言ったでしょ? これをかけたから本番って」

フェイ「衣のサクサクを損なわず、甘酢ダレは味を引き締め、それに絡まる卵とマヨネーズのコク! タマネギがシャキッとしていて良いアクセントになる。でも決して邪魔をしているわけではない」

ディアー「ご満足いただけたかな?」

フェイ「ディアー! 飯を! 飯を追加で所望する!」

ディアー「はいよ! ちょっと待ってて」

ディアーは厨房へと向かい、白いご飯をよそってフェイに振る舞う。

フェイ「ありがとう! これはご飯が止まらない!」

ディアー「ふふふ、しっかり作った甲斐があるっすね」


フェイは無心でご飯を頬張り、チキン南蛮を次々と口へと運んでいく。

フェイ「はふっ、……ゴクッ」

夢中になって食べる姿はまるで食べ盛りの新米兵士のようだった。

フェイ「……ふぅ。美味しかった。中華以外の料理はやはりディアーが作るものに限るな」

ディアー「それ、最高の褒め言葉っすよ。素直に嬉しいですね」

フェイ「お前を宮廷料理人にスカウトしたのはやはり正解だったな。一度は断られたが、修行を積みさらに一皮むけて帰ってきた。知ってるか? お前が来てから食堂へ行くのが楽しみになった兵がたくさんいるのだぞ」

ディアー「ははは、そりゃ嬉しいですね。それだけ評価してくれてるってことでしょ?」

フェイは深く頷きながら続ける。

フェイ「無論だ。数々の料理を見てきたが、これほどバリエーション豊富な料理を振る舞ってくれるのはお前だけだからな」

ディアーはあまりに何度も褒めるフェイに少し照れた様子だ。


カラリと響く衣が砕かれる音に香ばしいごまの香りが漂う。

評判が高いチキン南蛮がこの日の話題を総なめするのだった。


と言うわけで、今回はチキン南蛮回でした。タルタルソースをかけると本当に化けますよね。

ディアーは二度揚げしてよりサクサク、ジューシーに仕上げていますが、大変な場合は無理せず一度揚げでも十分美味しくなります。その際はしっかり火を通すことを意識すると良いですね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ