06、今日はちょっぴり豪華に~本格的な炭火焼き鳥~
筆者執筆
今日のディアーはいつもより少し遅めの厨房入り。時刻は朝6時。
ディアー「昨日は鶏肉のいろんな部位が手に入ったからな。マウニアが良い炭を用意してくれたからやっぱこれっしょ」
ディアーは割烹着に身を包み、あるものを棚から取り出す。
ディアー「この国は鶏肉をよく扱ってるからきっとこういうのもあるんだろうな」
設置したのは、炭火焼き用焼き台。これをダクトの近くに置く。
ディアー「換気はしっかりと、ね」
焼き台の炭床に炭を入れていく。
ディアー「ええと……。確か、消し炭だったかな? がいるんだよな。んー、なんかいいのないかな?」
ディアーは厨房内を探し回る。すると、厨房の端にある壺を発見する。
ディアー「お、これ、もしかして……」
ディアーはそこからいくつか炭を拝借すると、炭床に入れる。
ディアー「誰がとっといてくれたかは知らんが、ありがたく使わせていただこう」
ディアーは火熾し用の鍋に炭を入れて火を熾す。
熾した炭を焼き台に入れて火が移るのを待つ。
ディアー「さてと、今のうちに串打ちしとくか」
吹雪が眠たそうな目でやってくる。
吹雪「……おはよう」
ディアー「おう、おはよう。珍しいな、この時間に起きてるなんて」
吹雪「……なんとなく」
ディアー「そうか。少し待っててくれ。もうちょっとで炭に火が通るから」
吹雪「……」
吹雪は厨房の焼き台を見て、静かに食堂の椅子に座る。
ディアーはあたりを見回して疑問に思ったことを問いかける。
ディアー「しかし珍しいな。普段だったらフェイとかレン嬢がきてるはずなんだが」
吹雪「昨日ずっと起きてた」
ディアー「へえ。何してたか分かるか?」
吹雪「制度の構想練ってた」
ディアー「あー、地域限定修復師についてか。本格的に導入するんだな」
吹雪は頷く。
ディアー「おっと、そろそろ炭の様子を見てくるか」
吹雪「……楽しみ」
ディアー「良い炭に良い鶏肉と来りゃ、やることは一つだよな?」
吹雪「焼き鳥」
ディアー「正解! 塩とタレどっちがいい?」
吹雪「塩」
ディアー「了解。んじゃあちょっと待っててくれ」
――本格的な炭火焼き鳥、塩の場合――
1、あらかじめ串打ちした鶏肉に酒を一吹きかける。
2、串と距離を空けて高いところから塩を振りかける。
3、焼き台に乗せて鶏肉を焼き始める。
4、焼けてきたらひっくり返し裏面を焼く。
5、側面、反対側の側面も焼いていき、均一に火を通していく。
6、必要に応じて焼く場所を変えてより均一に火を通すようにする。
7、焼き上がったら完成。
ディアー「とりあえず、もも肉焼けたぞ。ほら」
吹雪は受け取ると、少し冷ましてから口に入れる。
吹雪「……美味い」
ディアー「だろ? 炭で焼くと明らかに美味いんだよな!」
吹雪「……(コクッ)」
吹雪は深く頷く。
吹雪が食べてるときに、人影が一人。
くれは「おはよう。あら、すごく良い匂い」
ディアー「おう、おはよう。今日は焼き鳥だ」
くれははニヤリと笑いながら聞く。
くれは「お、朝から随分凝ったもの出すじゃない。タレはあるんでしょうね?」
ディアー「仕込みの時に作っといたからちゃんとあるぜ」
くれはは嬉しそうに目を輝かせ、席に着く。
くれは「流石ね。じゃあ、私にはタレで一本ちょうだい」
ディアー「はいよ!」
――本格的な炭火焼き鳥、タレの場合――
1、あらかじめ串打ちした鶏肉に酒を一吹きかける。
2、串と距離を空けて高いところから塩を片面に振りかける。
3、焼き台に乗せて鶏肉を焼き始める。
4、焼けてきたらひっくり返し裏面を焼く。
5、頻繁にひっくり返して焼きすぎず、でも火を入れていく。
6、鶏肉が丸みを帯びてきたらタレをつける。
7、焼き上がったら最後にもう一度タレをつけて完成。
ディアー「くれはには胸肉のタレだ。ほら!」
くれは「ありがとう。早速いただくわ」
くれはは息を少しフーッとかけて冷ましながら焼き鳥を頬張る。
くれは「んー! 美味しい! タレの甘辛さと塩味が絶妙ね!」
ディアー「胸肉は焼き鳥の場合、中心部まで完全に火が通る前に焼くのを止めるがコツなんよ。その方がパサつきがなくなってより美味しく食べられるんだ」
くれは「へえ、焼き方もすごいこだわってるのね」
くれはは感嘆したように頷く。
吹雪「姉さん、塩も美味い」
くれは「そう言って吹雪はタレ食べてくれないじゃない」
吹雪「塩が至高」
くれは「タレの良さを分かってないようね?」
ディアーが仲裁に入る。
ディアー「どっちも良い魅力があるのよ。塩には塩の良さ、タレにはタレの良さがある。どっちが至高かはもう好みの領域だわな」
吹雪「ディアーのおすすめのタレ、ある?」
くれは「私にはお勧めの塩を見繕ってもらいましょうか」
ディアー「任せとけ。せっかくだからこれを焼くか」
ディアーが焼き上げてる間、吹雪とくれははじっとディアーを見る。
ディアー「よし、できた。塩はかしわ、タレはぼんじりだ」
吹雪「タレ、初挑戦」
くれは「塩は私も初めてね」
二人がそれぞれ口に運ぶ。
そして、二人は顔を見合わせる。くれはは驚愕の表情を。吹雪も驚きを隠せない模様。
吹雪「タレ、美味い」
くれは「塩ってこんなに美味しいんだ」
ディアーは得意げに話す。
ディアー「好みはあるが、どれも相性の良い組み合わせで作ったからな」
吹雪「ディアー、天才」
くれは「塩が至高って言ってたの、なんとなく分かるかも」
ディアー「言ったろ? 塩には塩の、タレにはタレの良さがあるって」
吹雪「焼き鳥も奥が深い」
くれは「本当ね」
炭火に落ちた鶏の脂が香ばしく広がる食堂。
そこは、新たな発見と感動が混ざり炎のように燃え上がるのでした。
というわけで、今回はかなり本格的な炭火焼き鳥回でした。流石に自宅で再現は難しいですね。
鶏肉を串打つ時は逆台形になるように打ってます。こうすることで一口目が美味しくパンチが効くんです。
焼き鳥屋では実際にこのように作っているのかもしれませんね。今度眺めてみます。
もし自宅でやるならこんなやり方がありますので参考にどうぞ!
下準備
1、鶏肉は余分な脂や筋を取り除く。
2、もも肉は一口大、胸肉は厚さ1.5cm程度、ぼんじりはそのまま串に刺せる大きさに切る。
3、串打ちは逆台形(中央が少し太く、端が細くなる形)にすると火が均一に通りやすい。
焼き方(家庭用)
1、オーブンのグリル、魚焼きグリル、またはフライパンでもOK。
2、中火でじっくり焼くイメージ。フライパンの場合は少量のごま油をひく。
3、もも肉と胸肉は焼きすぎないように。中心部に火が通る直前で止めるとジューシーに。
4、タレは焦げやすいので、最後に絡めるようにすると甘辛で香ばしくなる。
5、塩は串に刺す前に軽くふるか、焼き上がり直前にふると香りが立つ。
ポイント
・炭火の香ばしさは ごま油+強火で短時間炙る で再現可能。
・タレ焼きは塗って焼くより、焼き上がりに絡めると焦げすぎずジューシー。
・もも肉は旨味が強く、胸肉は淡白なので塩で食べると肉の味が引き立つ。
・ぼんじりは脂が多いので焼くと香ばしさとジューシーさが最大限に出る。
盛り付け&食べ方
串のままでも、串から外して皿に並べてもOK。
タレと塩を混ぜて食べると、味の違いも楽しめる。
七味や柚子胡椒を添えると、さらに奥行きのある味わいに。




