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ラスティア群像劇外伝~宮廷料理人ディアーの奇想天外レシピ~  作者: niseimo38


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8/8

08、たまには失敗もある~急いで作った炒め物~

筆者執筆

ディアー「ん……」

ディアーが目を覚ますと、まず始めに日課である時計を見ることをする。

そこでディアーは固まった。

ディアー「……は? ちょ、え? 8時!? やばッ!? 遅刻だ!!」

ディアーは急いで身支度を整えると、これまた急いで厨房へと向かった。


連狼「おお、ディアーか。珍しいのぅ、お主が寝坊なぞ」

既に食堂に来ていた連狼が出迎える。

ディアー「すんません! 急いでなにか作ります!」

連狼「そう慌てるでない。別に無理して作らんでも良いのじゃぞ?」

ディアー「いや、そう言うわけにはいかないッス! ちょっと待っててくださいね」

ディアーは食材をチェックし、急いで準備する。


――急いで作る即席の炒め物――

1、野菜を適当な長さに切る。お肉も適当な長さに切る。

2、油をフライパンに引き野菜とお肉を炒める。

3、味付けして炒めたら完成。


ディアー「タマネギ切って……うわっ! ちょ、ふざけんな! 全部無駄になっちまったじゃねえか……。切り直しだ。フライパンをさっと洗って……と、ちょ! 水飛ぶな! やっば厨房水浸しだ」

連狼「だ、大丈夫か?」

連狼が心配そうに声をかける。

ディアー「あんま大丈夫じゃないっす。とりあえずキャベツ切って、またタマネギ切って。後は肉は羊肉があるな。それ使おう」

連狼「厨房の水は他の者に任せてもよいのだぞ。まずは料理に集中せい」

ディアー「ありがとうございます。んで、肉炒めてキャベツ炒めて、タマネギ炒めて……て順番どうだっけ? ええい! とりあえず炒めるぞ! 早さ重視だ!」

ディアーは冷静なときなら出来ている炒める順番も、今日ばかりは全く守れずにいた。

ディアーの中でもどかしさがよぎる。

ディアー「んで、味付けは醤油でいいや。とりあえず一品仕上げるぞ」


フェイがいつもより遅れてやってきた時、ディアーはまだ調理中だった。

フェイ「おはよう、レン嬢。今日はまだ食事を摂っていないようだな」

連狼「ああ。珍しくディアーが遅刻したのでな。今かなーり焦って作っておる」

フェイは驚いた様子でディアーを見て、連狼に向き直る。

フェイ「それは本当に珍しいな。宮廷料理人になってから初めてか?」

連狼は愉快そうに笑いながら答える。

連狼「今日の飯はあまり期待せん方がよいぞ。手順がバラバラなのでな。ミスも多い」

フェイ「なるほどな」


ディアー「はあぁ……。出来たっす。一応」

連狼「おう、ありがとな。どれ、いただくとしよう」

ディアーは落ち込んだ様子でそれを眺める。

連狼「……うむ。たしかにこれは、お主の想像通りだろう。味は濃いし、タマネギはまだ青さが残ってる。キャベツも芯に近い部分に火が通っていない。肉の臭みも消し切れてないのう」

ディアー「ですよね……。すんません、中途半端なもんだして」

フェイ「私も一口いただこう。……なるほどな。普段どれほど気をつかって料理してるかが分かるな」

ディアー「すんません……」

連狼「まあ悪い点ばかりではない。この醤油の焦がし具合は中々美味じゃったぞ。香りも良かった。不幸中の幸いだな」

ディアー「すんません……」

連狼「たまにはこういう日があっても良かろう。それに、お主はちと頑張りすぎじゃ。だからこれは主の命令じゃ。今日は休め」

ディアー「本当に、何から何までありがとうございます」

連狼「これからはたまには休むことも覚えるのじゃ。他の宮廷料理人もいるのだから」

ディアー「はい……」


ディアーにとって初めての大きな失敗。

それは焦がしたかのようにほろ苦い経験だったようだ。


ディアーさんもこんな失敗するんですね。というのも、私が今日似たような失敗をしまして……。

失敗した直後は落ち込んだし怒ったし、感情が揺れ動きましたが、せっかくだからこの経験を作品に昇華しようと思い立ったのが、今回のエピソードを描くきっかけですね。

完璧じゃないからこそ、普段どれだけ頑張ってるかが分かる。そんなエピソードになればと思います。

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