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日本人は働く必要が無くなりました。  作者: Katz
第1章 田舎暮らしに憧れて
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1-24. 貝殻

前話のまとめ:雅美×達成

 達成が敗色濃厚だ。克樹は声を上げた。


「しっかりして下さい!男の趣味が女の現実主義に折伏されてどうするんですか!」

「…え?あ。うむ!そうだな!!」


 克樹の叱咤を聞いて、達成はこちらに帰ってきたようだ。


「はいはい、五月蝿い御目付役は退散しますよぅ。男同士で存分に話し合って下さいな」


 雅美は秘書ロボットを連れて部屋を出て行ってしまった。


「済みません。怒らせてしまいましたか…」

「いや、アレは大丈夫だ。後で儂が声を掛けておくし、気にせんようにな。それよりもだ」


 男同士の話し合いが再開される。


 ☆ ☆ ☆


 蜆や烏貝の加工場が湖畔にある。

 貝殻については達成から声を掛けてもらう。

 ドラム缶などは克樹の方で適当な物を購入。

 達成と一緒に、貝殻を焼く為に工作する。


 ドラム缶はタリ山ではなくてあし家の庭に置き、ここで貝殻を焼く事にする。

 1,000℃まで温度を上げる為に空気を流すので、火の粉が飛ぶ可能性がある。

 山火事が少々心配なので山の中は避けたいという判断だ。


 世話になってばかりで申し訳無いと克樹が謝ると、こんなに面白そうな工作で儂を除け者にするのかと達成に怒られた。


 燃料には、タリ山の杉を枝打ちして、その枝や葉を使う事にする。

 隣村に木材加工場があり、そこで杉の人工乾燥もやっているらしい。

 燃料用に乾燥させたいと言って持ち込めば、しっかり乾燥させてくれるようだ。

 量が足りないようなら、形の悪い杉を数本選んで伐り倒す事にする。


 こうして焼いて出来る物は生石灰だ。そのままだと水で猛烈に発熱する。

 これをタリ山の中で広げて、湿気を吸わせて消石灰にする。


 三和土の材料は土と石灰と苦汁にがりだが、その配合率は土の性質によって変わる。

 実際に作ってみなければわからない。

 土としてはタリ山の他、日足家の田圃から粘土を掘り出して、それも試してみる事にした。

 但し固まるのに1ヶ月近くかかるので、材料を揃えてから1ヶ月位は配合率の調査に費やす事になる。


 三和土を使うのは露天風呂だけでなく、丸太小屋や渡り廊下の床下の地面も三和土で覆う事にする。

 地面を固める事で雑草や白蟻被害の抑制を狙う。

 これをコンクリートでやったら興醒めだが、三和土を使うなら話の種だろう。


 丸太小屋の基礎は、栗の木で杭基礎のような形にしようと考えている。

 タリ山から伐り出した杉を使いたい所ではあるが、材木で杭基礎にするならやはり栗だろう。

 栗は腐朽にも白蟻にも強くて非常に長く保つ。


 杭に使う栗の木は防腐処理するが、更に、杭の周囲に石灰を撒いて防腐剤代わりにしようと思う。

 何十年も保つとは思わないが、気休めにはなるだろう。


「三和土は、しっかり叩いて締めるんだな?」

「はい。転圧機を使う事になると思います」

「どうだ、そこも少し悪戯してみんか?」


 先日説明したが、村には武術家が住んでいる。

 彼等に声を掛けたらどうか。

 何かの技を利用できるようなら、ネタとして盛り上がるかも知れない。

 生涯を懸けて磨いている技を土木工事に使って、あまつさえ見世物のように利用したいと持ち掛けたら、普通は嫌がられるだろう。

 しかしその人達なら面白がってくれるに違いないと達成は言う。


 とにかく話をしてみる事になった。


 ☆ ☆ ☆


「村長さん今日は。本家の御曹司も御一緒ですね。先日は美味しいお酒を御馳走様でした。明道流毛利派師範の毛利(とら)と申します。昨年古稀を迎えました」

「弟子の眉村真澄です。25歳になります」

「同じく弟子の山口千尋です。23歳です」


 御曹司は止めて下さい、などと言う言葉は吹き飛んだ。3人の自己紹介を聞いて克樹は凍り付いた。その様子を見て皆はニヤニヤしている。



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