表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日本人は働く必要が無くなりました。  作者: Katz
第1章 田舎暮らしに憧れて
12/32

1-9. 相談

前話のまとめ:克樹は自分が鈍いという自覚がありました。

 克樹は再びあし家を訪れた。あの山をどうするのか、今回は少し突っ込んだ話をする。


 克樹が以前、周囲をざっと見た所では、山はほとんど杉林に覆われていた。

 達成の話では、実際、山には無花粉杉が植えられている。樹齢は100年弱。

 林業ロボットを入れて、定期的に手入れをしている。

 克樹としてはこれを皆伐し、新しく植える木は落葉広葉樹を中心として、雑木林にしたい。

 そして山の中腹辺りに家を建てて、その周囲に庭を作る。


 克樹の構想はこうだ。


 まずは近くの町に住む。

 最初は山の木を使って丸太小屋を作りたい。

 小屋が完成したら引っ越す。

 秋になったら本格的に伐採。

 半年近く葉枯らしして、来年春くらいに出荷。

 同時に切り株や根を掘り出して、こちらは林業廃棄物として合成石油の原料用に出荷する。


 そして地均しして、雑木林を目指して植林する。

 同時に、丸太小屋の隣に本格的な家を建てる。

 こちらは木造には拘っていない。普通の鉄筋コンクリート造にする。

 落成したら引っ越して、丸太小屋の方は客間に転用する。

 その後はゆっくりと庭を整備していく。


 日足夫妻に了承を貰い、ここからは相談だ。


「ちょっとお伺いしたいのですが、水の事ですが」

「うむ。田圃の真ん中だし、湖のすぐそばだから、ちょっと掘ればすぐに水が湧くぞ。山の上からだと多少深くなるかも知れんが、なに、高が知れとるだろう。マグネシウム電池でポンプを動かせばいい」

「それは有難いです!井戸水ですか、いいですねぇ」

「井戸水も百年前は廃水だの何だので汚れてて飲めたもんじゃなかったがな。何十年か前からは湖も綺麗になってな、今は井戸水も直接飲めるようになった。そうそう、一応、ピロリ菌には気を付けてな」

「ピロリ菌ですか… 注意しておきます。ええと、庭には池を作りたいので、24時間汲み上げるようになると思うのですが、まずいでしょうか?」

「ほう、池か。大きな工場で毎日使うと言うなら考えるが、山の中の池なら大した水量じゃなかろう。地滑りを起こすほど大きな池では困るが、そうでなければ別に構わんよ」


 上水の目途は立った。次は下水だ。


「下水の方はどうしたら良いでしょう。山の中に埋める事も考えたのですが、洗剤だの何だのありますし、燐酸回収義務もあるんですよね」

「ほう、燐酸回収義務なんか良く知っとるな。町で普通に暮らしとったらまず意識しないんだがなぁ。そうだな、浄化槽を埋めた方がいいだろう。ここいらでは皆そうしとる。年に1度くらい清掃ロボットが回っとるから、克樹君の家も回るように手配しよう」


 必要な手配までしてくれると言う。前回来た時には村人の心配までしていたし、克樹はちょっと聞いてみた。


「あの、手配していただけるのは嬉しいですが… 日足さんはもしかして、偉い方ですか?」

「はっはっは!いや別に、大して偉い訳じゃないぞ」

「そうよぅ、村長なんて御立派な肩書が付いちゃったけど、まぁ、体の良い雑用係よねぇ」

 薄々感じた通りだ。村長だったらしい。


 今度は雅美から質問があった。


「こないだから気になっていたのだけど、ももたりさとという名前に心当たりはあるかしら?」

「聖美でしたら僕の曾祖母です。そう言えば旧姓はももたりだったようです。この辺りの出身らしいのですが、もしかして」

「そうか!君は聖美ちゃんの曾孫さんか!本当かい?そう言えば目元が良く似とるな!いやいやいやいや、すごい偶然だなぁ!うんうん、そうかそうかぁ!」


 達成がものすごい勢いで食い付いてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ