ー33ー
その夜、ユウタ逹は二階の部屋で寝ていた。
もう一つの部屋は女子が使っている。
タイチとシノは一階で見張りをしている。
全員寝るのは危ないから交代で見張りをつけよう、とサキトが提案したのだ。
「タイチさん、起きてください」
シノはそう言ってタイチの肩をさすった。
しかし、タイチは寝息を立てて寝てしまっている。
フゥとシノはため息をついた。
手には明かりを付けた懐中電灯。
部屋の電気を付けるのは危険だとサキトが判断して懐中電灯にしたのだ。
だが、やはり懐中電灯の光だけでは心細かった。
シノは今での事を振り返ってみた。
ルカが死に、ヨウスケが死に、コウタって人も死んだ。
人しか死んでない。
シノは頭を振った。
私は生きている。
死んだ人の事を考える必要は無い。
こっちまで頭が変になりそうだ。
腕時計を見る。
12時30分。
後、30分で交代だ。
首を左に倒すとコキコキと骨が鳴った。
ソファーに腰を下ろした。
隣ではタイチが寝ている。
その時、キュルキュルと何かが擦れる音が聞こえた。
音がした方を見る。
出入り口の扉のドアノブがゆっくりと回っていた。
「……!!」
シノは飛び上がった。
大丈夫、鍵は閉まっている。
シノは自分に言い聞かした。
ドンドンと扉が叩かれる。
しばらくすると音が止んだ。
シノは壁際にヨロヨロと後ろ向きに進んで壁に背をつけへたりこんだ。
あれだけで、物凄く体力と気力を消耗した。
すると、へたりこんだシノの頭上の窓がドンッと思いっきり叩かれた。
「キャャャ!!!」
シノは悲鳴を上げた。




