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 謎の兄弟二人を文字通りぶっ潰してしまった俺。

 賞金首とか言ってたわりに全然歯ごたえなかったな……そろそろ本気のバトルをしてみたい……。


「て、テメェ……何もんだ?」


 目の前の人物から渋い声が漏れていた。

 ボスらしき男の俺を見る目が明らかに変わっていた。

 驚きを含んだものになっている気がする。


「はぁ、どいつもこいつも散々イキりやがって。実力差を分からされたらこれだよ。目の前の相手が自分を上回ってる可能性だって十分にあるだろうに、考えられないのか?」


 シンプルな疑問を投げかけた。


「くっ、聞いてねぇ、聞いてねぇぞ! なんだお前は! 冒険者かなにかか? いや、そんなふうにも見えねぇ。なぜ俺達の邪魔をしてくる! テメェには関係ねぇことだろうが!」


「確かに元はと言えば関係ないかもしれないな。でも俺はお前たちを力試しの標的にした。理由なんてそれだけで十分だろ」




 がし。




 俺は男に急接近し、足をがっちり掴んだ。


「な!? いつの間に――」


 もういい、めんどいから終わらせる。


「おりゃああああ!!」


 俺は男の足を掴んだままぶん回した。

 ジャイアントスイングで嵐を巻き起こす。



「おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!」



 俺は男を大回転させた。

 近くにいた男の仲間を始めとして、女の子、家屋、全てを巻き込み破壊していく。


 男は意外と頑丈で血まみれにこそなれ原型を留めていたので、いい感じに道具として使えた。

 まぁそろそろ持たずに分裂しちゃいそうだけど。


 俺はすごい速さで村を破壊していき、



「ファイヤあああああああああああああああああ!!」



 最後にハンマー投げの要領で大男をいずこかへ解き放った。


 キラーン……


 ふぅ、マジでスッキリ。流石にいい汗かいたわ。


 これにて、


 一  件  落  着  !!









「はぁ、ホントに歯ごたえゼロだったぜ。これじゃ俺がホントに強いのかどうか分かりやしない」


 俺は荒れ地となった村を眺めながら、呆れてしまっていた。


「もっと強い敵を探さないと駄目だ。未だ魔法も使えないし、何かヒントがあればいいんだけど……街とかもっと人がひしめいてる所にいかないとなのかなぁ」


 街なら強いやつの一人や二人いるだろう。

 なんだったらその土地を治める権力者とかに殴り込んで無理やり猛者を引っ張り出してくればいい。

 おう、それいいアイデアかも! あー、でもその場合指名手配とかされて生きづらくなっちゃうかなぁ。でも寝床とかも欲しいし街にはどの道行きたいかも……




 ひひいいいん。



 遠くの方で馬のいななきのような音が聞こえた気がした。


 そちらの方を見てみれば、一台の馬車が止まっていた。

 一人の御者が二匹の馬を操っている。

 やっぱり馬だった!


 少し様子を見てみると、馬車の中から人が二人ほど飛び出してきた。


「な、なんだこれは……」


「人が倒れてるぞ!」


 その人物たちは普通の服装だった。

 普通というと分かりづらいかもしれないが、まぁモブっぽい服装だ。


 男の一人が倒れていた村人を抱え、揺すっている。


「……もう」


 男はそれだけ呟いた。

 その顔は悲痛さに歪んでいるように思えた。

 まぁ死んでますわな。


 というかこっちに全然気づかないんですけど。ってもしかしてあれか、俺の視力って身体能力の向上とともに強化されてるのか。思えば凄く遠くのものまで明瞭に見える気がする。


 でもどうしよう、たまたま人が通りかかっちゃったな。

 俺がやったとバレたらマズいし、さっさと逃げるか?


「いや、待てよ。これってチャンスなんじゃないか? 俺は街に行きたい。でもその場所が分からない。わからないなら……聞けばいいんだ!」


 俺は超速力で今来た男たちの方に向かった。



「やぁ! こんにちは!」


 ぶおおおおおおおん。


 俺が立ち止まった衝撃で強風が吹いた。



「うお! 誰だ!?」


「何だ君は……生き残りか?」


 男たちが尋ねてくる。

 いつの間にか数は四人になっていた。

 中にいた人が全員出てきたのかな。


「いきなりで申し訳ないんですけど、俺街に行きたいんですけど連れて行ってくれませんか?」


「え、えーっと……この村の生き残り、かな?」


「いやエイト、ちょっと待て……こいつ血に濡れてるぞ」


「た、たしかにその血は……」


 え? 何をそんなに俺の事見てるの? もしかしてイケメン過ぎて惚れた? 元の世界では自称フツメンで通してたけど、この世界では価値観も違うのかな?


「君、この状況について詳しく教えてくれないか? 君がどういった人物なのかというのも話してくれると助かる」


「え? 俺について?」


「ああ。正直我々は君を疑ってしまっている。君のようなか弱そうな少年が何かできるとも思わないが……この状況だ。警戒せざるを得ない」


 男たちの俺を見る目が疑いのものに変わっていることに気づいた。

 えー、なんかマズイことしたかなぁ? って、ああああああ! 俺の服思いっきり赤く染まってるじゃん! 最悪だ、そのへんの隠蔽を考えてなかった。くそ、あの糞盗賊どもめ、お前らのせいで俺が疑われちまってるじゃねぇか!


「そ、そんなに怪しいですかね。あはははは。あはははははははははっはっはっは!!」


 とにかく笑え、笑うんだ俺。

 笑えばすべて有耶無耶になるって、どこかの誰かが言ってた気がする。もうここは笑って乗り切るしかないよ!


「な、なんだコイツ……」


「イカれてやがる……」


「だ、大丈夫か、おかしくなってるんじゃないか」


 口々に声を上げる男たち。

 あれ? 思ったよりこの作戦刺さってない?


「はははははは。…………はぁ」


 俺は突如真顔になった。

 もういいや、通じないなら誤魔化したってしょうがない。うん、さよなら。



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