↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/12

7・赤羅組

体育館から場所が変わって団地となったがやる事は変わらない。

神の奇跡を、変人の魔法を求めて女性が次々と俺が住んでる小屋にやってくる。

家から移動する工程が省けた分、今の方が楽で良い。


俺の住む小屋、その寝室の大きな窓を開けて奇跡の利用者を迎えて俺に乗る。


…変人の指示でちょっと変更点が出た。

俺はオレンジ色のてるてる坊主スタイルの格好は変わらないが大きなベッドに大の字で寝たままで女性が俺の上に乗るようになった。


もちろん、俺に触れていれば魔法は効く。

それはクラスメイトで実証済みなのだが、変人は女性に乗れと指示を出すし、俺は口を挟む気力がない。

その為、女性達は変人に言われるがまま俺に乗るようになった。

………乗り方は色々あったが。


俺に触れている面積が広ければ広いほど魔法の効き目が良いと考えているのか、俺の上に寝転ぶ者が多い。

なかには顔を赤らめて恐る恐る俺の股間の上に座る者もいて変人が大興奮していた。


俺はベッドの上で何もしないからといって眠る訳にもいかず、面倒な事は早く終われと考えていた。

………世の男はこんな時は変人のように興奮するものらしいが俺はそういった欲が分からない。

これが変人が言っていた精神誘導のせいか、俺の本来の性質なのか、それとも両方なのか。

暇つぶしに考えてみたが億劫になって止めた。

思考停止が一番、楽だった。


ちなみに変人は俺の頭上に座り、足で俺の顔を挟むように伸ばしている。

一応、神と扱っている相手に足で挟むのは良いのかと考えたが変人相手に信心なんて最初から期待しておらず、どうでもよくなった。


そんな形で俺は大半はベッドの上で生活してる。

食事もベッドの上だ。

団地に来た初日からオレンジの服を来た小学生ぐらいの子供達がご飯を持って俺の小屋にやってくる。

それ以外にも風呂の準備や団地の掃除などやってくれているらしい。

俺は把握していないが既に団地に何十人か生活しているようだ。

俺は団地内で会ったと言えば奇跡を求める女性かこの前の男達しか知らないのだが。

未成年の労働なんて色々な所が騒ぎ出しそうだ。


変人に聞けば近所に有ったいくつかの孤児院を取り込んで子供を団地に住まわしているらしい。

洗脳は幼い子供からの方が良いと当人の前で堂々と言う変人に対して俺はそうか、としか言えなかった。


一応、食事を運ぶ子に団地での生活はきつくないかと聞いたが、むしろ孤児院に居た頃より贅沢させてもらってると平然と言われた。

今時の小学生とはこんなにも大人びたものだったか?

つい妹が小学生だった頃と比較したがこれは個人差の範囲なのだろうか。


食事を持ってくる度に変人に言われるがまま頭を撫でて褒めているが、変人がブツブツと呪文を唱えていたからなにかしら魔法をかけている事だけは分かっている。


………まさか洗脳の魔法じゃあるまいな?


「兄弟!

 今日は出かけるぞ!」


「…どこにだ?」


団地に来てから1週間、本日の神様営業が終わり子供の持ってきた特大爆弾おにぎりを食べ終わると変人が突然、叫んだから俺は口の中のモノを飲み込み聞き返した。


「俺達を狙っていたヤクザが想定以上の大物でな!

 トドメを刺しにいくぞ!」


「そうか」


確か、ヤクザの下っ端の一人を異国の少女に変えて、それから放置していたのだが…

既にヤクザに対して攻撃していたのか。

…一人でか?

組織相手に単独で潰せると変人は考えていたのだろうか。

魔法の存在がなければ笑い話で終わるのだがな。


ただ、俺が行った所でなんの戦力にもならない。

図体はデカいが生まれてこのかた、身内とすら喧嘩した事のない木偶の坊だぞ?

…まぁ、俺の暴力よりも俺を通して魔法を使う魂胆なのだろう。

それなら納得だ。

いざ、犯罪集団に廃人電波をお見舞いしよう。

するのは変人だがな。


久しぶりに小屋の外に出てくるとまだまだ外は明るかった。

見知ったトラックに乗って数時間、空は夕焼けを過ぎて月が綺麗に見える頃に着いた。


テレビでしか見たことない、高い壁に囲まれた屋敷に着いた。

周囲を威圧させるような龍が描かれた大きな門扉には表札らしき場所に赤羅組とあった。


この先、銃や刃物で襲ってくるヤクザがいると思うとトラックから降りるのにも勇気がいる。


「行くぞ、兄弟!

 突撃だ!」


俺が深呼吸して落ち着こうとしたら変人は友人の家にでも入るかのように気軽に入っていった為、追いかけざるを得ない。

俺はノソノソとトラックから降りて頭を下げて門を通った。

…行きたくない。


先導するように進む変人を追いかけるが屋敷に居るはずのヤクザに誰一人と会わない。

もしかしてどこかに出かけているのかと思った。


明かりが透けて障子が見えた。

変人がその障子を勢いよく開けると生臭さを感じた。


そこでは…乱交が行われていた。

畳の大部屋で少ない男を取り合うように少女達が群がっていた。

よく見たら少女達は皆、同じ見た目をしていた。

金髪に青白い肌の異国の少女達…というか、団地で男から少女に変えた姿だ。


「増殖…してる?」


「おぉ!

 大漁、大漁!」


変人は嬉しそうに部屋に入っていく。

…俺は今後、変人が魔法を使う時はせめて効果を確認してからと決めた。

面倒だからと放置してたら、世の中が目の前の光景のように乱れ始めたら俺は罪悪感が酷そうだ。

とりあえず、あの男にどんな魔法が使われたのか確認しよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。