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  作者: りょう
19/26

互いの過去を知る時 2

俺は弁護士さんに話し出した



ごくごく普通の家庭に産まれる


一般的に見て

ごくごく普通の両親で普通に愛情を受けて

普通に出掛けて普通に暮らし普通の生活を送る

小説にもならない、まじ面白みもない、ごく普通の平凡な家族に映る家族


ただ家庭内では少々違っていた


ごくごく普通の家庭なのに

この両親は躾けが、とにかく厳しいのだ

特に母親は潔癖症なのか何なのか異常な位に厳しいと言うか

細かすぎるのだ

神経質なのか完璧主義者なのか

子供ながらに理解に苦しむ程の人だった


逆らえば3倍~5倍に帰ってくる文句

躾けと称しての母のルールの押し付けだ


気が付けば俺は傍から見たら普通に、ちゃんと挨拶もするし

真面目な大人しい子に見えていた


しかし俺自身は少しづつ、そんな環境で屈折していく

自分の想いを言えない

自分の本心を言えない

自分の、もんもんとした感情も押し殺す

しまいにはチック症状も出だす

どもりにもなる

人の顔色ばかり見て自分を出せない


何故なら本当の自分を出すと両親は厳しく叱り押し付けるからだ


親は言う

「そんなんじゃ、ちゃんとした大人になれない」

「そんなんだからダメなのよ」

「あんたは、お姉ちゃんと比べて成績も悪いんだから、もっと頑張りなさい」とか

いちいち姉と比べては出来の悪い子だと言い聞かす


あげくには親の言う事聞いてたら間違いないとか

言う事聞いてたら将来役に立つとか言う


俺は思う、今が無いのに将来なんてあるのか?と思うが

親にも逆らえない


いつしか友達から虐めにも合うが親は気が付かない

虐めてる子に

「この子ほんとに、ぼーっとしてるから宜しくね面倒見てあげてね」

なんて言いやがる

そんなもんだから益々虐められる

(お前の方がぼーっとしてるやろ!と思うが言えない)


親の言う事ひたすら聞いて今迄いい事なんか一つもなかったと思いながら大人になる


大人になったら

親から押さえつけられて感情を上手く出せない言葉も上手く表現出来ない俺は

傍からは変わった根暗な奴と思われ避けられる

友達も出来ない

もちろん子供の頃から、そんな感じに見られてるもんだから

友達など一人もいなかった


家族からも、周りからも俺は変わり者の変人扱いとされる


そんなだから働いても長続きも出来ない

親も姉も俺を見下していく


姉は有名な会社にも入り結婚し家族が増える

俺は相変わらづ者だが家を出る事にした


自立すれば少しは変われる気がしたからだ


しかし現実は違った


自立して初めて知る、他の家族と違う俺の家族

普通の家族なら家族の中に誰かしら助け舟を出してくれる者がいたり

子供を褒めたり認めたり

子供の話を聞いたり言い分を受け止めたり


俺の家には全てなかった

母が俺に怒ると父も一緒になって怒る

あげくには両親と価値観の同じ姉も便乗して俺が悪いと言う


いつしか俺が、まともになれず

友達もいなく孤独で仕事も上手く行かない

何をしても上手く行かないのは

俺の家族のせいだと思い始める


そんな中、姉はどんどん幸せになって行く

子供も順調に育つ

親に似て頭も運動も出来る自慢の子だ

まだ小学校の低学年だが


この頃から俺のイライラは募り実家に行くと

喧嘩ばかりするようになる


次第に姉を妬み親を憎む

いつしかみんな憎み殺意を抱き出しもんもんとしていた


そんな頃、甥っ子の学校の発表会で実家に皆が集まった

酒好きの家族

行事がある時は、みんな酔いつぶれる位まで飲むのだ


少しお酒が回った頃に姉が

「信雄は、ほんまに子供の頃から、な~んも取り得なかったな~

大人になっても変わらんし、しゃあないなぁ~

この子に悪いもん、うつさんどいてや~」と笑いやがった


俺の一番、言われたくない部分を笑いながら

俺の心臓をえぐられた感じがした


誰にも言ってなかったが

俺は子供の頃の後遺症的なもので寝れない事が多いので

病院から処方されていた睡眠薬を持っていた

それを砕いて酒に入れ酔っぱらった皆のお酒に足していく


酒だけでも酔いつぶれるが益々酔いが回り少しして皆が崩れるように寝込んだ


俺は、この時期まだ灯油が庭先にあるのを知っていたので

倒れ込んで寝ている両親、姉、姉の旦那の体に灯油を掛けまくる


かなりの量で部屋中は嫌な臭いに包まれた時

後ろから視線を感じた

姉の子がいてたのだ


どうせ一人生き残っても

生き残る方が辛いだろうからと思い


俺は寝ぼけ眼をこすりながら立っていた甥の首に両手を回した

「ぅぅ~おにぃ~」「ぅぅ~」

苦しそうな顔と声

必死に無意識に俺の方に手を伸ばしかけて

手が落ちる


手を離すと体も落ちた


あっけなかった


マッチに火を付け投げ入れた


逃げる瞬間


あの少年の目が見開いていて俺を見続けていた


外に出た瞬間


家は真っ赤に染まった










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