第5話~水平線上の攻防~
海を走行する船
その中に四人は乗っていた
レイ「で、何のようですか?リリスさん。」
船の先端の方で空を見ながら話している
リリス「君に聞きたいことがあってね。」
レイ「聞きたいこと?僕にですか?」
レイには心当たりがないようだ
リリス「あぁ、そうだ。君についてだ。」
レイ「僕について?」
レイは疑問そうだ
リリスなら、他の誰よりも僕については詳しいはずなのに
リリス「あぁ、正確に言えば、君の命の根源ともいえる宝珠についてだがね。」
その言葉に対して
レイ「あなたもエリクシルに興味があるんですか?」
リリス「あぁ、もちろん興味はあるさ。持っていれば――――」
レイ「そんな安易なものではありませんよ。これは―――」
作られた命と生まれた命
二つの鼓動が共鳴する
リリス「でも、私には必要はない。必要なのは、君自身だからね。」
不気味に微笑む
妖しい輝きで
レイ「僕は、誰のものにもなるつもりは有りませんよ。」
レイにも妖しい光が宿っている
リリス「これ以上は、話しても無駄のようね。」
レイ「えぇ、無駄ですよ。僕達は生きていますから。」
リリス「そうね。」
振り返り歩き出す
途中で止まり
リリス「でも、死んだら考えておいて。」
リリスが少しやさしい微笑を浮かべる
蒼真には見せない笑みを
レイ「えぇ、そのときはお任せしますよ。リリスさん。」
レイもやさしい笑みを浮かべる
アキには見せたことがないような笑みを。
アキ達の寝室
アキ「(欠伸)ふぁ~~~、眠い・・・」
ベッドで転がりながら眠りにつきそうになっている
ふと扉が開く
リリス「あら、お子様はもう寝ちゃうのかい?」
大人びた雰囲気でアキに問い掛ける
アキ「うみゅ~、まだ、寝てないよ~だ。」
飛び起きるが、その反動で頭をぶつける
アキ「はぅ~。」
頭を抑えて悶える
リリス「まったく、本当に子供なんだね~、ちみは。」
リリスがアキの頭に手を添える
手からは淡い光があふれて
アキの痛みを和らげて行く
アキ「リリスさんって、意外にやさしくて温かいんですね。」
リリス「そんなわけないだろう。(照)」
リリスが照れ笑いを浮かべている
それを見せないようにかくしているようにも見えるが
アキの視界を手でふさぐように覆っている
アキ「でも、レイは渡さないからね!」
何かを勘違いしているようだ
さっきの場にでも居合わせていたのだろうか?
リリス「大丈夫だ。私は、レイには興味はない。」
言葉を投げかけると、アキの治療が終わったようだ
そのときには、いつものリリスの表情に戻っている
アキ「それじゃぁ、私は、ちょっと遊びにいってきますね。」
立ち上がり、お辞儀をすると
部屋を出て行く
リリス「(M)さすがに、燐翅種だけはあるな。危険を事前に察知したか。」
リリスが部屋の窓から、外を見ている
甲板
夜風が涼しく流れている
空には、満月が昇っている
きれいな黄色い満月が。
紅羽「どうしました?寝られないのですか?」
紅羽がレイに近寄りながら話し掛ける
レイは振り向きもせずに
レイ「まぁ~な。ここに来てからはずっとだ。」
自分の手のひらを見ている
まるで、何かにおびえているように
紅羽「僕でよければ、話し相手にはなりますよ。」
紅羽がレイの隣につく
レイ「少し心配なだけだ。」
レイが心配そうに空を見つめる
紅羽「・・・アキさんのことですか?」
思い当たった人名を挙げる
レイ「あぁ、それと・・・・」
今度は自分の手のひらをもう一度見ている
言葉が区切れたことに紅羽がなぞに思い
紅羽「それと?」
聞きなおす
だが、レイはそれには答えず
レイ「いや、なんでもないよ。なんでもないさ。」
さきほどよりも神妙な顔つきに変わっている
だが、紅羽はこれ以上は深入りしないために話題を変える
紅羽「ほんと、レイさんって、アキさんのことが好きなんですね。」
レイ「好き・・・か。最近思うんだ。時間の流れって一定じゃないなって。」
レイがやわらかい顔つきになる
紅羽「そうですね。時間の流れって一定じゃありませんよね。」
紅羽も同意の意味を示す
レイ「あいつと出会うまでは、月日が永遠のように感じたのに、いまは、早送りで過ぎていくんだ。だから、僕はアキを守りたいとも思う。」
紅羽が軽く笑いながら
紅羽「くすっ、それを好きっていうんですよ。レイさん。」
言っている本人の紅羽が少し照れている
レイは相変わらず、自分の手のひらを見つめている
レイ「そうかもな・・・」
レイがあいまいな返事で濁す
紅羽「えぇ、だから、守らなきゃいけないんですよ。何があってもね。」
紅羽が手を前に差し出す
すると、杖状剣を取り出して構える
それとほぼ、同時にレイもマントを広げる
レイ「あぁ、だから、守りたいんだ、きっと!」
二人の放つ力が、あたりに結界を生み出していく
そして、包み込んでいく
フラミング「ようやく見つけましたよ。」
あたりに炎の刃を飛ばしながら
姿をあらわす
レイ「そんなにいとおしいのか?僕たちが!」
その言葉と同時に敵の攻撃を完全打ち消す
紅羽「(M)これが、レイさんの力!?」
紅羽は武器を構えてはいるが、身動き一つしない
カプリシアス「私もいるのですよ。」
レイの打消しの合間を縫って、疾風が向かってくる
その疾風が、来る前に
紅羽「僕もいるんですよ。」
杖状剣で疾風を切り裂く
フラット「なるほど、なかなかの力を持つ仲間がいるのですね。」
天上から雷鳴が響き渡る
雷は今にも落ちそうだ
紅羽「レイさん、僕が、こいつを抑えます。」
紅羽がカプリシアスの法を向いている
レイ「あぁ、任せた。残りの二人は・・・・」
いつのまにか、天上の満月が赤い光を帯びている
それとともにレイの瞳が真紅に変わっている
フラット「(M)なるほど、今日は満月。あの方の侵食が強くなってもおかしくはない。」
レイのマントが血に変わり、
あたりに浸透する
フラミング「きさま、捕獲する!」
フラミングがレイに向かっていく
炎の翼をまとって
裏レイ「ふっ、この俺を倒すには、貴様では役不足だ!」
手を自分の前で輪状にする
そして、地面に手を置く
赤い光が陣を構成して
そこから、無数の突起が現れる
フラミング「それは、俺様のせりふだ!」
突起すべてが焼き尽くされる
裏レイ「かかったな!」
突起の破壊と同時に別な布陣が浮かび上がり
フラミングを拘束する
フラミング「この程度で、かったつもりか?」
その布陣すらも炎が焼き尽くす
高温の炎があたりにも損害を与えていく
裏レイ「この程度で、終わってもらっては面白みがない。」
地面に浸透したマントを自分の手に戻す
そして、再び身に付ける
フラミング「いえ、おしまいですよ。君の力は俺の中にある。」
レイが炎の牢獄にとらわれる
レイは脱出の術がないようだ
裏レイ「くっ、この炎は・・・」
レイの力では破れそうもない炎
フラミング「そして、少し傷ついてもらうよ。」
牢獄がちぢんでいき
最後は大爆発が起きる
裏レイ「くっ・・・」
そのまま倒れる
フラット「よくやりました。フラミング。」
フラットがレイを捕獲する
だが、閃光とともにだいばくはつがおきる
甲板2
疾風を飛ばすカプリシアスと
それを切り裂いている紅羽
紅羽「(M)氷柱が刺さっているところ、それがあなたの回避不能の死角です。」
すべてを切り裂き
てきにも攻撃をヒットさせている
カプリシアス「普通の人間でこんな力を持つものがいるとは、初めてですよ。」
疾風が突風に変わる
それと同時に紅羽の視界から、
氷柱が消える
紅羽「氷柱が・・・」
カプリシアス「えぇ、あなたの氷の世界の特性はつかませてもらいました。」
まるで、能力の発動が無意味にされた
紅羽「えぇ、これでは、氷の世界の意味はありません。でも・・・」
杖状剣で、敵を攻撃する
杖状剣にはあおい光が宿っている
カプリシアス「くっ・・・」
交わすものの杖状剣の範囲ではないところでも
きりつけられる
カプリシアスの体の一部が凍りつく
紅羽「氷の世界は、ひとつじゃありませんよ。」
杖状剣の周りの空気が綺麗な氷の粒子へと変わっていく
きらきらと綺麗に舞い散る氷の粒
カプリシアス「何をしようとも無駄ですよ。」
空気の渦にて、
氷の粒を吹き飛ばす
紅羽「いきます。絶対零度の世界。」
紅羽の周りが綺麗になっていく
包まれた空間がすべてを切り裂いていく
カプリシアス「くすっ、無駄ですよ。今のわれわれには、その程度の攻撃は無力です。」
カプリシアスが集中しただけで、
その技が無力化されていく
紅羽「すさまじい力・・・」
カプリシアス「いきますよ。絶大なる力!“ヘル&レス”」
閃光とともにはじける爆音
すべてを砕き去る力
紅羽の技ごと
結界ごと砕き去っていく
紅羽「ぐっ!?」
ひざをつき倒れる
かなりのダメージのようだ
そこに赤と蒼の光が来る
フラミング「おい!そんなやつにいつまでかけているつもりだ?」
フラットは、レイを抱えている
カプリシアス「意外にあっけなかったな。」
カプリシアスの問いかけに
フラット「あぁ、これも剣舞のおかげだ。やつが出てきたおかげで、楽にことが運んだ。」
紅羽は最後の力で技を放とうとするが、まるで、体が動かないようだ
意識も薄れていく
紅羽「(M)くっ・・・レイさんが・・・」
カプリシアス「では、いきましょうか?」
フラミング「とどめをささないのか?」
カプリシアス「この程度のやつなら、手を下すまでもない。」
カプリシアスが上空に手を上げる
そこから、妖魔が生まれ、降り立ってくる
疾風の羽を宿した妖魔が
フラット「では、いきましょう。」
言葉とともに三人が消えていく
残されたのは、傷つき倒れた紅羽と
カプリシアスの生み出した妖魔だけだ
紅羽「(M)僕のせいで、レイさんが――――」
紅羽の周りに先ほどまでとは違う気があふれる
失意の念が、闇を呼び込んでいく
その闇が妖魔を強大にしていく
妖魔「ぎぃー!?」
妖魔の攻撃が船を破壊していく
紅羽は、そのダメージとレイがさらわれたことに対しての念で、
力を使えずに、立つこともままならずにいる
紅羽「(M)レイさん・・・」
紅羽を無視して、
光の線が敵に攻撃をする
アキ「大丈夫?」
紅羽「アキさん・・・」
アキが敵の攻撃を防ぎながら、
紅羽の治癒をする
紅羽の傷は次々に再生を初めて回復していく
アキ「あんまり世話焼かせないでくださいよ。」
第7源素による治癒
他の源素を使うよりも確実に早く回復ができる
紅羽「僕なんかよりもレイさんを・・・」
レイを追うことを進めるが、
アキ「大丈夫。」
紅羽の傷が完治していく
敵の攻撃はまるで、通らない
妖魔「ぎぃー」
敵の攻撃ははじかれる
アキのはる盾がすべての攻撃をはじいている
紅羽「でも奴らは・・・」
敵の強さを知っているので不安そうにしているが
アキは全然平気そうに
アキ「大丈夫、いまは、奴らを倒すことだけを考えましょう。レイのことは、その後です。」
目の前の敵にのみ神経をとがらせる
無数の敵が二人を攻撃しようとねらっている
妖魔「ギィー!!」
声とともに一斉に襲いかかってくる
アキは、瞬間的に盾をとき
アキ「遅いよ。」
アキが妖魔の後ろに移動する
その移動したところが、疾風が起きたかのように敵が切り裂かれている
妖魔「ぎぎっ!」
残っている妖魔がアキに襲いかかる
だが、妖魔の中から赤い物が吹き出し
それが、花のような形になり、妖魔を破壊する
アキ「今のが、“吼号穿・時流”。第7源素とアブソリュートを入りまじた技です。」
アキの髪が落ちる
中から銀髪が光を宿して現れる
紅羽「えっ?」
アキだと思っていた物が、今ではレイに見える
レイ「悪いな。あれは、ダミーだ。」
妖魔が完全に消滅していく
それと共に辺りの崩壊した場所が直っていく
紅羽「レイさん・・・・・よかった・・・」
紅羽が泣き出す
レイ「そんな簡単に僕が捕まると思っているのですか?」
服装が元に戻っていく
それと共に光が失せていく
紅羽「だってぇ~。」
レイ「アキはわかっていたみたいですよ。だから、飛び出してきませんでしたし。」
その言葉を聞くと、
船の中からアキが現れる
アキ「紅羽君も実はバカなんだね~w」
紅羽「うぅ~、でも、あの状態じゃ・・・」
船の修復が完全に終わる
双虚のアブソリュートを使ったようだ
アキ「でも、さすがはレイだね。私じゃ、その力は使えないモンね。」
アキがレイに言う
レイは
レイ「そんなことはないよ。この力は、元々君のものだ。君が受け継いだ力のはずだから、完全に使えるのは、君だけだよ。」
レイの言葉でアキが少ししょんぼりする
その空間を和ませるために
話題を変える
紅羽「で、さっきの人たちが、二人をねらっている人ですか?」
レイ「あぁ、そうだ。この国にいる限り・・・いや、学校以外では、どこでも襲ってくるだろう。」
レイがまじめに応える
紅羽「だから、学園に?」
レイ「あぁ、力を蓄えるためにな。あそこは、身を隠すのにも最適だからな。まだ、僕たちは小さいから――――」
紅羽が疑問符を浮かべる
紅羽「小さいですか?」
普通は弱いとかそう言う言葉じゃーーー
アキ「私たちの樹は、まだ成長途中なの。」
アキは割り込むように補足する
それでも納得は行かないようだが、
紅羽「でも、さっきの戦闘を見てる限りじゃ・・・」
レイ「奴らは、まだ力を使っていない。それに、奴らは下っ端だ。あいつらを倒せた程度で、これからの追っ手も倒せるとは限らない。僕たちの相手は、古代の兵器なんだからな。」
リリスがゆっくりと近づいてくる
いつも通りの無表情で
リリス「なるほど、奴らはアブソーブか。殺戮の(・)蒼神兵と戦えるということで来たが、それと同等に楽しめそうな奴と出会えるとはな。不本意ながら、私も協力してやろう。」
アキは嬉しそうにはしゃいでいる
リリスが力になってくれれば、怖い物などなしだ
アキ「本当ですか!?」
目を輝かせているが、
それに割ってはいるように
レイ「何が目的だ?」
レイが怖い顔で問いかける
声の法は冷静だ
リリス「戦うことが目的だ―――と、それだけでは、信じてはもらえないだろうな。」
リリスがレイの法を見て言う
レイ「あぁ。」
レイは頷く
リリス「アブソーブという物を見てみたい―――これじゃぁ、足りないか?」
レイ「いや、それだけで充分ですよ。等価交換は守る。」
目でアイズしているようだ
リリスはそれを見ると、やんわりと笑みを浮かべている
アキは少し頬をふくらませている
紅羽だけが意味をつかめていないようだ
アキも勘違いをしているようだが
本部
シンク「なるほど、これがレイか?」
どこかとげとげしい言葉
カプリシアス「すません。我々のミスです。」
全員がおののいている
シンク「いえ、別にいいのですよ、彼らは、この場所まで必ず来る。その時を待てばいいだけですしね。それに、残りの人形も目覚めましたので。」
鞄のようなものから、2つの光が生まれる
黒と白の光が生まれ、形を成していく
シンク「これで、6つの人形が生まれました。」
シンクの目の前には、5体しかいない
だが、六体を作ったらしい
フラット「えぇ、これで、後はレイが入れば――――」
レイが何かの鍵になっているようだ
シンク「えぇ、彼の力で作った方が早いですし、調教もできます。」
部屋の隅には、6つの鞄
そして、未だ閉ざされている7つ目の鞄が置いてある
アキ・リリスの寝室
アキがぶすくれて横になっている
さきほどの会話が原因らしい
アキとレイでは、アイコンタクトで会話などできない
それをしているリリスが気にくわないのだ
リリスは、そんなアキを無視して
自分も横になっている
リリス「いつまでいじけている気だ?」
リリスがアキに問いかける
アキは応えない
リリス「まったく、だから子供だというのだ。」
いつもなら怒りにまみれて攻撃をしていただろう
だが、今日のアキは何もしなかった
リリスが振り返りアキを見る
アキ「(スヤスヤ)z・z・・z・z・z・z・」
アキは、スヤスヤと眠っている
リリスはあきれてため息をする
リリス「(ため息)」
紅羽・レイの寝室
紅羽は本を読んでいる
レイは、マントの中の整理をしている
いろんなものが、飛び出している
食べ物や武具までいろいろだ
紅羽「いろいろ入っているんですね。」
紅羽は本を読むのをやめ、
レイの方を見ている
レイ「えぇ、念のために色々と対応できるようにしていますから。」
レイは、整理をする手を休めずに続けている
紅羽「さすがは、レイさんですね。」
紅羽が本心でレイに言う
レイ「当然だろう?僕たちは、依頼の途中だ。それに―――」
手を止めて、自分の手のひらを見つめる
何かを考えているようだ
紅羽「それに?」
さっきとは、違い今度は言葉を遮らずに応える
レイ「それに、いつあいつがあらわれるかがわからないから、準備をしておくことにこしたことはないから。」
レイが悲しそうにしている
紅羽は、それを見て何も言えなくなる
疑問はあるが、レイの姿を見て何も言えないのだ
紅羽「(M)レイさん・・・」
整理を終え、すべて、しまい終える
レイ「それじゃぁ、寝ましょうか。」
レイが布団に入る
紅羽は立ち上がり、電気を消す
紅羽「はい、おやすみなさい。」
電気を消して、自分の布団に入る
夢-過去
どこまでも続く闇
光さえ届かない永遠の深淵
堕とされた世界
レイ「(M)僕はどうして生まれたんだ?僕はどこから来て、どこへ行くんだ?僕は―――」
その闇を具象化したかのように
レイにまとわりつく邪心
裏レイ「楽になっちまえよ。俺と一つになれ!そして、すべてを受け渡せ――」
それが具象化を終え、
レイの黒傘になる
それと共に辺りに光が差し込んでくる
無数の線が辺りを照らしている
芽吹く命
闇が消えていく
過去-南の大陸
そよ風の吹く大地
だが、空気は汚れていて
あまりいい雰囲気ではない
機械に完備された大地
すべてが、機械のようだ
町も自然も大気も機械に完備された大地
シンク「ねぇねぇ~、レ~イ~♪」
シンクがレイの体を揺さぶる
どうやら、起こしているようだ
レイ「うっ、う~ん・・・」
少しずつ起きてくるようだ
意識が覚醒していく
シンク「大丈夫~?うなされていたけど・・・」
シンクが心配そうにしている
レイは目をこすりながら
レイ「大丈夫。君たちを送り届けるまでは、何があっても折れたりしないから。」
背伸びをしながら、起きあがる
人工樹に寄りかかって寝ていたようだ
ここは、郊外
比較的空気も良いようだ
自然の風が吹いている
レイが二人の方を見る
アキ「当たり前よ。ちび人間には、責任を持って送り届けてもらわないと!」
シンクとは違い刺々しい言葉
シンク「アキちゃん、そんな風に言わなくても・・・レイは、何も悪くないんだから・・・」
シンクがアキをなだめるが
アキ「うるさい!うるさい!!うるさーい!!!」
遮るかのように言葉を放ち
その場を後にしていく
シンク「ごめんね~、あの子もわかっているとは思うの。でも、何かに当たりたいって言うか・・・」
シンクが言葉詰まる
レイ「いや、いいんだ。君たちを巻き込んだのは、僕だから。」
シンク「あなたは、何も悪くないわ。あなたは、私たちを助けてくれようとしたのだから。」
瞬間転移
その力が暴走し、転移地点から大きくずれた
第7源素を使う物が3人
アブソリュートの使い手
その偶然が重なり、力が暴走したのだ
過去―瞬間転移
魔物が辺りを壊している
並の魔物ではないようだ
不思議な力を持っていると共に
通常ではあり得ないような邪気を帯びている
魔物「すべて、壊す!」
破壊する力がすべてを壊していく
レイ「ちっ、ここまで、来たのか!」
翼ある大地
といっても空から燐翅が降っているわけではない
レイは、敵に追われているようだ
魔物「見つけた!捕獲する!!」
すべての疾風をとばす
その疾風が辺りを壊しながら、レイに向かってくる
レイ「壊す力なら、負けないよ。」
レイのアブソリュートが相手の攻撃を乖離させ
消滅させていく
魔物「なっ・・・」
レイ「すべてを消滅させる力よ!」
レイが力を解放した瞬間、
奥から二人の女性が出てくる
シンク「ねぇ?何か変な音がしない?」
アキが何かに気づく
アキ「これは、ものすごい力―――」
レイが二人の女性に気づく
次の瞬間、
魔物は消滅するが
その余波が、女性にも向かう
レイ「くっ・・・間に合うか!」
レイが、二人の近くまで近づく
それと共に第7源素が集約される
シンク「なっ・・・」
アキ「くっ・・・」
レイが二人を抱き寄せ
レイ「僕の手をつかんで!」
手をさしのべる
二人は素直にレイのてを握る
次の瞬間、レイの構成した源素が暴発を起こし
レイ「なっ・・・」
3人を巻き込んで、瞬間転移が発動する
南の大陸2
レイ「でも、辺りの様子をきちんと見ていれば・・・」
レイの神経系なら、注意さえ払えば
様子を見ていれば、気づいたはずだ
シンク「いいえ、あなたは、悪いなんて感じなくていいんですよ。あなたは、私たちを守ってくれているし、きちんと約束を守ってくれています。」
レイは柔らかい顔になり
レイ「僕のせいで、こんな所まで来てしまったんです。」
レイは責任を感じているようだ
シンク「気にしないで下さい。私たちは、外の世界に興味がありましたから。」
少し離れたところから、アキの声が聞こえる
アキ「ほ~ら~、二人とも~はやく来ないと~追いてっちゃうよ~。」
その声に反応して
追いかけていく
シンク「あっ、待って下さ~い~☆」
シンクが一生懸命追いかけていく
レイ「・・・ありがとう・・・」
誰にも聞こえはしないが、つぶやき
そして、追いかけていく




