第参話~咎とする力×やさしさの代償~
第参話~咎とする力×やさしさの代償~
闇夜
美しい羽根が舞い散っている
羽根は鱗翅となり、辺りを焦がし尽くしていく
レイ「(M)夜ならば、ばれずに行動できると思ったんだけどな。」
辺りには、無数のレプリカがいる
かつて見た場所
まったくといって同じような音が木霊している
レイ「(M)やっぱり、同じ侵入路じゃダメってことかな?」
アキ「前もここを通ったの?」
アキがレイに問い掛ける
レイ「あぁ、アキを助けに行くときにね。」
以前と同じ道
アキ「あぁ~、なるほどね。」
辺りにいるレプリカ
すべてが同じようだ
純白の羽根
すべてが同じ顔
元の記憶盤がいっしょなのだろうか
数日前―フロンティア
レイ「何してるの?」
レイがアキに話し掛ける
アキは宿屋のおじさんとお話をしている
アキ「なるほどね~、ありがとうございます。」
お辞儀をして、レイに走りよってくる
レイ「何話していたの?」
アキ「う~んとね、クリフォトへの近道。」
どうやら、次の町への近道を聞いていたようだ
レイ「・・・研究所を通る道?」
アキは驚いている
アキ「どっ、どうして!?」
レイ「昔とおったから・・・でも、あそこは、危険だよ。」
アキ「だっ、大丈夫よ。私たちならさ。」
満面の笑みで言う
レイ「・・・アキがマジメにやってくれればね。」
一言いうと宿屋のドアから出て行く
アキ「まってよ~。」
それをアキが追いかけていく
現在―研究所
辺りのレプリカが疾風を巻き起こしている
その疾風が辺りを切り裂いていく
レイ「くっ、」
すれすれで交わして、その疾風に同等の力を注いでいる
アキ「(M)同等・同属性の力を注ぐことによって、対象の力を無効化させる力―――無力化!」
そうすることにより、疾風を無力化していく
レイが無力化していく
だが、その無力化にも問題はある
レイ「ちっ!」
敵の攻撃がすべてレイに向かっていく
今度はキャンセルしきれないようだ
アキ「レイ、危ない!!」
アキが疾風をその身で防ごうと飛び出す
それと同時に力をこめる
レイ「(M)相手の力に自分の力を送る技―――抵抗!」
ダメージを減らしたようだ
アキ「大丈夫だった?」
それでも、完全には防ぎきれない
とっさのことでなければ、防げるのだが
レイ「あぁ、なんとかね。」
レイはほぼ無傷
アキは、多少の傷を負っただけのようだ
レプリカ「コロス!」
レプリカの力が次々に上がっていく
膨大な源素が集合していく
レイ「“咎とする力よ―――時の流れに身を置きし者たちよ。汝の意思となりし輝きよ、閉じろ!”」
辺りの空間が一気に閉じる
それと同時にすべての流れが止まる
アキ「いつの間に・・・」
時間停止
―――かなりの源素を必要とするだけでなく
第7源素を必要とするの術
アブソリュートの力
レイ「アキ!全力でやれよ。」
アキに言葉を投げかけると次の詠唱へと入る
レイ「“咎とする力よ―――故に眠らざるものよ。時の流れに抗う光よ。我と共に汝らの言霊を送り妨げよ。”」
前の謳とつながる術
第7源素を更に消費する
レイと辺りのレプリカを巻き込んで、
時空を切り裂き
別な空間へと変化する
そして、時は動き出す
アキ「なるほどね。強い奴が強いほうと戦えというわけか――もぅ~、人使いが荒いんだから、レイ君は~♪」
響き渡る轟音
さっきのレプリカとはレベルが違うようだ
魔道に染められたツバサ
アキ「かかっておいで、手加減はしないよ。だから、君も手加減なんてしちゃダメだよ。あっという間に終わっちゃつまらないから。」
アキの背中に血に染まったツバサが現れる
隔離空間
疾風の吹き荒れる空間
レイ「・・・今ごろ、アキは怒っているんだろうな。でも、油断は出来ない。」
疾風をまとうレプリカが
次々に結合する
レイ「やはり、こっちの方が上級のようだな。」
そして、一つの姿へと変わる
それと共に隔離した空間が粉砕される
レイ「強いな。やはり・・・」
別な空間へと移動する
かつての空間へと
アキVS魔道戦士
辺りがいつのまにか水びだしになっている
水から柱が立っている
アキ「―――あなたは、水の戦士ですね。」
相手の正体を見破る
それと共に水の柱からその姿をあらわす
フラット「よくわかりましたね。『大いなる翼』よ。」
水が命を与えられたかのように動き出す
アキ「やっぱり、私たちが来た事はわかっていたんですね。組織は。」
アキが相手に問い掛ける
フラットは問い掛けには答えずに
フラット「あなたを捕獲します。」
水が鎖のようになり、アキに向かっていく
アキは、一瞬、瞬きのように目を閉じて、
集中する
アキ「捕獲されるわけにはいきません。“咎とする力よ―――時空の楔に身を委ねし
者よ、”」
アキの周りの空間が変化を遂げる
アブソリュートのちから
フラット「謳などうたわせない。」
水の早さがあがる
だが、アキにヒットすることはない
水が流されるようにアキを避ける
アキ「“源素の中に入り混じる輝きよ。その命運を閉じし光の粒子よ。汝らの糧を溶かせ!”」
異様なまでの雰囲気がアキを中心に集まってくる
フラット「くっ、ならば、これでどうだ!“次元の源流(ヘル&レス)”!」
フラットの膨大な力がアキに向かっていく
だが、アキの手に集約されたエネルギーが、
すべてを消し去る力となり、
発動となる
アキ「“超振動破”」
レイのそれとは違う
膨大なエネルギー破が敵の力を消滅させていく
フラット「なるほど、それが、貴様の力―――『アブソリュート』。源素の結合を乖離させる力―――」
辺りに満ちた水が源素ごと消滅する
アキ「えぇ、あなたの攻撃は私には届きませんよ。」
強気な発現
弱みをみせないための
フラット「強がりは、体に悪いですよ。そんな大技、いえ、連発できたとしても、君の攻撃能力は皆無。つまり、私はあなたごときには、決して負けることがないってことです。」
アキの内在が読まれているかのようだ
だが、今のアキは違うようだ
アキ「えぇ、以前の私では、防御しか出来ませんでした。それに、連発も出来ませんでした。」
非を認める
だが、それとは反対にアキの力は膨れ上がっていく
アキ「(M)レイ―――あんたの技を借りるよ。」
先ほどの力とは違い
別な雰囲気になっている
別な力が乱れている
まとまりがつかないようだ
フラット「なっ、暴走でもさせるつもりか?」
アキ「自爆なんてしませんよ。“咎とする力よ―――」
完全な構築式ではない
そのため、異常な力になる
フラット「不完全な謳で何が出来る!」
だが、不完全ゆえに暴走気味のようだ
アキ「何が出来るかは、あんたの体で受けてみな!」
辺りの源素が共鳴をはじめる
共鳴が、破滅を呼び起こしていく
その二つが饗応して、すべてを浄化する力になる
フラット「なっ、かっ、からだが・・・」
体が次々に粒子になり、
くずれていく
アキ「そのまま還りなさい、源素の粒子へと。」
敵の体が次々に粒子へとなっていく
だが、敵の体は異様なまで邪気を帯びていく
フラット「さすがですよ、この力まで、使わされるとは思いませんでしたよ。」
邪気がフラットの体を結び付けていく
結び付けられた粒子が、
一つ一つ新たな力となって、産まれていく
アキ「・・・第6源素―――さっきまでは、第3源素だったのに―――」
敵の源素が別な集合体へと変わっていく
色々な源素が混じっていた源素が、一つの源素へと変わっていく
魔力(?)も水→闇へと変わっていく
フラット「ですが、残念です。これで、君は私に捕獲されるだけですよ。『大いなる翼』よ。」
その言葉と同時にいくつもの螺旋が辺りを占めていく
隔離空間Ⅱ レイVSカプリシアス
さっきまでの隔離空間とは違う空間になっている
疾風吹き荒れる砂漠
風化スピードが速まっている
辺りが、どんどん砂に埋もれていく
空には、何かの印様が浮かんでいる
レイ「・・・これは・・・」
レイが何かに気づく
カプリシアス「えぇ、ここは、我が空間―――風雷陣、すべての時が過ぎ行く場所。」
カプリシアス以外のものが次々に風化していく
すべてが、風へと還っていく
レイ「咎とする力よ―――この身護りし、大地の意思よ、創幻なる祝福の刻、天空駆け巡る風歌の灯火よ、すべてを斬り流す蒼豹の瞬牙よ、代詠の読み手なりし我が命によってここに収縮し、すべての霊牙となれ!!」
辺り全体にレイの源素、
第7源素に包まれていく
カプリシアス「セブンス・マテリアル――そのような力を使うようなものがいるとはな。」
レイの謳が辺りに木霊していく
その音が反響を繰り返し
次から次へと新たな力を呼び寄せて行く
レイ「“絶対変動極霊破”」
最後の言葉が、発動の言霊となり、
辺りに鱗翅が散る
その鱗翅一つ一つが光を帯びて
辺りの源素を吸収していく
カプリシアス「辺りの源素を乖離する技・・・ですね。」
鱗翅が、次々に力を帯びていく
それと共にカプリシアスも粒子に還り
消えていく
レイ「このまま、終わらせます。」
敵の分解速度が上がっていく
次々に粒子へと還り、
完全に消えていく
カプリシアス「ですが、その程度で、我が力を封じたつもりですか?」
辺りに第1源素が満ちていく
それと共に別な、緑の光があふれていく
レイ「えぇ、このまま終わらせるつもりです。」
レイの片目が真紅に変わりつつある
レイの体への反動は強い
カプリシアス「甘いですね。この程度で、我が力は封じられない!」
辺りの源素が一気に吹き飛ぶ
それと共にカプリシアスが光を身にまとった戦士になる
レイ「いいえ、あなたが、どんな力を持っていてもこれで、おしまいです!」
完全に瞳が真紅に変わる
それと共に辺りの雰囲気が変わり始める
そして、集まった力が暴走をはじめ、
敵へと向かって解き放たれる
カプリシアス「むだですよ、今の我に普通の攻撃は効きません!」
その身で、防ぎにかかる
レイ「いいえ、それは、普通の攻撃ではありません。」
放たれた波動が、
敵の体に触れた瞬間に消し飛ぶ
完全な無へと還っていく
それと共にあたりの空間がくずれていく
元いた空間とは違うが、
現実へと還っていく
レイ「これで、少しは休憩が出来ますね。」
いつもどおりの銀色の瞳へと変わっている
雰囲気も元通りになっている
現実へと戻っていく
レイ「元に戻れたね・・・」
一息つく
だが、次の瞬間、
後ろから炎の槍に貫かれる
レイ「くっ・・・」
血を吐く
そのまま倒れる
フラミング「これで、邪魔者はいなくなったぜ。」
辺りを見回して
フラミング「いつまで、その姿でいるんだ?もう、戻っていいぞ、カプリシアス。」
辺りに疾風が吹き荒れる
カプリシアス「えぇ、ここにいますよ。」
体中傷だらけ
さっきの戦闘で、確実にダメージは負っていたようだ
フラミング「ふふっ、珍しいな、あんたが、そんな傷を負うなんてな。」
ほとんどふらふらのようだ
カプリシアス「えぇ、以外のほど、強かったのでネ。」
カプリシアスが疾風の刃を飛ばす
レイ[くっ、]
致命傷を負いながらも、
なんとか回避する
フラミング「なかなかやるじゃねぇ~か!」
フラミングが一気に火力を上げる
それに呼応するように、レイに刺さった槍が炎を上げていく
レイ「この程度の炎!」
一気に槍もろとも炎を消し去る
カプリシアス「油断は禁物ですよ。」
疾風がレイの体を切り刻む
致命傷の傷も回復しつつある
レイ「(M)何をしてやがる、出て来い!化け物!!体を貸してやる!」
レイの髪の色が銀色に変わりつつある
瞳も完全に真紅に変わる
レイ「(M)そうだ、目覚めやがれ!!今こそ、その力を貸しやがれ!!!」
完全に真紅の剣舞にのっとられる
それと共に、辺りに邪な力が発動する
血と共に――――
フラミング「なんだ!この力は!?」
カプリシアス「この力―――」
辺りが血と闇に包まれていく
裏レイ「あんたか、俺の躯を傷つけてくれたのは!」
一気に辺りに印様が浮かび上がる
それと共に辺りには邪気が満ちる
すべてを包みこむ血と共に
フラミング「くっ・・・力が出ない!」
カプリシアス「嘘だ・・・」
二人が完全におびえている
得体の知れない化け物に出会ったかのように
裏レイ「悪いな。今の俺は、絶対なる力もつかえる。奴の能力もな。」
辺りに共鳴する
二つの力
レイと真紅の剣舞
二つの魂が木霊する
辺りの源素が乖離をはじめる
フラミング「こいつに、こんな力があるなんて・・・」
カプリシアス「ここは、引きますよ。フラミング。」
目くらまし程度の風が辺りをよぎる
裏「逃げるのか?まぁ、勝手ににげな。だが、次に逢ったときは完全に消滅させるぞ。」
二人の姿が完全に消える
どうやら、逃げたようだ
裏「・・・ったく、今回は、返してやる。こんどは、そうはいかないからな。」
辺りの雰囲気が穏やかになる
レイが眼をつぶる
すると、そのまま倒れる
過去―1年前、訓練所
辺りに光の弾が
アキ「キャッー!?おばけ~!!!!?」
辺りに木霊する元凶の声
それに導かれるかのように光の玉は不気味に舞いながら近づいてくる
レイ「・・・アキ・・・危ないかもしれないから、後ろにいて・・・」
いつものような穏やかさがない
傍から見たら、冷たくも見えるかのような言葉
だが、アキにはやさしく響いている
アキ「うん、わかった・・・なんとしても倒してください。」
アキが珍しくレイの言葉を聞き入れる
アキには状況の判断能力が低下しているからだ
今は状況を判断する力がない
目の前の光景におびえているからだ
こういうところは、女の子らしいのに―――
だんだん、近づいてくる二つの光の玉
未だに不気味に舞う二つの光
それが、複数になり、近づいてくる
蝙蝠「ギィー、キィー」
複数の気配が音波をあげている
まるで、連絡を取り合っているかのように
キィーッ
さきほどよりも甲高い音波が響き渡る
レイ「来る―――先ほどまでとは違う雰囲気が辺りに漂う。
殺気とも言える気配。ぴりぴり肌が反応している。
これは、殺気、何度も感じた。
だが、今まででは低いほうだ」
蝙蝠「キキッ!!」
一匹の音波が飛び交う
その音波は常時人には聞き取れないだろう
同種のみが聞き取れる声
それに反応するかのようにレイは、敵を打ち落とす
打ち落とされた敵は、再び飛翔し、彼らにとっての敵――レイに攻撃を仕掛ける
レイ「(M)素手ではきかないのか・・・だったら、」
マントが輝きを深める
その輝きが赤い光となりレイの腕へと広がっていく
レイ「アキ・・・もう少し、下がっていてくれ。」
戦闘時においても、アキへの配慮だけは気を配る
実際、そんな余裕はあるはずもないのだが・・・
アキ「大丈夫・・・自分の身くらいは自分で守れるから。」
さきほどよりも落ち着いたのか、いつもの声に近くなる
その言葉を聞いて、レイは一瞬、いつもの表情に戻る
蝙蝠「キキッ!!」
ザワザワ
だが一瞬の攻防で辺りにざわめきを呼ぶ
敵は、レイを攻撃するように飛んでくる
レイは、それをすべて紙一重で回避する
―――いな、敵の軌道をずらしているのだ
敵はレイに近づくと見えない何かに流されるように流され、
そして、地面に激突する
裏レイ「悪いな・・・今日は、機嫌が悪いんだ。特にオレはな。」
レイの瞳は、美しい銀色から、真紅の瞳へと変化を遂げていた
表情は、冷酷―――古の魔物のような表情をしている
整った顔が歪み、辺りに邪悪な闇と深淵とも言える奈落だけが広がっている
蝙蝠「キィー!?」
敵は、逃げるかのような声をあげる
裏レイ「・・・逃げるのか・・・逃がすと思っているのか?このおれが・・・」
紅い閃光が走る
辺りに残るのは血の海
何かが戦った後だけ・・・
過去―1年前2
アキ「ねぇ・・・大丈夫?」
アキが近くで倒れている少年―――レイに話し掛ける
レイ「あぁ、なんとかな・・・。ツゥー(痛)」
レイが起き上がろうとするが、
腕に激痛が走る
身に覚えのない傷跡
ほぼ、治っているが微妙に残っている
レイ「また、変化わったのか?」
レイが顔を腕で隠すように前を覆い問いかける
レイ「(M)変化――僕には、記憶がない。
子供の頃の記憶も。
ただ、夢で見たりするだけだ。
そして、時折、記憶がない。
だから、今回のような症状を変化としている。」
アキ「えぇ、今回のはいつもより、すさまじかったですよ。」
アキは思い出すのもおぞましいかのように答える
レイ「(M)そう、この変化があるから、僕はあまり馴れ合いを好まない。
この変化を見た種族は、みんな離れていく。
だからこそ、僕は馴れ合いをしない。
隔離している空間を好んでいるんだ」
レイ「すまないな。」
服の中から、何かを取り出す
そして、それを口に含む
レイ「本当なら、僕が何とかするつもりだったのに・・・」
すまなそうにいいながらも、何かを飲み込む
すると、先ほどまで青白かった顔に
血色が戻っていく
アキ「いいんだよ。私を守ってくれるためだったんだし。」
アキがレイを励ます
その励みを聞いて、いつもに戻りつつあるが、
妖魔「ギィー!」
SE:ドスン
先ほどの仲間がいたようだ
しかも、今回は先ほどの非ではなさそうだ
血の香りに導かれ、やってきた野獣
まだ、距離があるようだが、それでもすさまじい力を感じる
レイ「・・・もう一度・・・」
レイが立ち上がり、再びマントの力を発動しようとするが、
レイ「くっ・・・」
体中に痛みが走る
いや、痛みというやさしいものではない
激痛なのだ
アキ「・・・私に任せてください。」
アキが立ち上がる
さっきまで、おびえていたのが嘘のようだ
レイ「だめだ・・・(M)相手の強さもわからない。
そんな奴にアキ一人で戦わせるのには、心配がある。
そもそも、アキの強さは僕にはわからない。
変化した僕なら知っているのかもしれないが・・・。」
アキ「大丈夫ですよ。私はそう簡単には戦闘不能やりませんから」
アキは自身満々にレイに言葉を投げかける
まったく、この自信はどこから湧き出るのやら
レイ「わかった・・・でも、それは―――」
先ほど、レイが口に含んだものよりも紅く、
そして、不気味な輝きを含んだ物質を口に入れる
アキ「レイ・・・まさか・・・」
アキの顔に不安が押し寄せる
ナレ「高純度のエレスは、ドーピングにも使える。その後の副作用にはいろいろあるのだが、死んでしまうこともあるらしいのだ。」
レイ「大丈夫だよ・・・これで、僕もまだ戦える」
先ほどまでの痛みが一気に引く
そして、先ほどまでの力とは違う別な雰囲気が漂っている
アキ「レイ・・・なんだね。」
アキは安息のため息をつきながら問い掛ける
これでもし、変化がおきたら、どんな事が起きるかわからない
ただすまないのは、確実だ
レイ「あぁ、心配かけるな。だけど、大丈夫だ。今回飲んだのは、公式で出回っている奴だ。」
いつかのときとは違う
普通の店でも売っているもの
効き目はそんなにないが、最低限の能力上昇は見込める
生存用ではなく戦闘用なのだ
Se:ドスン
妖魔「ギィー」
熊のような風貌に鋭い爪
二足歩行をする足
そして、鎧のような物を身にまとっている
レイ「アキ・・・とりあえず、下がってて。」
アキ「いやだ。」
さっきの戦闘とは違い今度は否定の意をだす
レイ「敵の戦闘能力がわからないだろ。」
アキ「だからこそ、私が戦うのよ。」
レイ「はぁ?何言ってんだ?」
アキ「っていうかだ、私の意見に逆らっていいと思っているの?」
悪魔の笑み―――見るものを凍らせるという代物だ
だが、見る人が見たら、天使の笑みらしい。
特にレイにとっては・・・
レイ「・・・んな、かわいい顔してもだめ。」
アキ「ぶぅ~。」
今度は頬を膨らませている
こうしているとしてみたくなるのだ
レイ「ほんと、どうして君は、子供っぽい仕草が似合うのかな~。」
そういって、ほっぺを指で押す
すると、息が抜けてへこんでいく
レイ「まったく、わかったよ。好きにしろ。」
レイが先に下りる
自分の意見を言わないレイにとっても、アキに対しては別なのだ
特に戦闘時は。
アキ「わぁ~い。」
全身で喜びを表して飛び上がるアキ
レイ「はぁ~ 」
体全体から、ため息を出す
そして、体中から疲れているのが目に見えている
SE:ギィー!!!
SE:ビューン
待ちかねていたようにモンスターが攻撃を開始する
その腕から放たれる攻撃は早い
だが、普通の人間でも回避は出来るだろう
アキ「ほ~んと、見た目どおり速さはないね。」
つまらなそうに答える
SE:ゴキッ
SE:ギュキ
異音と共にモンスターの腕が変な風に捩れている
SE:ギューッ!!
モンスターが断末魔の悲鳴とも言える声をあげる
アキ「もう、終わり?つま~んない」
終わったと思う
だが、まだなんだ。
この手の魔物は
レイ「アキ!まだだ!」
声よりも早くレイはアキの前に立つ
Se:ビュン!
SE:グシャ
SE:ビシャ!!
モンスターの攻撃は、
アキの反応速度よりも早く
レイの体に傷を与えていた
アキ「レイ!!」
Se:バキっ
SE:ドゴーン
戦闘態勢に戻り、敵を蹴り飛ばす
敵は咄嗟の反撃により、防御も間に合わず壁まで吹き飛ぶ
レイ「あははははっ、失敗しちゃった。」
笑顔でアキに答える
レイを中心に血の海が広がっていく
アキ「・・・ごめんなさい・・・」
アキの顔は今にも泣きそうなくらい崩れている
モンスターは死んでいる気配はないが、動くような気配もない
レイ「大丈夫。すぐに治るから・・・」
吸血種―――というよりもレイの再生能力は高い
普通の吸血種やほかの種族にないくらいの回復力はある
それでも、今の傷は再生能力を上回る勢いで、細胞が死んでいく
アキ「うん・・・信じている」
アキには信じるしかない
彼女に回復能力はない
彼女に出来るのは、命の灯火が消えぬように見守るだけ
レイ「ありがとう・・・」
声にならない言葉をあげる
彼の体は既に死に瀕している
ほとんどの骨は折れている
無事なのは、右腕ぐらいで、
あとは、ほとんど折れている
レイ「アキ・・・おれは・・・」
音はさえぎられ唇だけが動く
ただ、無残に・・・
どれくらいの時が流れただろうか
レイの出血は既に止まっている
傷口といわれる傷はすべてふさがってはいるのだ
内部はなおっていないようだが・・・
既に意識もなくなっている
アキ「こんなんで、救えるかはわからないけど・・・」
アキは何かを決意する
そして、その決意を行動に移そうとする
アキ「レイ・・・君がくれたもの返すよ・・・」
アキVSフラット2
辺りに舞い散る螺旋
アキ「咎とする力よ―――」
不完全な術式で対応する
螺旋はある程度は、乖離するが、完全には消えない
フラット「むだですよ。不完全な術式では、今の私の力を消すことは出来ません。」
螺旋が術式を刻んでいく
その術式が、新たなる螺旋を生み出していく
すべての空間を満たしていく
アキ「くっ・・・」
眼を閉じる
観念したのだろうか?
フラット「そうですよ、あきらめなさい。そうすれば、楽になれますよ。」
アキは瞳を閉じている
沈黙の中、静かな謳が流れる
レイ「咎とされし力よ―――」
いつもとは違う術式
始まりが違う
能動ではなく、受動の謳
レイ「命乱れし、刻印よ。大智の英霊なる守護者よ。魂震わす粒子の呪われし力よ―――」
辺りの源素が無条件に乖離する
源素の乖離と共に辺りの崩壊も始まっていく
フラット「これは―――これは、アブソリュート!?」
アキが笑みを浮かべて
アキ「えぇ、私はこれを待っていました。」
満面の笑み
待っていたかのように
レイ「アキの受けた痛みを、その身で受けなさい!」
天上から降り注ぐ7つの光
その光が、裁きの光へと変わる
そこにアキの力も加わる
アキ「“裁きの七星”」
その光が辺りを乖離させていく
乖離された源素が、
更に乖離をはじめ
消滅していく
無へと還っていく
フラット「嘘だ!なぜ、こんなにもアブソリュートの使い手が!?」
攻撃が完全にヒットする前に
レイが技をとめる
レイ「去れ!いま、去るなら、僕はこれ以上、攻撃しない。」
フラットへの呼びかけ
フラット「甘いですよ、これで、私を逃がしたら、また襲うかもしれませんよ。」
レイ「えぇ、いいですよ。そのときは、完全に消滅させます。」
フラットとレイの会話
アキは不服そうだ
フラット「ふふっ、では、お言葉に甘えて―――」
フラットが水に包まれる
それと共に消えていく
アキ「んもう~(怒)」
少し不服のようだ
頬を膨らましている
レイ「いいんだよ、これで。」
言葉と共に辺りに満ちた術式が一気に解除される
アキ「でも、そういうところがいいんだけどね。」
アキはレイに抱きつく
その反動で、レイは倒れる
それと共に辺りが血の海になる
アキ「レイ!?」
レイ「へへっ、少し無茶しちゃった。」
今回は余裕があるようだ
ほぼ、無傷に近いのかもしれない
レイにとっては。
アキ「まったく、そんなんだから、私はあなたを―――」
言いかけて止まる
そして、別な話題を振る
アキ「少し休みましょう。レイ。」
レイ「あぁ、そうだな。」
レイの傷が再生をはじめる
辺りの源素を消費して、血も増えていく(回復する?)
クリフォト-中心部
白い翼を持つ者が玉座(?)に座っている
顔には仮面をつけている
仮面のもの(シンク)「なるほど、アキだけでなく、レイもかの力の使い手なのですね。」
三つの光があたりに浮遊している
赤、蒼、緑の光
また、ヴィジョンにはアキがうつされている
フラット「えぇ、間違い有りません。」
蒼の光が声を発する
それと共に赤の光も声を発する
フラミング「許可をくれっ!?」
その言葉に
シンク「えぇ、いいですよ。ただし、彼らを殺すためには使わないでくださいよ。」
警告する
それにうなづき
カプリシアス「わかっていますよ。我々の望みのために、アブソリュートは必要ですから。」
緑の光も声を発する
シンク「そのとおりですよ。そのために―――」
先ほどまでのヴィジョンとは変わる
今度はレイの姿が映し出されている
フラミング「あぁ、任せておけ!俺たちに不可能はない!」
フラット「えぇ、許可をしていただきましたしね。」
シンクの胸には紅い石がついている
その石が妖しい光を発している
シンク「お願いしますよ。擬似生命体よ。」
三つの光が散っていく




