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第17翼~位相の吸血鬼~



研究所―リュート

 光の粒子が連なり、

 形を成していく

 形成された光がリュートの姿になっていく

リュート「これが、レイシスの力。さすがに強力ですね。でも、オレも負けはしない。」

 光糸躯が解ける

 それと共に邪悪な装備がつけられていく

リュート「今度こそ、任務を全うする。」

 雷が振り降りる

 それと共にリュートの姿が消えていく

過去―研究所2

研究者「なんとか助かりましたね。」

 光の幕から現れる

エル「えぇ、思ったよりも力が高くて・・・」

 エルの腕についていた宝玉が砕ける

研究者「ですが、彼の力の片鱗を見れました。どちら側からかは、わかりませんでしたがね。」

 研究者の手にある宝玉が光を放っていく

 それが、かたどり女性が生まれる

研究者「さて、次は、あなたの番ですよ。」

 後ろから女性が現れる

緋骸「オレの出番なんですか?」

 緋骸が姿を現す

研究者「えぇ、そうです。それとこれも使ってください。」

 宝玉から生まれた女性が

 完全たいとなる

ステラ「はじめまして、緋骸君♪」

緋骸「ふん!まずは、オレが一人で出てくる。」

 緋骸が姿を消す

 ステラは残されている

エル「いいのか?」

研究者「あぁ、まずは、視察といきましょう。ですが、もしものときはよろしくお願いしますよ。最強の吸血鬼さん。」

 ステラが姿を消していく

ステラ「任せてください。」

宿屋の近く2

 紅羽がふらふらになっている

 それでもなお立ち上がる

紅羽「(息切れ)まだです・・・」

 シリエルが再び刃を構える

シリエル「あなたもおかしな人ですね。自分を犠牲にしてまで―――――」

 今にも倒れそうなほどダメージを受けている

紅羽「(息切れ)あなたに理解してもらおうとは思っていません。」

 出血も激しい

シリエル「理解などしたくありませんよ。あなたのような下等な種族とはね。」

 再び剣戟を放つ

 もう、回避もできない

紅羽「ぐっ・・・」

 よろけるが踏みとどまる

シリエル「それにいい加減にしてはくれないか、いささかいらつく!」

 シリエルの力が膨れ上がる

 その勢いだけでも倒れそうなほどだ

紅羽「(息切れ)僕は・・・負けられません・・・」

 紅羽のビジョンにノイズが走る

シリエル「なるほど。」

 鞘に収める

宿屋から遠く離れたところ

 紅羽がアキを背負い走っている(?)

 紅羽の足元には

 空気の渦が集まり宙を飛んでいる

紅羽「――――あの人は、大丈夫ですかね?」

 心配がよぎっているようだ

紅羽「ですが、今は、アキさんをどこかへ・・・」

 速度が増していく

宿屋の近く3

 魔力解除

シリエル「下等種族にしてはよくやると思ってはいたが、貴様の力か!“裁くもの”」

 紅羽のビジョンが粒子となり消えていく

エル「あぁ、レイとアキには、借りがあるものでね。」

 エルの周りの魔力も解除される

シリエル「だが、貴様とて同じことだ。そこをどけ!」

 殺気が威圧として辺りに響く

エル「僕も殺しますか?その呪われし刃で。」

 二人の殺気がぶつかり合う

シリエル「そうですね。それも面白そうだ。」

 一気に殺気が飛び交う

 それと共に魔力が開放される

シリエル「いくぞ!“符継姫”!!」

 疾風をその身に宿す剣が現れる

エル「疾風の剣ですね。行きますよ。」

 エルの腕にも剣が現れる

 (メザーランス)

 光の力があふれかえっている

シリエル「脆弱なる吸血鬼よ。その魂を悪とし、眠らさん!」

 シリエルの腕に膨大な力が広がっていく

 無数の剣戟

 それを受け止める音

 高速で切り結んでいる

エル「早いですね。さすがではあります―――――」

 剣と剣の衝突音

エル「受け止めましたね。」

 シリエルの体が切られる

 間合いを取る

シリエル「これがキミの能力・・・」

 ほとんどダメージにはなっていないが

 予想外のようだ

エル「これで、あなたは僕の剣を受け止めることもできません。」

 エルが突っ込んでいく

シリエル「ですが、僕の符継姫にも特殊な力はあるんですよ。」

 符継姫から疾風が巻き起こる

エル「風を呼ぶ剣。試してみますか?どちらの刃が上か。」

 互いの剣がぶつかり合う

 衝撃で辺りの大地が切り刻まれる

シリエル「“風の鎧”を晴らせていただきました。」

 今度はシリエルはきられない

エル「本当に不思議な力だ。それでは、まるで燐翅種の・・・」

 何かに反応する

 剣が脈動を打っている

エル「なるほど、禁呪ですね。触れてはならない禁断の魔法。かつて、それを記した書物が盗まれたと聞きましたが・・・・。」

 符継姫が人の形をかたどっていく

シリエル「そうだ。オレの10本の剣は禁呪『      』によって作り出した。他人の命を利用してね。」

 女性の形になっていく

 だが、剣は消えたわけではない

エル「・・・悪魔に魂を打ったわけですね。僕のように。」

 エルの背中に黒い翼が生えていく

シリエル「裁くもの。真の姿――――この眼で見ることができるなんてね。」

 つめが異様なほど伸びる

 額に眼が現れる

エル「(M)僕の中に眠れる『三白眼族(ヴァン・ブラットサッカー)』の血よ。持ちこたえてくれ・・・」

 異様なまでの狂気を放っている

シリエル「ですが、知っていますよ。あなたの“それ”は長続きしない。そして、使用後は極端に体力が削られる。」

 シリエルが12本の剣を具象化する

エル「一瞬で終わらせる。」

 エルの姿が完全になっていく

シリエル「一瞬?一瞬しか無理なのでしょう?・・・・・・ぐふぁっ!?」

 シリエルの体が切りつけられる

 反動で12本の刃も折れる

エル「(息切れ)わりぃな。手加減できませんでした。」

 エルが元の姿に戻っていく

シリエル「くっ・・・・こんな簡単に私が・・・」

 レンズのようなものをシリエルの体にかぶせる

エル「(息切れ)緋骸真紅の抹殺の件だが、少し待ってはくれないか?せめて、アキが接触するまで。」

 シリエルがあたりに刃を具象化する

シリエル「甘いな。おまえも。」

 辺りに具象化した刃が一気に放出される

 それを見て

エル「ありがとうございます。」

シリエル「だが、戻らない場合は容赦しないぞ。」

エル「えぇ、わかっています。そのときは、僕も緋骸真紅を抹殺します。それが、彼の望みですから。」

 シリエルの傷を癒していく

過去―どこかの森

 レイがさまよっている

 瞳は真紅に輝きを増している

レイ子供「お姉ちゃん・・・どこ?」

 探し物をしながらさまよっている

 奇跡的に魔物には遭遇してはいない

レイ子供「あの人が言っていたことは本当なの?お姉ちゃん・・・」

 泣きながら歩いている

 さまよい、そしてさまよう

 糸を捜し続けて

 爆発音

レイ子供「なっ、なに!?」

 煙が晴れると共に

 一人の少女が姿を現す

レイ子供「おねえ・・・」

 一瞬、ステラと見間違う

緋骸「見つけましたよ。レイシス。」

 真紅の剣舞を緋骸の周りを螺旋を描くように

 舞っている

レイ子供「だっ、、、、だれ!?」

 張り詰めた声に対して

緋骸「緋骸真紅。あなたを調教するものです。」

 真紅の剣舞が鞭のようになる

レイ子供「やめて!」

 緋骸の攻撃を回避する

緋骸「さすがは、レイシス。ステラに育てられただけはある。」

 レイが動きを止める

レイ子供「おまえ、お姉ちゃんを知っているのか!!」

 レイが叫ぶ

緋骸「あぁ、知っているともおまえ以上にな。」

 挑発的に言う

レイ子供「やっぱり、お姉ちゃんも・・・」

 レイが完全に動きを止める

緋骸「そうさ、あいつも俺たちの・・・」

 鞭がレイを捉える

 決して解けることのない鞭

レイ子供「僕は・・・・・」

 辺りに第7源素が満ちていく

緋骸「なるほど、確かに膨大だ。だが・・・」

 赤い鞭がレイを締め上げる

 それと共に満ち始めた力が

 消えていく

ステラ「レイ、伏せて!!」

 爆撃と共にレイを連れ去る

 残るのは緋骸だけ

緋骸「・・・今のは・・・・。」

現在―紅羽・アキ

 目の前には無数の魔物

紅羽「こんなときに・・・」

 アキを背負ったまま言っている

 アキはまだ寝ている

魔物「(鳴き声)」

 魔物が襲い掛かってくる

 それを見て

紅羽「仕方がありません。あなたの骨は責任を持って僕が拾います!!」

 紅羽が背負っているアキを

 敵に向けて投げる

魔物「(鳴き声)」

 無数の魔物がアキに襲い掛かっていく

紅羽「アキさん、すみません。僕が助かるためなんです・・・」

 紅羽がざんげをしている

過去―ステラ・レイ子供

 ステラがレイを下ろす

ステラ「ここまでくれば、平気ね。」

 レイが殺意むき出し

レイ子供「おねえ・・・・。どうして!」

 ステラが悲しそうな顔をして

ステラ「ごめんなさい。でも、わかってほしいの。私はあなたが大事だった。あそこで、“もの”として扱われるのを見ていられなかったの・・・。それは、本当なんのよ。」

 ステラの言葉に対して

レイ子供「それも僕を惑わすための詭弁?僕の心をもてあそんで楽しかった?」

 不信感を持っている

ステラ「そうね。私はあなたを裏切ったんだもん。それくらい言われても当たり前よね。でも、お願い。今だけ私を信じてほしいの。」

 まだ信じない

レイ子供「そんな言葉で!」

 ステラが首を振って

ステラ「うん、信じてなんていわない。だったら、逃げて。力をつけて。あいつらに捕まらないように。あなたは、私にとっての一番だから。」

 ステラがレイの唇を奪う

レイ子供「(M)おねえちゃん・・・・。なんだろう、暖かい何かが・・・」

 レイの中に何かが入っている

ステラ「気が向いたら・・・。私を信じる気になったら、“位相の吸血鬼(ツァーペリン)”――――ツァーペリン・ジュークレイドって――――うんうん、なんでもない。あなたは、生きて、あいつは、私が引き受けるから。」

 ステラがレイから離れて

 緋骸のいる方角を見る

ステラ「されじゃぁ・・・・さようなら。」

 ステラが歩き出す

レイ子供「・・・さようならじゃないよ。またね・・・・だよ。ステラおねえちゃん。」

 ステラが立ち止まる

 振り返りはしない

ステラ「(泣きながら)ありがとう、レイ。これなら、お姉ちゃんもがんばれそうだよ。・・・・またね。」

 ステラが走っていく

レイ子供「うん、またね。」

ステラ「(M)さようなら、レイ―――――私の位相の力、あなたに託すわ。」

現在―紅羽・アキ

 紅羽が逃げる算段を立てている

魔物「(悲鳴)」

 そこに悲鳴が聞こえる

紅羽「えっ!?」

 悲鳴が聞こえたほうを見る

アキ「(寝言)紅羽君のば~~~~か~~~~~~!!!!!」

 アキが暴れている

 意識はないようだが、

 魔物が次々に倒されていく

紅羽「・・・・アキさんの寝相が悪いってレイさんが言っていたけど・・・・本当だったんだ。いや、それ以前に寝相が悪いで片付けられる問題なのかな?」

 結局、アキさんの寝相の悪さで

 魔物が全滅する

アキ「(寝言)むにゃむにゃ・・・・レイだめだよ~~~、みんなが見ているよ・・。」

紅羽「・・・いったい、どんな夢を見ているのかな?」

 紅羽の疑問だけが残る

過去―レイ

 レイが立ち上がる

 手には剣が現れる

レイ子供「お姉ちゃんのぬくもりを感じる・・・」

 近くにいないのに近くにいるように感じる

 暖かい何かが中からあふれていく

レイ子供「僕は、“位相の吸血鬼(ツァーペリン)”・“XⅨ-Raysis(ジュークレイド)”。お姉ちゃんがつけてくれた名前。大事にするよ。僕の大好きなおねえちゃん。」

 レイの周りに位相のずれが現れる

レイ子供「僕は生きていくよ。これからもずっとこの命が尽き果てるまで、しぶとく生き抜いて見せるよ。お姉ちゃん。」

過去―緋骸・ステラ

 二人が対峙する

 中心には力の拮抗が生まれている

緋骸「やはり、意識があったのですね。最強の吸血鬼。」

 真紅の剣舞が辺りを飛び回っている

ステラ「えぇ、あなた方の蘇生のおかげでね。」

 エレスを口に含む

緋骸「完全な構築式がかえって仇になるとはね・・・・。ですが、もう一度、あなたを処刑します。」

 真紅の剣舞により災厄が降り注ぐ

 血による攻撃

 ステラの体を傷つけていく

ステラ「真紅の剣舞。呪われし武具ですね。でも、そんな古代の兵器。」

 ステラが上空に手を伸ばす

 魔力が放出され

 火の粉が降り注ぐ

 血を蒸発させていく

緋骸「あんたの力がその程度のわけがない。本気をだせ!位相の吸血鬼としての力を見せてみろ!」

 辺りに舞い散る火の粉が

 緋骸を包み一気に燃焼する

ステラ「くすっ、それは、レイに渡してきました。」

 ステラの体が発光する

緋骸「そんなで、オレと戦おうというのか?気が触れたか?」

ステラ「かもしれませんね。でも、位相の力があれば、あなた方とはいえ、そう簡単にレイに手出しはできなくなります。私はレイとの生活で―――――いえ、これは関係がありませね。」

 更にステラの体が光を持っていく

緋骸「かつての最強の吸血鬼も落ちたものだな。」

 血の剣が緋骸に宿る

ステラ「くすっ、知っていますか?命の花が燃え尽きるとき、その力はすべての邪悪をはらうのですよ。」

 ステラの力が暴走を始める

緋骸「くっ、オレと心中しようと言うのか!」

ステラ「えぇ、こんな私でもあなたと会い打ちできれば、上等です。」

 ステラの力が暴走して

 すべてを払う光の力へと変わる

現在―緋骸・エビル

エビル「さ~て、それじゃぁ、次は~。」

 どこかの森

 緋骸は見覚えがある様子

緋骸「ここは・・・」

エビル「そう、キミとステラが戦った場所。思い出したかい?」

 緋骸が悲しそうな顔になる

緋骸「あぁ、思い出した。オレは一度ここで死んだんだ。死んだはずだった。でも、目覚めたら蘇生していた。そして、力を得ていたんだ。新しい力を。」

 それを聞いて

エビル「(M)これで、またひとつ宝珠が強くなった。」



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