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第16翼~最強の吸血鬼―The last of vampire―~



過去―ステラの家

 レイが眠っている

 だが、何かの声が響く

ステラ「(悲痛)レーーーーーイーーーー!!」

 レイの頭の中にだけ響く声

ナレ「静かな夜の出来事。そんな夜の出来事。そんなある夜の出来事。」

 ステラの声でレイが飛び起きる

 何かを悟ったような雰囲気

レイ子供「(M)お姉ちゃん!!!!」

 レイが起き上がり走っていく

過去―ステラVSエル

 エルの刃がステラの胸を貫いている

エル「ふっ、たわいない。この程度なのか?」

 ステラが血を吐く

ステラ「(血を吐き)ぐふぁっ!?だが・・・」

 位相のずれが出現して

 エルの刃を折る

エル「くすっ、あなたはよく耐えました。よくがんばりましたね。でも、もう逃げてはどうですか?」

 折れた刃を修復する

 もうひとつの断片は、ステラに刺さったまま

ステラ「そんな台詞で、私を惑わしますか?無駄ですよ。私は惑わせない。惑わされない。あなたの言葉は私には響かない。」

 ステラが真紅の結晶を口に含む

 膨大な源素が満ち溢れていく

エル「エレス――――ですが、今のあなたにその対価は支払えない。」

 ステラの体に力が満ちていく

 膨大な対価が支払われていく

ステラ「私をあなた方と同じとは思わないでください。」

 ステラが手を前にかざす

 それと共に辺りの位相が完全にずれる

エル「なっ・・・」

 的ははずしたが

 驚きと畏怖を与えるには十分な威力だ

ステラ「どうです?本当の私の力は。」

 ステラの後ろに悪魔のようなシルエットが浮かび上がる

 その力だけで、辺りの魔導機械は破壊されている

エル「だが・・・オレは負けない。」

 エルもエレスを飲み込む

 ステラのそれとは輝きから違うものを

 一気に力が膨れ上がっていく

ステラ「なるほど、軍支給の結晶ですね。」

 エルの力が膨れ上がり、

 底なしのように膨れ上がっていく

エル「貴様のそれとは違う。こっちは、究極の!!」

 砂煙が巻き怒る

 次の瞬間、エルがステラの後ろに現れる

ステラ「くっ・・・」

 無数の切り傷がつく

エル「どうだい?この膨大な力は。」

 その傷が治っていく

ステラ「うふふふふっ、私も甘く見られちゃったね。」

 エルの速度を超える攻撃

 すべてがエルを傷つけていく

エル「なっ・・・」

 エルの体も修復されていくが、

 その速度よりも早い無数の攻撃

ステラ「私を甘く見すぎなのですよ。『位相の吸血鬼(ツァーペリン)』の力を。」

 膨大な位相のずれが出現する

 そのずれが辺りを壊していく

エル「くっ・・・・この力は・・・」

 エルが飲み込まれそうな中

 レイが駆けつける

レイ子供「おねーーーーーーーーーちゃーーーーーーん!!!!」

 レイの言葉と共に

 レイの体から光があふれてきて

 その場のすべての源素を乖離させる(魔法系)

ステラ「これは・・・」

 二人の魔法自体が消え去る

 一瞬のすき

 瞬間、研究者がレイを捉える

研究者「そこまでだ。」

 物理的なナイフで、

 レイの首筋に当てる

エル「なるほど、その子供が、『X(エックス)Ⅸ(ナイン)-Raysis(レイシス)』。俺等の目的というわけか。」

 エルが膨大な魔力・源素をステラに

 直接ぶつける

ステラ「きゃっ!?」

 エルと研究者が消えていく

 レイが浚われる

宿屋―アキ・紅羽

 紅羽が宿を取り

 アキを部屋に運びベッドに横たえさせる

紅羽「さて、行きますかね。いま、アキさんを守れるのは、僕だけですしね。」

 紅羽が部屋から出て行く

 アキは相変わらずベッドで横になっている

宿屋の近く

 荒れ果てた高原が続いている

 荒んだ風が吹き荒れている

シリエル「ふむ、キミがここにいるということは・・・」

 シリエルが紅羽をにらむ

 紅羽もシリエルを見ながら

紅羽「何のようですか?あなたのような人間が・・・」

 シリエルが更にきつい眼をする

シリエル「吸血鬼は、どこですか?」

 魔力が集中している

紅羽「まだ、レイさんを狙っているのですか?」

 紅羽の腕に杖状剣が現れる

シリエル「あぁ、オレにとって吸血鬼はすべて敵だからな。」

 シリエルの周りに刃は現れないものも

 ものすごいさっきが飛び交っている

紅羽「変わっていませんねあの頃から、ずっと。」

 紅羽の魔力も集中していく

シリエル「そして、喜べ。今回のオレの任務は、『緋骸真紅』の抹殺――――これで、心置きなくあの吸血鬼を殺せる。」

 言葉と共に刃が具象化され

 紅羽に飛んでいく(2~3個)

紅羽「レイさんの抹殺・・・・させません!あなたは、ここで僕が止めます。」

 杖状剣で刃を打ち落とす

シリエル「紅羽君、以前も同じようなことをいっていましたね。キミの力では僕にはかなわない。」

 2~3本の刃

 具象化された2本の剣

シリエル「“屍環珠”、“死喪憑”」

 2本の剣による攻撃

 それを杖状剣で防いでいる

紅羽「えぇ、あの時は負けましたよ。結局は、守るべき(レイさん)に守られました。僕は無知で無力でした。でも、今の僕なら。」

 炎の力を杖状剣に宿す

 燃え上がる杖状剣

 一気に二本の剣を折る

シリエル「ふむ、言葉以上にやるようだな。だが、オレの力が以前と同じだと思うのか?」

 12本の刃が出現する

 一気に放出される

紅羽「なっ・・・12本の刃――――あの頃は、2~3本だったのに。」

 紅羽の一瞬のすきで

 12本の刃が襲い掛かる

シリエル「キミの魔法もレベルアップしたようだね。でも、その程度じゃオレには勝てない。さぁ!さっさと吸血鬼を出せ!!」

 再び、12本の刃が襲い掛かる

紅羽「レイさんは、僕が守ります!!」

 12本の刃をはじき返す

シリエル「分析能力は高いようですね。」

 再び刃による攻撃

 今度は半分くらいしか防げない

紅羽「くっ・・・」

 致命傷は防いだがかなりのダメージ

シリエル「さぁ!さっさと吸血鬼の居場所を出せ!!」

 刃が次々に襲い掛かってくる

 紅羽は段々慣れてくるが

 緩急をつけたりして、

 抵抗力を揺るがしていく

紅羽「さすがは、特務の依頼をこなす・・・」

 杖状剣で防ぎながら

 回避を踏む

紅羽「でも!」

 防御を捨てて

 一気に踏み込み

 杖状剣を振るう

シリエル「予測の範囲内だぜ。」

 完全に回避する

 そして、

シリエル「返り討ちだ!」

 剣を振り下ろす

紅羽「くっ」

 杖状剣で防ぐが

 シリエルが振りおろしから

 つきを繰り出す

シリエル「“残連”!」

 つきがヒットした瞬間、

 シリエルの姿が紅羽の後ろに現れる

紅羽「ぐふぁっ!?」

 紅羽の体から血液があふれる

シリエル「どうする?まだ、続けるか?」

 紅羽が立ち上がりながら

紅羽「まだ、僕はあきらめません。僕は生きているんだから。

 再び杖状剣を出す

研究所―緋骸・エビル

 緋骸が立ち止まる

 何かを思い出しているようだ

緋骸「ここは・・・」

 緋骸の表情が曇る

エビル「ここなら、調べられるよ。」

 緋骸の表情が直らない

緋骸「(M)父さんと母さんが――――いくぞ、エビル。」

 緋骸が中に入っていく

エビル「(M)さぁ、過去と向き合うんだよ。それが、宝珠を強くする。」

 エビルも進んでいく

過去―研究所―ステラ

 敵を葬り去り

 進んでいく

ステラ「このていどで、時間稼ぎのつもりか?」

 無数の魔導兵器が襲い掛かってくる

ステラ「邪魔するんじゃない!」

 位相のずれが広がっていく

過去―レイ

 研究所の最奥

 レイがつなげられている

研究所「やはり、宝珠はキミの中にあったのですね。」

 レイの胸の部分に手が入り込んでいる

 だが、宝珠は抜き取れない

エル「さっきのが、“絶対領域(アブソリュート)”―――すべての源素を乖離させる究極の技。」

 エルが資料を読んでいる

研究所「えぇ、表向きはね。」

 意味深な言葉を残す

エル「表向き?」

 研究者が力を込める

研究者「さて、キミの宝珠はどちらの力を秘めているんですかね?」

 レイの体から光が満ち溢れていく

 銀色の光

 髪が銀糸のように輝いていく

 それと共に真紅の瞳も輝きを灯していく

レイ子供「(M)くっ、お姉ちゃん・・・」

 レイの体から次々に光が生まれていく

研究者「ふむふむ、覚醒率もなかなかのようだな。さすがは、ステラだ。」

 何かに記述をしていく

レイ子供「(M)この人たち・・・おねえちゃんを知っているの?」

 力がどんどん膨れ上がっていく

エル「だが、こいつも災難だったよな。研究所にいれば、感情なんて持たなかったのに。」

 それを否定するように

研究者「ステラはよくやってくれたよ。ステラのおかげでレイシスが育った。われわれの思惑通り。」

 言葉の意味を理解しつつあるレイ

レイ子供「(M)そんな・・・それじゃぁ・・・・」

 力が更に広がっていく

エル「どうやら、意味を理解したようだな。そのとおりだ。貴様は利用されていたのだよ。」

 とめられない力が更に広がっていく

レイ子供「うそだ・・・うそだぁーーーーー!!!!!」

 レイを中心に源素がすべて乖離していく

研究者「エル・・・障壁を。」

 エルが手をかざす

 研究者とエルを包む障壁ができる

エル「任せてください。」

 力が一気に広がり辺り数キロを完全に消し去る

現在―緋骸・エビルVS

 最下層にたどり着く

 そこに現れる覇気

 この世の力とは思えない殺気

 無数に飛び散り

 すべてを抹殺せんという意思

 辺りに舞い散る黒衣の燐翅

リュート「見つけた。裏切り者。」

 黒衣の羽根がエビルに襲い掛かる

 それを赤き刃が防ぐ

緋骸「なるほど、あんたもお尋ね者になったわけか。」

 不気味に微笑みながら

エビル「そういうわけなんだよね~、だから、この際――――」

 エビルの闇の力も強くなっていく

リュート「なるほど、おまえは、XⅨ-レイシス。だが、今回は見逃してやる。僕の目的は、そこの出来損ないの抹殺だ。」

 再び黒衣の燐翅がすべてを攻撃する

 特にエビルへの攻撃が高い

エビル「この程度で、僕を倒すつもりなのかい?」

 エビルの闇が黒衣の燐翅を飲み込んでいく

緋骸「あいにく、オレも裏切りの身分なのでね。」

 辺りに緋骸の鮮血が飛び散る

 その鮮血が意思を持ち

 リュートに襲い掛かっていく

リュート「邪魔をするのなら、容赦はしませんよ。誰であれね。」

 辺りに光が宿っていく

 その光が二人を貫いていく

緋骸「ふっ、その程度の攻撃!」

 真紅の剣舞が光から守る

エビル「その程度の光なんて無駄なんだよねー。」

 光を飲み込み

 闇に変えていく

緋骸「“真紅なるもの。偉大なる鮮血。われにつどへ。”」

 呪と共に辺りに響く無数の邪気

 真紅の輝きがすべてを攻撃していく螺旋となる

リュート「“光よ”」

 光が真紅の螺旋を消し去り

 エビルの体にもダメージを与えていく

エビル「くっ・・・」

 緋骸がエレスを含む

緋骸「本当に面白い。まさか、7神将最強と名高いあなたと戦えるなんてね。」

 いつの間にかリュートにⅠの印が現れている

リュート「ふむ、貴様とやりあえるのも楽しそうだな。」

 緋骸もリュートと同等の力を放っている

緋骸「エビル、キミは下がっていなさい。ここは、オレが倒す。」

 エビルの周りに結界が張られる

エビル「えぇ、任せましたよ。緋骸真紅」

 エビルが結界内で、休み始める

リュート「なるほど、貴様を倒さなければ、エビルの始末はできそうにないな。」

 リュートの速度が急激に速まる

緋骸「そのとおりですよ。オレを倒してからにしてください。」

 緋骸の速度も上がる

 何度かの交錯

 互いに致命傷にはならないものも

 ダメージは受けていく

リュート「本当に面白い方ですね。力も使わずに僕と対等に戦えるなんてね。」

 リュートは戦いながら

 構築式を組んでいるようだ

 リュートの通る道が術式になっているようだ

緋骸「面白い術式ですね。戦いながら術式を組むなんて。」

 無声呪文

 緋骸が無音・無動作で呪文を発動させる

リュート「あなたの力もなかなかですね。無音だけでなく、無動作で呪文を放つなんて。」

 血の螺旋がリュートに襲い掛かる

緋骸「“ブラッティ・ワルツ”」

 その血を一気に蒸発させる

リュート「僕の術式も完成しましたよ。」

 空中に描かれた光の線

 上空から降り注ぐ光の嵐

 何かの陣のようだ

緋骸「これは・・・空間魔法ですね。」

 辺りとは隔離された空間

 緋骸の結界とはわけが違う

リュート「えぇ、僕の空間魔法。“神魔光界”」

 空間魔法というより

 エビルたちの使う陣に近い

緋骸「特性などいい、貴様を倒す!!」

 真紅の力が広がっていく

 だが、その力が業にならない

リュート「貴様の業を償え。」

 光の雨が降りしきる

 触れたものを蒸発させていく

緋骸「くっ・・・」

 真紅の剣舞にてかろうじて防ぐが

 力の発動はできていない

リュート「“降りしきる断罪の剣よ。”、『ヘブンズ・カルマ』」

 更に強大な力が

 緋骸に降り注ぐ

 真紅の剣舞すらも貫いていく

緋骸「くそっ!!」

 生み出した力をすべて真紅の剣舞に与える

 だが、一気に真紅の剣舞が消え去る

リュート「これで、次の一撃は交わせまい。」

 真紅の剣舞が見えなくなっている

 存在自体消えているようだ

緋骸「負けたくないんだ!!」

 一瞬、緋骸の影がぶれる

 別な何かが現れたようだ

レイ「“咎とされし力よ――――純漸なる光の霊気よ。我が言霊を聞き入れ、すべてのものに無にも等しき――――”」

 辺りの源素がすべて乖離を始める

リュート「くっ・・・この力は・・・」

 そして、すべての源素を再び飲み込んでいく

レイ「“虚無なる導きを放つ力よ。咎とされ、畏怖されし力よ。我が真なる言霊を聞き入れ、すべての無にも等しき呼びかけよ。”」

 レイの力によりすべてを飲み込んでいく

 すべての源素を得ていく

リュート「(M)くっ、これが・・・」

 リュートには何もできない

 空間すらも砕け去っていく

レイ「『位相の吸血鬼(ツァーペリン)』と『絶対領域(あぶそりゅーと)』の力を甘く見るな!!」

 すべてがずれていく

 そして、後には何も残らない

 すべてを無力化していく

 残ったのは、元ある空間だけ

エビル「無事、戻ってきたようだねー。」

 エビルが完全に回復している

緋骸「・・・なんとかな。」

 自分でもよくわからないようだ

 何が起きたのか

エビル「くすっ、どうやら――――――」

 エビルが何かに感づいたようだが

緋骸「それよりもだ、早く資料を探そう。」

 緋骸が先に進んでいく

エビル「(M)くすっ、そんなに彼女を守りたかったのかい?第7の戦士。」

 緋骸の真紅の剣舞も再生している

過去―レイ

 辺りには何も残っていない

 すべてが無に還っている

レイ子供「お姉ちゃん・・・どこ?」

 レイが辺りを見ている

 そこには誰もいない

 レイだけがいるようだ

レイ子供「お姉ちゃん・・・」

 歩き回っている



レイ「僕はあの時、何も気づかなかった。自分の力のこと、自分が何をしてしまったのか。そのことを知るのは当分後になってしまうが、このときの僕は無知で、無力だった。いまも無力で無知なのかもしれないが、このときの僕は本当に何も知らなかったのだ。それがよかったのかわるかったかはわからない。でも、僕はおねえちゃんを探しに旅に出ることにしたのだ。それが、この後の運命を大きく変えたなんて知らずに。」






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