40 首筋クンクンは反則ダニ!~リーダーの匂いとダイフクの猛ダッシュ~
くわわわわっと大きく欠伸をするクロッチ。よじよじといじけたダイフクが、すり寄って来た。
「ダイフク、あんまり俺に引っ付かないで欲しいニャン」
「んなッ、クロッチは、俺のこと嫌いダニ?」
「..........違うニャン。さっき親友発言したニャン」
じゃあ、何でだと詰め寄るダイフク。仕方ないと諦め顔のクロッチ。
「まず、ダイフクには、玉が着いてないニャン」
「..........クロッチ、破廉恥ダニ」
「雄のお猫様には、必ず玉が付いているニャン」
「モフモフっとした毛の中に、隠れてると思ってくれてると思わないダニ?」
「馬鹿ニャン!思うわけ無いニャン!そんな事思うのは、チャイロぐらいニャン」
「でも、俺、自分の事【俺】って言ってるダニよ?」
「ダイフク、最初から俺って言ってただけニャン」
ジリジリとダイフクに擦寄られる為、クロッチは、日向から押し出される。
「もう、隠す必要ないから言うけどな、ダイフクは、ずっとリーダーに守られていたニャン。これ以上は、俺が怒られるから言わないニャン、後はリーダーに直接聞くニャン」
再び、ダイフクをオデコで日向から押し出すと、クロッチは丸くなってお昼寝を始めた。
「クロッチ~」
甘えた声を出すも、クロッチは夢の中。前脚で突いてみるも、まるっと無視されてしまった。
ダイフクは、クロッチの側で、がっくりと項垂れた。
「だって、リーダーに嫌われたら怖いダニ」
ポツリと弱音を呟く。
「ダイフク?」
背後から声を掛けられ、ピクンとダイフクは、背筋を伸ばす。聞きたかった声だけど、聞きたくなかった声。背後は、怖くて振り返れない。だけど、耳だけは声のする方にしっかりと向いていた。
「..........ダイフク?俺と少し話しを使用にゃ」
ゆっくりとダイフクに近づいてくるお猫様。ダイフクは、胸がざわざわして落ち着かない。
「俺、少し忙しいダニ」
「そうか?」
側に寄って来たお猫様は、ダイフクの首筋をクンクン匂いを嗅いでくる。頬をスリっとダイフクに擦りつけて自分の匂いを上書きしていく。
「クロッチは、お昼寝してるみたいにゃ」
「..........さっきまで、俺と話していたダニ」
「うん、見ていたにゃ。だけど起こしたら悪いから、少し場所を変えようにゃ」
「..........リーダー」
ダイフクは、自分に身体を擦り付けるサビ柄のお猫様に振り返った。
バクン。ダイフクは胸の音がひときわ大きくなった気がした。自分を優しく見つめるリーダーの笑顔が直視出来ない。今までは、居心地の良かったリーダーの側が、今は何処かに走り去って行きたい気持ちで一杯だった。
「俺、用事を思い出したダニ!また、今度ダニー」
ダイフクは、一目散にリーダーの側から、走り去って行った。




