39 俺、玉がないダニ!~バレてないのは自分だけだった衝撃の午後~
「うにゃにゃにゃにゃにゃにゃ~」
ダイフクは、雄叫びを上げながら、シロジの側から走り去って行った。
「おぉ、あのダイフクが、あんなに早く走れるとは、初めて知ったなもし」
「..........ところで、ダイフクはメスのお猫様って、内緒にしていたのかにゃあ?」
「シロジ、敢えてみんなは、気づかないフリをしていただけだなもし。それをお前は.....。まぁ良い、そろそろ意識しても良い時期だなもし」
「俺、ダイフクに悪い事したにゃあ....」
「..........お前も、鈍すぎるなもし」
ムーンは、しょんぼりするシロジに、ため息を吐いた。
「にょわわわ~!クロッチ、クロッチ~」
真っ白なモフモフっとした塊が、日向ぼっこ中のクロッチに突撃して来た。
「どぅわっ!なんだ、なんなんだニャン!おぉ?ダイフクどうしたニャン?」
ダイフクの突撃に、尻尾がボアボアになりながらも、クロッチはモフモフな塊がダイフクと認識した。
「ダイフク、何があったニャン?」
クロッチの胸元で、顔をグリグリするダイフクの頭を前脚でポンポンと突いた。
「クロッチ~、俺どうしようダニ~」
「どうしたニャン?リーダーに怒られたのかニャン?」
「クロッチ、俺の友達ダニ?」
「おう、ダイフクの友達ニャン!」
「俺たち、親友ダニ?」
「ガキンチョの時からの、大親友だニャン」
少しずつ落ち着いてくるダイフク。クロッチの胸元から、そっと顔を離すと、上目遣いにクロッチの顔を見つめた。
「俺、みんなに内緒にしていたことが有るダニ」
「..........ダイフク?」
「リ、リーダーにも内緒にしていたダニ」
ポロポロと涙を流すダイフクに、クロッチはドキリと胸が鳴る。涙溢れる目尻をペロリとクロッチは、舐めた。
「ダイフクは、何を内緒にしていたニャン」
「俺、俺、た.......」
「た?」
「..........た」
「た、がどうしたニャン?」
「クロッチ~。俺、玉がないダニ!」
呆然とするクロッチ。思わず、ダイフクにときめいてしまった自分に、腹が立ってくる。
「それが、どうしたニャン」
「え?」
「ダイフクが、女の子だってこと、みんな知ってるニャン」
「え、えぇ?」
「バレて無いと思っているのは、ダイフクだけニャン」
マジですか?と驚きを隠せないダイフク。クロッチは、呆れながらダイフクにを見て深いため息を吐いた。
「多分気づいていないのは、チャイロくらいだニャン」
「むおぉ~!リーダーも、リーダーも気付いているダニか?」
「お前、リーダーをなんと思っているんだ。何を根拠にバレていないと思ったニャン」
日向ぼっこを邪魔されたクロッチは、ダイフクをおでこで押しやると、良い具合にお日様が当たる位置に座り直した。




