38 幸せを決めるのは俺……私ダニ!ダイフクの秘密と人間のエゴ
ムーンは、部屋の片隅で、チャイロたちの様子を見ていたリーダーに声をかけた。
「リーダー、あなたが作ったニャンダバーもこんなに成長したなもし」
「俺は、ただ居場所を作っただけにゃ」
「そうかも知れませんが、あなたが居なければ、みんなただの野良お猫様。幸せも、未来も見出せなかったなもし」
リーダーを見つめて、ムーンはニッコリ微笑んだ。
「..........俺は、人間が好きだにゃ」
「知ってるなもし」
「お猫様として生きる為には、人間を理解する必要があるにゃ」
「もちろん」
「だから、人間に愛されるお猫様なってもらうために、人間とどの様に心通わせるかを知ってもらいたかったにゃ」
「..........そうですね」
リーダーもムーンも、それ以上言葉を交わさなくてもお互いを理解していた。
「リーダー、そう言えば最近、人間たちによるお猫様誘拐事件が発生しているなもし」
「..........誘拐かにゃ?」
「数日経てば、攫われたお猫様はない解放されるらしいなもし。ただ......」
「ただ?」
「帰ってきたお猫様は、揃いも揃って、片耳が欠け、玉無しの儀式を施されているなもし」
リーダーは、前脚で顔を洗いながら考えた。
「..........人間たちによる自己満足な慈善活動か」
「一応、ニャンダバー全体にも知らせておくべきかと思うなもし」
「ムーン、報告してくれて有難うにゃ」
人間の愛護団体による自己満足による、お猫様にとって大変迷惑な慈善活動。野良のお猫様は、不幸だと決めつけ、勝手に玉無しの儀式(去勢手術)を施し、目印として、片耳をカットするといった活動内容だった。
「俺たち、潜入お猫様出なくても、玉無しの儀式をされるんダニ?」
ダイフクが丸い顔を、傾けながら聞いてきた。
「なんでも、不幸なお猫様を増やさない様にって言う、人間のエゴだにゃあ」
シロジが、ダイフクに説明した。
「むむ!幸せかどうかは、俺たちお猫様が決める事ダニ」
「ダイフクの言う通りだと思うにゃあ。だけど、人間たちは、野良お猫様は、幸せになれないと思っているんだにゃあ」
「勝手だ~!俺は、ばあちゃんに生きてて楽しいって教えて貰ったダニ。リーダーに居場所を貰って、クロッチと友達になって、それからムーンさんや、シロジさんと知り合いにもなって、んでもってチャイロとも出会えて、いっぱいいっぱい幸せあるダニ!」
フーフー息をしながら、ダイフクは、自分の幸せ具合を捲し立てた。リーダーは、シロジの頬をペロリと舐めた。
「お前は、最初に出会った頃から、変わってないにゃ」
「リーダー、何をいうダニ。お、俺を褒めても仕方ないダニ」
「..........ダイフク。素直に喜べば良いにゃあ。いくら俺って言っても、お前は可愛い雌のお猫様なんだからにゃあ」
ニャンダバーの七不思議の一つ、【ダイフクは、実は女の子】が、シロジによって、暴露された。




