37 チャイロ、父ちゃんになるニャン!~春の陽だまりとおじさんたちの祝杯~
寒かった冬が終わり、ぽかぽかと街のあちこちに春がやって来た。
お猫様たちは、ひなたぼっこがあちこちで出来ると大喜び。また、春はお猫様にとって、恋の季節。ニャンダバーのお猫様にも、恋の季節は平等にやって来た。
「アニキ~!アニキ~!」
カラダがすっかり大きくなったチャイロ。クロッチと体格はほぼ同じにも関わらず、アニキと呼び続けていた。
「チャイロ!声うるさいニャン」
お昼寝していた黒猫のクロッチが、チャイロを嗜める。
「おぉ、チャイロ。久しぶりなもし、元気にやっとるか?」
「ムーンさん、お久しぶりニャン!」
「慌てて、飛び込んで来たが、どうしたなもし?」
「どうせ、ミントちゃんが、今日も可愛かったとかダニ」
ウンザリしたダイフクが、悪態を吐く。
「ダイフクさん、彼女いないからって八つ当たりしないでほしいニャン」
「んな!クロッチ!チャイロが生意気ダニ!兄の教育がなってないダニ」
「ダイフク~。図星刺されたからって、俺に泣きつくニャン。チャイロもダイフクを虐めるんじゃないニャン」
「ハハハッ。相変わらず、お前たち仲良いんだなもし」
お外へのお出かけが自由になったチャイロは、事あるごとにニャンダバーへやって来る。そして、クロッチやダイフクにミントに対する惚気話しをしていくのだった。
「アニキー!オレッチ、ついに父ちゃんになるニャン」
「まじニャン?」
流石のクロッチも、ピクンと背筋を伸ばした。
チャイロが、三丁目の喫茶店に潜入して、約1年。チャイロの嫁、ミントとの間に、ついに赤ちゃんが出来た。
「チャイロ!おめでとうニャン。リーダーに早く報告するニャン」
「..........クロッチ、おじさんダニ」
「お、おじさん!ん~、響きは悪いが許すニャン。だって、ダイフクもおじさんニャン」
ニャンダバーのお猫様たちは、ミントの妊娠に喜んだ。
「よーし、みんなでチャイロたちのお祝いだにゃあ」
お祭り好きのシロジが、喜びの声を上げる。
「チャイロ、おめでとう!」
「元気に生まれて来るといいにゃ」
「立派なお父さんになるんだぞ」
チャイロは、モジモジしながらみんなにお礼を言った。
「オレッチ、ニャンダバーと出会えて感謝いっぱいだニャン。約2ヶ月後にお父さんになれる未来に感謝だニャン」
幸せいっぱいの弟チャイロ、その様子を見つめるクロッチも緩やかな優しい表情を浮かべていた。




