↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
掌編小説シリーズ  作者: 藤泉都理
2021.4.
PR
172/2529

しゃぼん玉の行方




 弾け散ればいいと強く願う。




 手を洗っている時に偶然生まれるしゃぼん玉。

 一度目を離せばどこに在るのかわからないほど小さいものがひとつふたつ。

 うえにしたにひだりにみぎに。

 ゆうげんにうきあそび。

 はじけちる。


 空に還るのか。

 土に還るのか。

 人に還るのか。


 どこにせよ、地球の中。

 一つの中からは抜け出せない。


 巡り廻るのだから消え去れない。








「よう」

「おお」


 気まずげに挨拶を交わし、そそくさと背を向けて歩き出す。お互いに。

  

 酒の勢いもあった。

 それは確かに認めよう。

 しかし、悪いのは自分。

 友人の旅立ちの日付を間違えた自分。

 感情を爆発させた自分。

 似合わない花束それもめっちゃ大きい求婚でもするのかと微笑まれるくらいの花束を渡した自分。


(あ~。酒が記憶を消し去ってくれればよかったのに~俺のもあいつのも)


 次にいつ会えるのかわからないくらいの別れ、旅立ちだったのだ。

 だから素直に、今までに言ったこともないくさいセリフも言えたのに。

 まだ一か月も先だなんて。


「~~~あ~」


 しゃぼん玉みたいに記憶が弾け散ればいいのに!

 






(2021.4.14)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。