第三章 29話
本日2話目の投稿、次回は6/5の予定です。
野営の準備が終わった頃には日が暮れ始めた。
「もうじきアンデッドが迷宮から湧き出す頃かのぅ?」
「そうねぇ、そろそろじゃないかしら?」
俺の寝袋の手触りが相当気に入ったのか、用意して置いてある寝袋を触りながらレミリーさんがそう言う。
「んー、これ本当に良い布団ねぇ」
「良ければレミリーさんの分も新しく作りましょうか?」
「本当? なら、お願い」
「了解です」
レミリーさんには魔法を教えて貰ってるし、お礼にもなるだろう。でも、布団だけじゃお礼には足りない気もするし、他に何かあるか?
そんな事を考えつつ、俺はディメンションホームに入って布団を作る。
シーツを丁寧に縫い合わせて袋を作り、縦に何度か等間隔を空けて端まで縫い、均一に綿毛を詰めながらマス目を作っていく様に横に等間隔で縫っていく。1人では時間がかかる作業だが、俺にはメタルスライムの手伝いがあるのですぐに作業は終わる。
俺が寝具作りで試作品を作っている内に、何時の間にかメタルスライムが裁縫を覚えていたからだ。
メタルスライムが体を器用に針状に伸ばし、その先端に糸を取り込んで布に突き刺す。そして縫っていく先に新しく出したもう一本の針を突き刺し、布の下で針を曲げ糸を受け渡し、引き抜いて……という作業を繰り返して波縫いするのを初めて見た時には驚いた。それから色々教えて、今では返し縫いやかがり縫いも出来る様になっている。
そんなメタルスライムの力も借りて、フラッフスライムの綿毛布団を完成させる。
しかし材料が余分にあったので、レミリーさんの分だけではなく他の3人の分も作ろうとしたのだが、出来た綿毛布団は全部で3人分。全員に配るには1人分の材料が足りなかった。
とりあえずディメンションホームから出ると、ホーリースペースの外にちらほらとアンデッドの姿が見えた。少しずつだが迷宮から出てきた様だ。
アンデッド達はホーリースペースの近くに寄り付く事が出来ず、ホーリースペースの端から1m程の距離を保ちつつこちらの様子を伺っている様に見える。
それを眺めていたらレミリーさんから声がかかった。どうやら4人でお茶を飲んでいたらしい。
「あっ、リョウマちゃん。お布団出来た?」
「はい、レミリーさんの分とあと2人分出来ました」
「2人分?」
「全員分作ろうと思ったんですが、材料が足りなくて作れませんでした」
俺はレミリーさんの言葉にそう返すが……やはり周囲のアンデッドが気になる。そんな俺を見てシーバーさんがこう言う。
「アンデッドが気になるか?」
「ええ、あまり従魔じゃない魔獣の近くでお茶を飲む機会が無かった物で……」
「そう思うのも仕方がないが、無駄に気を張っても疲れるだけじゃぞ」
ラインバッハ様がそう言った直後、唐突にレミリーさんが声を上げ注目を集める。
「そうだわ!」
「突然どうしたんですか?」
俺がそう言うとレミリーさんは名案を思いついたと笑い、胸を張ってこう言った。
「布団が1人分足りないのなら、私とリョウマ君が一緒に寝ればいいのよ!」
……はぁっ!?
「どういう事でしょうか?」
「出来たお布団、1人分足りないんでしょ? 誰か1人仲間はずれは良くないし、私がリョウマ君と寝れば全員に行き渡るでしょ?」
いやいや、確かに布団は行き渡りますが……
「男女7歳にして席を同じくせずという言葉がありましてですね……」
「問題ないわ!」
「何が!?」
話になってない……誰か助けて下さい。
そう思ってラインバッハ様たちの方を見る。しかし、3人は静かに首を横に振った。
「リョウマ君、レミリーは普段からこの様な言動をするから見分け難いが、からかい半分の時と本気で言っておる時があってのぅ……昼間のはからかい半分だったから止められたが、残念な事に今のは本気の様じゃ。こうなると我々には止められん。……すまん」
「ただ寝るだけなんだから恥ずかしがらなくても良いじゃないの、ね?」
良いじゃないのって言われても、困るんですが……俺、前世では母親か仕事場の女性社員位しか関わり無かったし、レミリーさんみたいな美人は居ませんでした。女性社員には特に何かをされる訳でもなかったけど、好かれてはいなかったので仕事上必要な事以外を話す人はいませんでした。
プライベートでは母親のみ、仕事場で女性との出会いと関係は無し。だから当然女性と寝る経験なんてありません。何もせず、ただ寝るだけでも、ありません。というか女性とはデートどころか手をまともに握った事も無いし。……あ、小学生時代に1,2回学校行事で何かの時にあったのを思い出したけど、同時に嫌々手を握る女子の顔まで思い浮かんだ……
そんな事を考えていたらレミリーさんからこんな提案が出た。
「そんなに嫌がらなくても良いじゃない……仕方ないわねぇ。それならこうしましょう。もう少しで迷宮からアンデッドが溢れ出てくると思うから、私とリョウマちゃんで魔法を使ってどっちが多く倒せるかを競う。そして私が勝ったらリョウマちゃんと寝る、これで良いわね?」
何か、どんどん話が進んでる……というか、別に嫌がってる訳では無いです。ただ、慣れない刺激で俺の精神に負担がかかってるんです。精神的苦痛耐性スキルがあるはずなのに、全く仕事をしていない気がするし……もしかして“苦痛”ではないからか? 普通に考えたら嬉しい状況だろうし……
いや、そんなこと考えてる場合じゃない! よく考えたら魔法対決とか不利じゃないか! レミリーさんは上級魔法でアンデッドを一掃出来るんだから!
「レミリーさんに有利すぎませんか?」
「ならルールを決めましょう。お互いにライトボールのみで仕留めていくのはどうかしら? それなら大きな差は出ないわ。
あと、時間制限を設けましょう。魔力が尽きるまでだとリョウマちゃんが有利だし、撃つ回数を決めると実戦経験が長い私の方が有利かもしれない。これで対等じゃない?」
「それなら確かに対等ですかね……」
「納得した? じゃあそういう事で、セバスちゃん達は審判と倒したアンデッドを数えてね!」
あっ、同意しちまった!?
こうして、半ば強引に俺はレミリーさんとの魔法対決をする事になった……
的になるアンデッドが集まるまでは俺もお茶を飲んで休む。そして1時間程が経過した頃。セバスさんがそろそろ良い頃合ではないかと言い、対決が始まる。
ホーリースペースの中からアンデッドと相対する。目の前は、いや、周囲はゾンビとスケルトンの集団に囲まれており、空中には人魂と半透明の人型や霧状の物体が浮かんでいる。
昼間は居なかったその2種類は火の玉のウィスプ、人型と霧状はレイスだ。どれも光魔法に弱いのは同じだが、レイスは精神攻撃と人に取り憑いて操る能力もある。
「準備はよろしいですね?」
「はい、問題ありません」
「OKよ」
「制限時間は10分。それでは、開始!」
アンデッド退治作業が始まる。持久戦になるので、俺はライトボールで目の前のスケルトンの頭を狙う。
「『ライトボール』」
俺が放ったライトボールは真っ直ぐに打ち出され、狙いをつけたスケルトンの頭部を消滅させ、射線上に居る複数のアンデッド数匹の体を貫いて消えた。アンデッドが密集しているので、一度に数匹倒せる事も珍しくない。しかし……
「『ライトボール』『ライトボール』」
「何ですかそれは!?」
後ろに居るレミリーさんは1回の呪文で10個の光の玉を産み出し、1つ1つが正確にアンデッドの頭を撃ち抜いて仕留めていく。
「これは並列詠唱っていう技でね『ライトボール』1回の呪文に多く魔力を注ぎ込んで複数の魔法が発動するイメージで使うと、同じ魔法を複数分1度に発動させる事が出来るのよ『ライトボール』訓練は必要だけどね『ライトボール』」
説明をしながらも攻撃は止めないレミリーさん。そして説明が終わると勝ち誇った様な微笑を見せられた。
そして俺は気づく。まさかルールの撃つ回数制限無しってこのためか!?
俺の表情を見てレミリーさんはこう言って来た。
「今更気付いても遅いわよー『ライトボール』」
やっぱり! こうなったら俺も並列詠唱で対抗するしかない! 余裕の現れかレミリーさんがやり方を教えてくれたし……
「『ライトボール』……『ライトボール』『ライトボール』」
そう思ってやってみたが、何これ超難しい。
1回目は魔力を多く使ったけど、光の玉を複数生み出す事は出来た。しかし5個が限界でそれ以上になると維持できなかった。
2回目は仕方ないから5個でやってみるが、その全てを別々に動かす事が出来ずに5個の光球が1点に集中して飛んでいくので意味が無くなった。
3回目は光球を2つに減らして別々の方向に飛ばす事は出来たが狙いが甘くて片方は敵を仕留めきれず、もう片方は外れた。右手と左手で別の図形を書いてる様な感じだ。レミリーさんも言ってたけど、これは今すぐに出来る事じゃないな。
仕方がないので普通のライトボールを出来る限り早く確実に撃ってアンデッドを仕留めて行くが、差がどんどん開いていく。
向こうが1回で10発放つ間に俺は2,3発しか撃てないからな……無い物ねだりをしても仕方ないが、広範囲を一掃出来ると便利だよなぁ……何か方法は無いだろうか?
そんな事を考えつつ、俺はライトボールを放ち続ける。
考え事しながらでも1発1発を正確に撃つだけなら問題は無い。
アンデッドがホーリースペースの中に入ろうとしないから安全だし、一応最低限の警戒はしてるつもりだけどこうなると何て言うか……ぶっちゃけ前世のゲーセンにあったゾンビを撃つゲームをやってる感じがしてくる。それもゾンビが攻撃してこないから超イージーモード。
もしかしたらイージーモード通り越してク……いや、縁日の射的に近くなってるかもしれない。
あー……そういやこの世界に来てから、当たり前だけどゲームやってないな。今頃あのシリーズどうなってるんだろう?
一時期ハマったよなぁ……金が無かったからあまり頻繁にはゲーセンは行けなかったけど時折無性にゾンビを撃ちたくなって、たった一回やるだけのためにゲーセンに行ったりもした。場面に合わせた弾の選択とか重要だったっけ? 下手の横好きだから上手くも詳しくも無いんだけど、何か爆発する弾とかマシンガンとかショットガンとかあったなぁ……
だんだん考えが逸れていたが、ここで気づいた。魔法はイメージ、ライトボールを改良して弾を再現すれば良いんじゃないか?
俺は早速改良を試みる……爆発する弾は良く分からんし、マシンガンは一気に魔力持ってかれそうだから、ショットガンが妥当な所かな? ショットガンの弾は散弾で、打ち出されたら内部の小さな弾がばらまかれる筈だよな……だったら撃ちだしたライトボールが小さな弾になって拡散していくイメージで……
「『ライトボール』」
俺が散弾のイメージで放ったライトボールはイメージ通りに拡散したが、目の前のゾンビ達に与えたダメージは少なく、傷は負わせたが一匹も倒せなかった。どうも拡散させ過ぎたせいで1発1発の威力が落ちた様だ。
なら、通常のライトボールの10倍の魔力を込めて放つ。すると今度は先頭のゾンビから4m位の扇状の範囲に居たアンデッドだけでなく、空中にいるレイスまで消し飛ばした。10倍も魔力は要らないかな? それに、空まで拡散してるとなると無駄が多そうだ。
魔力は十分にあるが、今度は範囲を絞る事を意識し、代わりに魔力を半分の5倍に落とす。……確か、ショットガンの弾は中の弾の大きさの違いで何種類もあったはずだ。それをイメージ……ばらまかれる弾の1つ1つに、ホーリースペースの要領で均等に魔力を配分するイメージ……普段の5倍の魔力を50等分にして放つ。
「『ライトボール』……くっ」
いかん、魔力のコントロールがかなり難しい。今のは飛び散る弾の魔力が当たる前に拡散した。その結果目の前の2匹を倒すだけで精一杯だった様だ。集中して、もう一度。
そして魔力のコントロールに集中し、数を稼ぐと同時に練習をする。レミリーさんも俺の工夫によって向上していくライトボールの殲滅力に少し焦ったのか、チラチラとこちらの様子を伺っている様だ。
と、ここでセバスさんのカウントダウンが始まった。
「あと10秒、9、8、7、6……」
もう終わりか!だったら最後にこの魔法を“ライトショット”と名づけてライトボールと差別化。イメージを更に固めて……放つ!!
「『ライトショット』」
最後の1発は通常の5倍の魔力だったが、先頭から3m程の範囲に居たアンデッドを穴だらけにして消滅させた。威力は落ちたが、魔力の消費が半分に抑えられた事を考えると中々良いだろう。
「そこまで!!」
セバスさんの言葉により終了の合図が出され、結果が伝えられる。その結果は――
負けた。
改良したライトボールで序盤に付けられた差は取り戻した。しかし、最後の1発が拙かった。俺は改良したライトボールの完成度を高め、あの時出来た最高の1発を放ったのはいいが、その時にこう言ってしまったんだ“ライトショット”と……
ルールその1、ライトボール以外の魔法は使用禁止。
ライトボールを改良して撃っていた間は戦い方の工夫だからルールに抵触していないと思っていたし、事実、セバスさんも問題ないと考えていた。しかし、最後の最後で俺が“ライトショット”という別の魔法として区別してしまったので、反則負けという訳だ。
敗因は、勝つための魔法改良に集中しすぎ、ルールを忘れた事……無念……
「途中ちょっと焦ったけど、私の勝ちね! それにしても、元になる魔法があったからって新しい魔法をこの短時間で作り上げるなんて思わなかったわ」
レミリーさんはそう言って楽しそうに笑った。その後使い方を聞かれたので教えたら、レミリーさんは興奮し始め、何度か実際に使ってみて納得し、そして最終的に真剣な顔でこう言って来た。
「リョウマちゃん。この魔法、凄いわ。ライトボール1回につき大体100の魔力を消費するとして、ライトショットはその5倍で500。魔力の消費は下級魔法なのに、範囲は中級のエクソシズム以上。対アンデッド用の魔法としては非常に有効よ。でも、これはあまり気軽に他人に教えない方が良いわ」
何でだろう?
「何か問題がありますか? 改善点とか?」
「いいえ、この魔法は良く出来た魔法よ。それは間違い無いわ。問題は出来具合じゃないの、難しすぎるのよ」
「光魔法は上位属性で使える人が少ない……という事では無いですよね?」
レミリーさんは一度頷いて説明してくれた。ライトショットはかなり高い魔力操作能力が求められる魔法になっていて、それが少ない魔力で高い威力を出す要となっているので上級魔法を使える熟練の光魔法使いでもなければ本来の威力を引き出せないそうだ。
ただでさえ扱いの難しい光属性魔法を上級まで習得できる者は少ないので、この魔法も習得出来る者は少ないだろう。そして習得出来なかった者の全員が自分の実力不足だと納得するとは限らない。
つまり、習得出来ないと俺の教え方が悪いと言われたり、場合によってはこの魔法に必要な何かを隠して教えていないのだという言いがかりをつけられたりする事がある。これは上位属性の魔法を教える時に割とありがちな事だそうだ。
別に自分で編み出した魔法を奥の手として隠しておくのは本来責められる様な事では無いが、面倒事に発展する可能性があるので注意するようにとの注意を頂いた。
更に同じ注意を横で聞いていたセバスさんからも頂いた。
どうやらセバスさんも昔そういう事があったらしく言葉に実感がこもっていたし、相手にもよるがあまり他人に空間魔法の指導はしたくないと言葉にした。セバスさんがそういう負の感情を露わにする事が珍しかった、というか俺は初めて見たので驚いた。
2人の注意は心に留めておこう。
そして夜。
俺達は交代で仮眠を取る事になり、先程魔法を連発した俺とレミリーさんは布団に入っている。勿論、俺は負けたのでレミリーさんと一緒に。
でも……眠れません……
寝返りをうっても良い様に少し余裕を持たせていたから布団のサイズ的には余裕がある。ただ、俺がレミリーさんの抱き枕にされており、身長的な問題で後頭部に柔らかい物があたっている。
もう一度言います。仮眠の時間なのに、眠れません!
そんな俺の様子を見てレミリーさんが話しかけてきた。
「眠れないの?」
「え、ええ……」
俺がそう答えると、レミリーさんは俺の頭を撫で始めた。
「何をしてるんですか……?」
「んー? 昔弟に良くやっててね、眠れない時にこうするとすぐ寝てたから」
「弟さんがいらしたんですか?」
そう聞くと、レミリーさんは答えてくれた。
レミリーさんには年の離れた弟さんが居るらしい。ダークエルフの村を出て以来会えてないらしいが、その時の身長が丁度今の俺くらいだったそうだ。そしてレミリーさん曰く、弟さんは真面目で融通が利かない所があるが魔法が得意で、俺に少し似ているらしい。
それからはダークエルフの生活について話を聞いた。
ダークエルフは殆どが親族で構成された小さな村単位で、人が住むには困難な荒地を開墾して生活する開拓者と遊牧民が混ざった様な暮らしをしている様だ。村によって間隔は違うが、年単位で村ごと移動する村も珍しくないらしい。
何故定住しないのかというと、旅や開墾で子供達に生き抜く術を教えるため、土地を開墾して報酬を貰い必要な物資を手に入れるためなど村によって理由はさまざまだそうだ。
そんな中でレミリーさんの村は子供の訓練や報酬も理由ではあるが、村人が一風変わっており、単純に開墾し厳しい土地の中で日々生き抜く事に達成感と生きる実感を見出すという開墾マニアの集う村らしい。
開墾そのものを依頼される事もあればアドバイザーの役割も果たす、ダークエルフと一部の業界では有名な一族だそうだ。
ちなみにエルフは森の中で先祖代々の土地を受け継ぎ、守りながら暮らすというダークエルフとは正反対の生き方をする者が多いらしい。だが、どちらにも例外はあり、中には村を出て冒険者になったり気に入った場所に定住するエルフやダークエルフも勿論居る。
レミリーさんもその口で、冒険者として活動していたらその実績が先代の国王の目に止まり、一時的に宮廷魔道士として働く事になったらしい。今は宮廷魔道士としての契約期間が切れたのでフリー、冒険者に戻るか親族と合流して生活するか迷っているとの事だ。
そんな話をしているうちに、レミリーさんは寝てしまった。
でも俺は眠れません。何一つ眠れない原因が取り除かれてないので。
これでも男、ましてや精神はほぼおっさんですからこの状況は色々とキツいです。
とりあえず俺は目をつぶり、出来る限り後ろの柔らかさと痛いほどの心臓の鼓動に耐えながら、レミリーさんを起こさない様に、静かに交代の時間を待った。
その後交代の時間になったら湧いて来ているアンデッド退治に集中して煩悩をはらう。迷宮の外に出てきたアンデッドの大半は仕留めたが、結局この夜、俺は一睡も出来なかった。前世で徹夜には慣れているし、睡眠耐性もあるから特に問題は無いが、俺が普通の子供だったらフラフラになっていただろう。
そして夜が明け、朝食を取ったあとに何となくステータスボードを見ると、新しいスキルが増えていた。
魅了耐性Lv1
俺が昨夜の出来事を乗り越えた証だと思う。




